わたしと演劇のはなし
今まで創作や本の話ばかりしているので、
神無月の好きな「物語」はなにも本ばかりではない、という話をしたいと思います。
紙の本ではない、小説でも漫画でもない「物語」
○趣味:観劇
で、いきなりなんですが。
観劇を趣味にする、いや趣味に出来るというのは、かなり地の利に左右されるものだと個人的には思っています。
家で見られるドラマでも、地方主要都市にもそれなりに充実している(現代はネットもある)映画でもなく、生の演劇にハマることができたのは、そうとう恵まれていることだと思っています。
そう思うと贅沢な趣味ですねぇ。
そんな贅沢な環境を享受している神無月の観劇ペースは、だいたい2~3ヶ月に1回といったところです。
(これでも所謂「ガチ勢」と比べてしまえば全然少ないんですよ……上には上がいる)
・ミュージカル
ストレートプレイ(後述)も観ますが、専らミュージカルばかり観ています。
一番行くのは劇団四季。
「四季の会」というファンクラブの会員になってるくらいには好きだし頻繁に行っています。
「アラジン」「アナと雪の女王」「バケモノの子」「オペラ座の怪人」と、あと一昨年の「アンドリュー・ロイド=ウェバーコンサート」も行きました。
今後は観劇レポや感想も書いていきたいです。
宝塚歌劇団もたまに行かせていただいてます。
こちらは主に友人からのお誘い。
自力だとなかなかチケット取るの大変なのでありがたや……
あとは好きな役者さん目当てであっちこっち行きますね。
よく行く劇場は帝国劇場や日生劇場(有楽町)、シアターオーブ、Bunkamura(渋谷)、芸術劇場(池袋)なんかも好きです。
人気の高い役者さんを推すと、こんだけ大きい劇場ばっかり出ててもなかなかチケットが取れなくて大変!
ファンクラブ枠やチケットサイトの先行抽選を駆使しています。
・ストレートプレイ
ミュージカル以外、所謂ストレートプレイで一番推しているのが劇団おぼんろさん。
学生時代に口コミで知り、何だかんだで10年近く応援している劇団です。
コロナ以降あまり行けていない……今年の新作本公演は行きたいー!!!
(とっくに情報出てるのにまだチケット買ってない)
※ちなみにストレートプレイとは
「歌劇ではない科白劇」を指します。
歌劇というのはオペラ、オペレッタ、ミュージカル等のこと。
ストレートの舞台でも劇中で登場人物が歌うことはありますが、それは作中での認識でも「歌っている」もの。
対して、歌劇における歌は登場人物の心情やセリフの一部分であり、言うなれば作中世界観・登場人物同士の認識としては「歌っていると認識されない」ことが多いです。
(もちろん明確に区分できない劇も存在します)
○演劇が好きになる前
幼少期~小・中学生時代の神無月は、演劇に限らず「舞台」というのが好きではありませんでした。
もっと言ってしまえば、きっぱり苦手でした。
とにかく人前に立つ、注目されるというのがダメで、クラスの前に立つのすら嫌なあがり症。
小学生の学芸会なんて、一番嫌いな行事のひとつでした。
それに「あとに残らない」というのも苦手な点のひとつ。
どんなに頑張って、練習して、それでもたった1回か2回の本番だけでおしまい。
その寂しさ、かたちの残らない虚しさが嫌でした。
しかも、どんなに練習で上手くいっても本番で失敗したら台無しというのも怖すぎる!
