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ゲームジャム参加作品からAndroidアプリへ。何を追加しブラッシュアップしたか【#リアルタイムART 】

■はじめに

 こんにちは、サークル「ほんわかふわふわ」代表、花倉みだれです
 「ほんわかふわふわ」は妻でイラストレーターの「平和なべ」と私、花倉みだれの2人サークルです。

 先日、2023年1月26日ほんわかふわふわとして3本目のAndroidアプリ『リアルタイムアシストリプレイタイム ~閉店までの1分間~』をリリースしました。

 今回のタイトル『リアルタイムアシストリプレイタイム ~閉店までの1分間~』は元々unity1週間ゲームジャム「そろえる」に参加したゲームをベースにしています。

 その時のことはメイキングや結果の振り返りなどnoteにも書いているので気になったら見てみてください。

 今回の記事は、そんなWebGLプラットフォームのゲームジャム参加作品からスマホアプリにするにあたってこんなことをしたよ、ということをメモがてら書いていけたらいいなと思っています。

■タイトル変更

 元々は「RTART ~閉店まで(略)」だったのを、今回アプリ化するにあたって「リアルタイムアシストリプレイタイム ~閉店まで(略)」と変更しました。と言ってもゲーム内には影響はなく、ストア情報等だけなのですが。
 RTA(リアルタイムアタック)とART(アシストリプレイタイム)を掛けた略称である「RTART」も大いに気に入ってはいるのですが、若干造語ちっくで何の略か伝わらない、特にネタ的には伝えたい層であるスロッターに一発で伝わらない可能性を危惧して、カタカナ表記に変更しました。 
 あと検索でのユニーク性も若干上げられたのではないかと思っています。ちょっと字面ダサいのと文字数使うのは懸念ではあるのですが。

■不具合修正

 unity1weekの中では、とにかく公開することが正義だと思っています。
 それを言い訳にしていいかはわからないですが、結構な不具合がWebGL版には残っていました。これを修正しました。
 タイムアタックなのに無限に遊べてしまうとか、遷移がおかしいとか、わりと致命的なものもあったりして、多分殺せた……と思っています。どうだろ……。殺せてるといいな……。

■UI変更(調整)

 unity1week参加時でも多分スマホでも遊べたのだとは思うのですが、原則想定している端末はパソコンでした。なのでキーボード操作にも対応しています
 unity1weekには「操作性」という評価軸もあるので、なるべく操作に迷わないようにと、各ボタンに対応するキーの記号を入れているほか、右下にも案内版を表示していました。(それはそれとしてこのタイトル、u1w参加作の中ではかなり操作性の評価低かったのですが……)

ベット、レバー、1~3停止にそれぞれ対応するキーが書いてある
選択肢にSPACE / ENTERの案内が入っている

 スマホには当然キーボード操作なんてないので、これを消す必要があります。それが1つですね。 

案内板、キーガイドが消えたスマホ版

 元々デザイナーからはキーガイド入れるのを渋られていたりもしたので、
スッキリした見た目にはなったのかなと思いますね。

 その他「タップだと連打しちゃうよね」みたいなところにワンクッション挟むようにしたりなど、地味な改修をしています。

■ランキングの刷新

 「1分間でどれだけメダルを稼げたか」を競うゲーム性となっていて、オンラインランキングを元々実装していました。
 が、若干の不具合修正をしたことや、キーボード・マウスとタップではゲーム環境が平等ではないかな……という思いもあり、Androidアプリ用のランキングはWebGL版のランキングとはべつに用意しました。
 登録者が減った状態となるのは「なんとなくゲームが賑わっている感」を犠牲にすることにはなるので若干の葛藤はありましたが、判断するとしたらこのタイミングしかなかったのでとりあえずやったのはよかったかなとは思っています。

■ボタンの当たり判定の拡大

 WebGL版では、各ボタンの当たり判定はほぼ見た目のままです。原則クリック(スロット部分に関してはキーボードも想定)進行なので、押す位置がずれることもそうそうないかなと思っています。
 一方、ベタ移植してスマホタップで触ってみたら結構誤タップや反応しないことなどが頻発しました。
 なので、だいたいのボタンの当たり判定を見た目より広めに取るように修正しています。

青丸でくくられた部分gあボリューム調整バー(中央◯部分)の当たり判定

 これはこれで空タップするつもりがどこか押しちゃってる! みたいなバグっぽい体感になるリスクと紙一重だとは思うのですが、自分で遊んで見た感じ改善した感あったのでとりあえず良しとしています。何かいいノウハウあれば学んでいきたいところですね。

