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学問と年齢と夢と

九條です。

私が大学3回生の時(ですから当時の私は20代前半)、たびたびお邪魔(聴講)していた同じ京都市内の私立大学の文学部にひとつ上(4回生)の女性の先輩がおられました。その先輩は当時61歳でした。

若い頃、家が貧乏で大学へ行かせてもらえなかった。高校を卒業して就職し、結婚して、子育てをしていても、ずっとずっと学問がしたかった。

今、2人の子どもも結婚して孫もでき、時間的にも経済的にも余裕ができたので、社会人入試で大学へ入ることができた。

ようやく長年の夢が叶って学問ができている。今まで61年間生きてきた中で、今がいちばん嬉しい、今がいちばん幸せ。

と、私に話ってくださった事がありました。

その方は一所懸命勉強をされて、そういう必死の努力をされて文学士(歴史学)の学位と博物館学芸員の国家資格を取得して卒業されました。

卒業してからは地元へ戻られて、行政(役場の教育委員会)からの委託を受けて町民向けの地域史の教材の執筆にも携わられました。

学問に年齢制限はありません。大学への入学に年齢制限はありません。

学問は、時間と少しの経済的余裕があれば、あとは努力さえすれば夢が叶えられる世界。素晴らしいと思います。

すでに故人となられていますが、私の恩師は私に、

いつかきっと博士号をとってください。大学院へ行かなくても、働きながらでも論文博士で博士号は取ることができます。私も論文博士です。還暦過ぎてから博士号を取りました。厳しい道ですが、努力は報われるのが学問の世界です。希望を持ってください。夢を追いかけてください。

と、言ってくださった事があります。

この恩師から託された夢。いつか実現したいなと思っています。^_^


©2024 九條正博(Masahiro Kujoh)
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