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どんなふうに歳をとりたいか。アラ還で大学院進学した父の、人生でやり残したこと【ショート絵本付き】

今回はいかにも長老風な見た目のかめじいのおはなし。

「ミックスナッツカフェ」のコンセプトは「いろいろな個性・いろいろな生き方」ですから、シルバー世代のキャラクターも仲間に入れようと作ったキャラクターです。

かめじいを見た目通りの、年の功と知恵で若者たちを導く名言メーカー!にしても良かったのですが……他者のために良いことをいうのはたまにで良いから、自分の人生を謳歌してもらいたいと思いました。

それは、私の父の生き方が影響していたのかもしれません。

実はかめじいの大学卒業は、私の父の実際のエピソードを入れています。

父は会社員ですが、昼休みは少しでも長くキャッチボールをしたいがために早弁したり、社内のデスクには書類ではなく、お菓子を隠し持つ… まるでやることが中学生男子のようでした。

そんな父が、アラ還のときに大学院の博士課程に行くことを決心します。 「今更その歳で博士課程に進んでどうするんだ?」 そんなことを言う人もいました。

でも父は仕事をする傍ら、夜遅くまで論文に取り組み、ときには課題の難しさに頭を抱え… そして数年後、遂に博士号を取得したのです。

LINEに送られてきた、卒業式で角帽とマントを着て笑う父の写真は忘れられません。 博士号取得に対して父は 「やり残したと感じていたことを一つやり遂げられてよかった」 と言っていました。

父にとって博士号取得は、年齢関係なくあきらめられない、どうしても果たしたいことだったのでしょう。

「やりたいこと」ではなく 「やり残したこと」と言っていたのが印象的でした。

「やりたいこと」はどこかフワッとしている気がしますが、「人生でやり残していること」だと、途端に使命感というか突き動かされる気持ちになります。

それは終わりを意識しているからかもしれません。
(私は夏休みの終わりが近づくと途端に宿題を頑張りだす対応だったので特に身に染みるのです……笑)


「もう〇〇歳だから……」
「今更やったところで……」

やりたいことを諦めてしまうときの理由でよく聞く言葉です。
若ければ若いほど体力も勢いもあるのは確かでしょう。
でも、年齢を理由に諦めるなんてどうしてもできない!と強く思えるものこそが、人生でやり残していることなのかもしれません。

人生は意外とあっという間です。 人それぞれのやり残したことや可能性がある。 せっかくなら楽しくやりたい。年齢を悲観してる暇はないなーと感じるこの頃です。


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