■エンドカードの一部入れ替え

 「ゲーム終了時にエンドカードがランダムに表示される」という美スロあるあるっぽさとちょっとしたコンプ要素と飽き防止要素があります。
 このエンドカードを一部差し替えています。
 元々のイラストもかなり気に入っているので差し替えになることは結構悩ましくもあったのですが。(総数増やせばいいのはそれはそうなのですが、処理的に少々自信がなくて……)
 ゲーム内に登場する主なキャラクターは2名なので、できる限り2名写っているイラストのほうが望ましいというのが主な理由です。

こちらが元々のエンドカード一覧
こちらが差し替わったエンドカード一覧

 このあたりは投稿した時から今まで結構間が空いてしまってリソース増えたからこそできたことかもしれませんね。

■ボタンエフェクトの追加

 一個上の項目の2つの画像のレバーに注目して見ていただきたいのですが、新しいバージョンのほうはやかましく光っています。
 unity1weekでは「操作性」の評価が想定より芳しくなくて、それは「(スロッター以外は)何をしたらいいかわからない」状況になっていたのではないかなと考えました。
 なので、その場その場で押せるボタンをやかましく光らせる方向で調整しています。

第2停止か第3停止を押せる場面ではそこだけが光る、というような形

 最初からやっておけばよかったな~と思うくらいには、体感わかりやすくなった気はします。

 この演出についてはUIOutline というパッケージにおんぶにだっこです。最高。大好き。
 紹介記事もあってわかりやすかったのもとても助かりましたね。

■一部画面遷移の変更

 unity1week版では、タイトル→メイン→リザルト→タイトルという一方通行の遷移のみができました。
 これを、メイン→タイトルの遷移も可能なようにしました。

追加した画面

 これは最初からあっても良かったですね。例えばモードやキャラクターを間違えた場合、これまでは再起動か1分待つしかなかったので、かないr不親切だったなと反省しています。

■演出の強化

 unity1week内ではやりきれなかった部分だったので、思いつく限り強化してました。
・リールを回転させる
・子役が揃った時にメダルが落ちてくる演出の追加
・リールストップ時にエフェクトを出すように
・リザルト時にエフェクトを出すように
・SEの追加
・Text→TMP化

概ねやったのはこの4点です。

●リールを回転させる

 unity1week版の状態では「点滅」でした。これは結構不評で、個人的にもちょっと物足りなさを感じている部分でもありました。
 かなりオレオレで強引であまり潰しの効かない実装にはなってしまったのですが、とりあえず回っているようには見える感じにはなったと思います。体感かなりよくはなりましたね。

●子役が揃った時にメダルが落ちてくる演出の追加

 なんかメダルが落ちてくるっぽいエフェクトを出そうかな、というところですね。自作することも少し考えたのですが、諦めてアセットを買うことにしました。「エフェクト系アセットをゲーム内でどう扱うか」みたいなのもよくわかってなかったりはしたので、その辺り1回やれたら今後に生きるかなという思いもありました。

 買ったアセットはこれ。多分VFXカテゴリーで「money」「coin」あたりで検索して、サンプルにコインが降ってるものがあるものを選んだのだと思います。
 比較対象がないので特別おすすめどうこうということはないのですが、個人的にはそれなりに満足しています。やりたいことはできましたからね。

●リールストップ時にエフェクトを出すように

 現実にはリールにエフェクト発火することはほぼないのですが、ゲーム的に考えるとあると映えるよなということで実装しました。元々は停止ボタン押下時のエフェクトでボタン周囲に出していたのですが、親指で押すとほぼ隠れてしまうので、それだったらそこよりリールに出したほうが体感いいなと変更した経緯があったりします。

左リール周囲の星がそれ

 この★のエフェクトも、お金が降ってくるアセットの中にあったものです。色々使えてありがたい限り。
 エフェクト、これまでなんかいい感じに表示させるのが難しくてあんまり積極的に利用できていなかったのですが、UIと同じ感じで出せるようにするパッケージがあって、それを使うようになってからかなりやりやすくなりました。雑にボタン押下に対応して表示させるだけでも体感かなりよくなった感あるので、今後に生きるな~と思います。
 紹介記事もあってとてもありがた。

 コガネブログ様一生ついていきます。

●リザルト時にエフェクトを出すように

この★の部分

 リザルト時にこれまで何もエフェクト的なものはなかったので、遷移した時にパンパン★が出るようにしました。この★のエフェクトもさっきのアセットの中にあったもの。ないよりあったほうが断然映える感じあります。

