(新訳)論理哲学論考 2−②

ヴィトゲンシュタインの『論理哲学論考』の新しい翻訳です。

既存の翻訳では感じ取れなかったものが、感じ取れるようなものになっているはずです。

今回は、『論理哲学論考』の第2節を7つに分けた内の2つ目、2−②です。(なので、2節は全部で2−⑦まであります。)


読み解きは、以下のリンクで。




論理哲学論考 2ー②

     著:ヴィトゲンシュタイン   
     訳:メタモル・あうと郎


  2.02 対象は、単に在る。

      2.0201 複合物に対する声明はどれでも、文を分解している。
          それは、その構成要素に対する声明で在り、そして、
          その複合物を完全に説明して居る声明で在る。

    2.021 対象が世界の実体を形創って居る。で、在るから、
        それは合成出来ないで、在る。

      2.0211 もし、世界に実体が無いとしたら、
          1つの文が意義を持つ事は、
          他の文の真実に依存して居る事で成るだろう。

      2.0212 その場合、(真または偽の)世界の像を創る事は
          不可能と成るで在ろう。

    2.022 明らかにそうで在る。
        それがまた、現実と違って想像された世界で在っても、
        ーー1つの型ーー現実との共有を持っている。

    2.023 この行き渡った型は、対象たちによって成っている。

      2.0231 世界の実体が出来るのは型だけで、
          材料の特徴は決定出来ない。
          これらは文章の表示によって初めて成り、
          対象の構成によって形成される。

      2.0232 砕けて言えば、対象は無色で在る。

      2.0233 同じ論理的な形の、2つの対象は、
           外部の特徴とは別に、
           お互いが違うという事だけを通して際立って居る。

        2.02331 1つの物が他に無い特徴を持っているならば、             それで他との違いを説明したり指摘する事が
             出来るが、
             しかし、全部が同じ特徴を持っているならば、
             手がかりは無く、指摘する事は全く不可能だ。

            なぜなら、物が強調されて居ないなら
            強調させる事が出来ず、
            そうで無いなら強調されるだけだ。

    2.024 実体は落下から独立して居る。在る。

    2.025 あなたは、型と内容。

      2.0251 空間、時間、そして色(色が有る事)は、
          対象たちの型たちで有る。

    2.026 対象が与えられた時にだけ、
        世界の1つの固まった型が、与えられる。

    2.027 固定、既存、そして対象。それは、1つで在る。

      2.0271 対象は固まって居て、既存で在る;構成は変化する、
          気まぐれに。

      2.0272 対象の構成が、事態を形創る。

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