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『大大阪地下鉄行進曲』(大阪地下鉄開業記念の歌)

九條です。

大阪の地下鉄は1933(昭和8)年に、日本初の公営(市営)地下鉄として[梅田―難波なんば間 4.1km]が開業しました。現在の大阪メトロ御堂筋線みどうすじせんです。

東京ではすでに1927(昭和2)年に私鉄として東京地下鉄道株式会社が銀座線[上野―浅草間 2.2km]を開通させていましたが、大阪の地下鉄は東京の地下鉄と比較すると、スピードが速く、車両の大きさや駅の規模や設備も格段に大きく豪華なものでした。

この大阪市営地下鉄の開業を記念して『大大阪地下鉄行進曲だいおおさかちかてつこうしんきょく』が発表されました。歌ったのは当時の売れっ子歌手の德山たまきと小林千代子のお2人です。

その『大大阪地下鉄行進曲』が、YouTubeで開業当時の大阪市営地下鉄を撮影した貴重なフィルムとともに公開されていますので、ご紹介いたします。

『大大阪地下鉄行進曲』(3分19秒)

大大阪地下鉄行進曲
発表:1933(昭和8)年
作詞:平塚米次郎(※大阪市電気局長)
作曲:橋本国彦
歌:徳山 璉・小林千代子
※大阪市電気局は大阪市電や大阪市営地下鉄を運営していた大阪市の部局で後に大阪市交通局となり、2018年に民営化されて現在の大阪メトロとなりました。

【歌詞】
水の都の地の底までも
進む文化の輝くところ
拓く軌道は浪華(なんば)の誇り
讃えよ地下鉄
スピード時代

夢が現(うつつ)に今の当たり
招く地下鉄彩るサイン
市(まち)の栄えは市民(われら)の誇り
讃えよ地下鉄
スピード時代

(間奏)
讃えよ地下鉄
スピード時代

街の往来(ゆきき)の悩みも知らず
いつも五月(さつき)の風さえ薫る
高速電車は時代の誇り
讃えよ地下鉄
スピード時代

(※歌詞は九條が同時代資料をもとに書き起こしました)


地下鉄のことを「スピード時代」「高速電車」と表現しているのは、当時の路面電車の最高速度が30〜40km/hだったのに対して、地下鉄は最高速度70km/hを誇っていたからです。


※見出し画像は現在の大阪メトロ御堂筋線

©2023 九條正博(Masahiro Kujoh)
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