●SEの追加

 停止時のSE、残り時間10秒 / 3秒時のSE、7が揃った時の確定音などを追加しました。
 やかましさは上がった一方で、元々複数の音を鳴らす想定のサウンドマネージャーを使っていなかったので鳴ったり鳴らなかったりする音が出てしまっているのが難点ではありますね。とはいえ、ここを大改造するのはしんどかったのでもう仕様ということでゴーしています。
 とはいえ、ないよりあったほうがいいかなという感じにはなっていると思います。多分。ボタン押して音鳴るだけでもわりと楽しいですね。

●Text→TMPの変更

 元々はTextを使っていましたが、これを大部分TextMeshProに差し替える対応を行いました。体感かなりフォントが綺麗になっていますね。とても良い。

 TMPは幅がバラバラなフォントを等幅フォントにすることもできて、これが一番大きかったなと思います。時計がカウントダウンでガタガタしなくなってとても良い。
 
 それ以外も調子乗って差し替えていったのですが、慣れていなくてGooglePlayStoreの容量制限(150MB)を超過する要因になってしまったり、テストしたつもりが□□で表示される文字をちょこちょこ出してしまったり(今はもうない、はず……)と結構苦戦しています。まだまだ仲良くなりきれてはないないのですが、とりあえずやれたことはよかったなと思っています。

■プライバシーポリシーの追加

左下にあるのがリンク

 ゲーム内からプライバシーポリシーが見られるようにしないといけないとかで、noteにそれを書いてそのURLへ飛ばすボタンを設置しました。めんどくさい……!

■広告の追加

 本プロジェクトの一番の目的は「広告つきでスマホアプリを出す経験を積む」ことにありました。
 unity1week版から、ここで出そう、というポイントも予め用意していて、ゲームデザイン的な面ではとりあえず苦労はしていません(全然稼ぐ気はない設定ですけど……)
 よくUnityAdsなら簡単だ、という話を聞いていたのでそれで実装しています。
 正直結構悪戦苦闘しています。どこでどう、と考えていくと、あれ? 簡単だった気もする……と錯覚するのですが「かなり苦労した」という印象だけが残っています。正直個人ではもうやりたくないです。やってる人たちすごい。

 とりあえず本番のストアから本番の広告出てるのは確認したので、無事できたんだ……と思います。

 「とりあえず1回やってみよう」は無事クリアできてよかったですね。

■今後の展開

 とりあえずしばらくはいいかな~というのが今の正直な気持ちではあります。
 大規模にいじるとそれはもう普通のスロットになって、別タイトルだろうとも思いますし。別タイトルとして1から組み立て直したいみたいな気持ちもなくはないですが、今じゃないかな……みたいな。

 容量が現状カッツカツなので、軽量化の知見を試す土台にしたり、BGMの種類を増やすのはかなり簡単なので使ってくれって声があったり、こちらから相談して許可得られたら追加したり、そういうことはするかもしれません。

 エンドカードを10種類以上にするのとかもやってもよいかもしれませんね。

 ちまちまとアップデートは重ねていくかもしれないが、具体的に決まってることはないし、今は何も動いていない、が正直なところですね。

 PC版としてリリースするかは考え中です。広告を挟むことありきのゲームでもあるので、その点どうするかが少し考えポイントではあります。
 Steamのランキング機能使ったことないので、やるならその辺絡めて試す形になるのかな~と思ったりはしています。いずれにしても未定。

 とりあえず今は、燃え尽き感を体の節々に感じてボケ―っとしています(笑)

■終わりに

 こう書き出してみると、結構いじったな~と思いますね。 
 ゲームそのものはほとんど変わってないですし、新規に書き下ろされた素材もほぼない(多分プライバシーポリシーのボタン用スプライトくらい)ので、ある意味ではunity1week終了時版の状態でいかに未完成だったかということでもあるかなと思います。スマホならではの改修もありますが、結構「そもそも最初からそうしとけよ」みたいなところも多かったと思ってます。
 「とりあえず遊べる状態にする」から「過不足なく、できれば気持ちよく遊べる」状態にするの、楽しい作業なような、退屈な作業なような……なんとも言い難いですが、改めて意識してやれたのはいい経験になったかなと思っています。

 もう二度と見たくねぇ!!! というようなグチャグチャなプロジェクトでもあって、それをいじるのは相応なストレスではありました。
 この気持ちをあと数回溜め込めば、今度はきれいなプロジェクトにしよう! という意識が働くようになるのかなと思いますし、そういう意味でも悪い経験だとは思っていません。

 今度のunity1weekでは、遅刻せず、最初からこの辺の色々なことも意識した状態で何か出せるといいな~と思ったりしています。

 そんなわけで、unity1week当時でもたくさん遊んでいただけていましたが、その時遊んだ方もぜひ、こう変わったのか~みたいな感じでAndroid版、遊んでいただけると嬉しいです(笑)

 はじめて知った方もぜひ! よろしくお願いします!

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