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【週末のバロック/臨時増刊号】ヴィヴァルディの「春」(第1楽章)

【今日のバロック】

九條です。

3月に入り、春めいて参りましたね。^_^

そこで今日ご紹介するのは、お馴染みのヴィヴァルディ(1678〜1741年/イタリア)のヴァイオリン協奏曲集『四季』より「春」です。

このヴィヴァルディの『四季』は、彼が出した8作目のヴァイオリン協奏曲集『和声と創意への試み』(全12曲)のなかに収められている最初の4曲で、それぞれに「春」「夏」「秋」「冬」のタイトルが付いています。

今日ご紹介する曲は、その冒頭を飾る「春」の第1楽章です。


【作曲者】
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678〜1741年/イタリア)

【収録アルバム】
ヴァイオリン協奏曲集 第8集『和声と創意への試み』(1724年発表)から

【お聴きいただく曲】
『四季』よりヴァイオリン協奏曲第1番「春/La Primavera」(第1楽章)ホ長調 RV269(3分30秒)

【ポイント】
ヴィヴァルディの『四季』といえば、世界的に、また我が国においても、イ・ムジチ(イタリア語で「音楽家たち」という意味)合奏団による演奏が有名ですが、今回は老舗のイ・ソリスティ・ヴェネティ(イタリア語で「ヴェネツィアの演奏家たち」という意味)合奏団による演奏をお送り致します。

一般によく知られている(テンポ良くメリハリの利いた)イ・ムジチの演奏とは異なり、音楽学者のクラウディオ・シモーネ氏(1934〜2018年)が指揮したイ・ソリスティ・ヴェネティの演奏は、古風で優雅で流麗です。

クラシック音楽(とりわけバロック音楽)は、同じ曲でも指揮者やオーケストラによって随分と印象が変わるという好例だと思います。

また『四季』とくにこの「春」は、ヴィヴァルディの音楽らしい明るくおおらかで透明感のある曲です。そこにはヴィヴァルディという人の人柄や、彼の教え子たち(ピエタ女子孤児院の女学生たち)への愛情や優しい眼差しがよく現れていると思います。

このイ・ソリスティ・ヴェネティの演奏による『四季』は、私がクラシック音楽を好きになったきっかけの曲です。^_^


アントニオ・ヴィヴァルディ作
ヴァイオリン協奏曲集『四季』より「春」ホ長調(RV269)の第1楽章(3分30秒)


それでは皆さま、ステキな春の日々をお過ごしください。^_^


©2024 九條正博(Masahiro Kujoh)
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