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松屋の雨の日クーポンのお陰で、、、


ある日の朝、私はとてつもない虚無感に襲われた。

いつも通りの朝で、特別嫌なイベントが控えているわけでもないのに、心が体にストップをかける。

なんか、たまにありますよね、こういう朝。

永遠にベッドの上にいたいけど、今すぐにベッドから抜け出したい。

そんな訳のわからない感情になる。

すべきことは沢山あるのに、それら全てが無意味に思えてしまう。

結局1時間近く、自分に対してだだをこねていた。

気分転換にXのタイムラインを眺めてみたが
うわぁ!もう!無駄だ!無駄だ!この時間無駄だ!
とムシャクシャしてしまった。

「もう今日はバイトもサボってダラダラしてやる!」
と思い、Xを閉じようとしたとき、大きなQRコードが目に留まった。

少し気になったので見てみると、松屋の雨の日クーポンだった。

「牛めし 30円引き!」

さっきまで、あんなに重かった体がスッと軽くなった。

「えぇ!お前これだけで復活すんの?!」

と、自分に対して驚いた。

こういうときって、真正面から自分と向き合っても、さらに深く沈み込んでしまうことが多い。

意外と脈絡のないきっかけで立ち直れたりするのだ。

私はバイト前に松屋でエネルギー補給をすることが多い。

そして、牛めしの並に半熟卵をぶっかけて食べるのが好きだ。

でも、それにしたって、たった「30円引き!」で体を起こし、家から出る気力がわいてくるとは、、、

全く、単純な人間だ。


その日のバイトは、夕方からだったので、昼間はとりあえず、カフェへ行った。

そのカフェは高3の受験期から通い詰めているカフェで、毎回、抹茶ラテのアイスを注文する。

通い詰めすぎて、今では、私がレジに並んでいる時点で、それを作り始めてくれる。

常連さんとして認識してもらえているのは嬉しいのだが、作らせてしまっている以上、他のものを頼めないというデメリットもある。

極寒の日でも、アイスしか頼めない。


抹茶ラテを受け取り、いつもと同じ端っこの席に着いた。

そして、パソコンを開きながら、ふと隣の席に目をやると、中高の同級生が勉強をしていた。

「おい、○○だよな?」
と声をかけてみた。

久しぶりだったこともあり、お互いのすべきことをほっぽらかして、思い出話に花を咲かせた。


すると、彼と喋っていると途中で、見覚えのある同年代の女性が声をかけてきた。

彼女は、このカフェの常連さんで、何度も見かけたことがあった。

喋ったことはなかったが、お気に入りの席が私と同じらしく、静かな椅子取りゲームを連日開催していた。

話を聞いていると、彼女は、彼の高校の同級生であることが分かった。

ということは、私の高校の同級生でもあったわけだ。

しかし、私と彼女はお互いを認識しておらず、カフェの常連さんとしてしか認識していなかった。


彼を介して同じ高校だったことを知り、そのカフェのあるある話や、進路の話などで、盛り上がった。

今度出くわしたときには、お気に入りの席を譲ってあげようか。


そんなこんなで、バイトへ向かう時刻になり、カフェを出た。

話に夢中になりすぎて、松屋に寄る時間はなくなったてしまった。

せっかくの雨の日クーポンは使いそびれた。

でも、たまたま見つけた雨の日クーポンのお陰で、そんなに悪くない1日になった。


それでは、今日はこの辺で。

ありがとうございました。

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