おかげでピアノ等の「発表会がある」習い事は軒並み避けて通ってきました。大人になってから「やっときゃよかった!」と思うのはまた別の話。
そんな小学生時代、学校行事で劇団四季を観たのが人生初観劇(たぶん)だったんですが……
そこで楽しさに目覚める!とか憧れる!みたいな漫画みたいな展開は何もなく、そこはそれでおしまい。
○「舞台」との出会い
神無月が「舞台」に目覚める大きなきっかけについて、身近な人物の影響を外して語ることはできません。
①従兄弟
神無月が十代のころ、年の離れた従兄弟が小劇団で役者をしていました。
ドラマの群衆エキストラなんかもやったことがあるそうな。
私の母(従兄弟にとっては叔母)は彼と仲が良く、私たち兄弟にとっては小さい頃からよく遊んでもらっていた「親戚の兄ちゃん」の芝居を何回か観に行ったのは中学生のころ。
お芝居を身近に感じるきっかけのひとつになりました。
②妹
うちの姉妹は性格が全く似ていなくて。
特に習い事。神無月が一番苦手な「舞台」「発表会」が苦にならないこの妹は、小さい頃から大学までピアノとダンスを続けていました。
(逆に、この人は神無月が何より好きな「読書」と「ものづくり」が苦手です。なんでだ)
妹が小学生のころに通っていた小さなダンスクラブは、帰国子女でもある先生が英語で指導するのが特徴のひとつで、
いつからか英会話のクラスが併設されていました。
ダンスと英会話、どちらのクラスのメンバーも、ほとんど小学生。
まだ小学校で英語が必修になる前の話ですが、英会話クラスの方も需要はあったみたいです。ダンスクラブの子だけでなく、英会話のみ習っている子も何人かいました。
当時メンバーではない、しかも保護者の立場でもない中学生だった私には、詳しい経緯は分からないのですが、
ダンスの発表会に、英語クラスの何かを活かせないか……という話になったのでしょう。
発表会で「英語ミュージカル」をやったのです。
クラブメンバーの大半は「妹の友達」で顔見知りだった私も、裏方の手伝いに駆り出されました。
そこで、初めて見たんです。
舞台の「裏側」と
舞台に立つ人から見えるもの
ものすごくイキイキしていて、キラキラしていて、
悔し涙やハプニングなんかももちろん見たけど、
それ以上に楽しそうだったんです。
あ、舞台って、楽しいんだ。
その翌月から英会話クラスに参加しまして(行動力)
翌年の発表会では、舞台に立ちました。
あんなに苦手だったのに!
一緒に立ってみた舞台はやっぱり楽しくて
「残らない」寂しさはもちろん感じつつも
寂しいからこそ楽しいのが理解できた気もしました。
何より、参加したら「これもものづくりだ」って気付いて、苦手意識はだいぶ軽減されましたね。
小道具を作って、衣装を作って……という裏方から入ったからこそ、その延長として「芝居をつくりあげる」と思えたのが大きかった。
演劇の入り口として「裏方」というのは、たぶんなかなかにレアケースだと思います。うん。
他にいるなら話聞いてみたいくらい。
ちなみに。ヘッダーにしている台本の写真は実際に公演で使ったもの……ではなく、
この頃に自分が経験した「舞台づくり」と高校の部活動を想像力でがっちゃんこして書いていた小説「My Spotlight」作中公演の台本です。
つまりは同人小説の同人グッズです。
実際に使うわけでもないのにどうしてこんな凝ったもん作ってんの?とは我ながら思わないでもない。
(してないけど)実用も出来ると思います!やろうと思えば!
グッズとして通販したりもしてます(宣伝)
○作り手としての「舞台」
そんなこんなで舞台に目覚め、
さらに舞台に関わりたい!と思った大学生時代。
学内のミュージカルサークルに入部しました。
ここでなぜ「演劇部」ではなく「ミュージカル」だったのか……
もちろん入り口が「英語ミュージカル」だったから、というのもあるんですが、
演劇って、「芝居」「演技」主体なんですよ。
もちろん衣装やら道具やら照明やら演出もあるけど「演技」の占める部分がとても大きい。
究極、役者の「演技」さえあれば「芝居」として成立してしまうところさえある。
※個人の所感です
私は「演技」だけじゃなくて、色々な要素が組み合わさった「舞台」を作りたかったんです。そもそも「演技」単体には全然自信もなかったし
あとはシンプルに、歌うのも好きなので。
ついでにドレスとか作ってみたかった。
入った当時のミュージカルサークルは部員も少なくて
本当に色々やらせていただきました。
一応「裏方希望」だったんですが、
部員の人数 < 演目の登場人物数 だったので
結局1年生から3年生まで全部の公演で役者もやりました。
それに、
本命だった衣装や小道具・大道具の作成に加えて、
大学文化祭での宣伝(本公演は別日)、
当日の照明や音響の操作(※役者やりながら)、
もちろん当日メイクやウィッグ、道具類の管理だって自分達でやりました。
演目決めにも当然関わりましたし、
2年生以降は脚本担当までさせてもらい、
音楽や効果音の編集、衣装や舞台装置のデザイン、
当日パンフレットや告知ポスターの作成、
部長として本番の講堂や練習場所、合宿先の調達まで
本当にやってない仕事はないんじゃないかってくらい色々やりましたね……。
当日のもぎりくらいか、やってないの。
もちろん、めっっっちゃくちゃ大変だった。
けど楽しかった!
漫画とかでよくある「青春!」っていうのを味わえた感じもして、すごい楽しかったです。
余談ですが、私たちの卒業後は後輩が増え、
今では裏方専属できるし群衆(モブ)演出もできるそうです。すごい!
当時の同期や先輩後輩とは今でも仲良いです。
○観る側としての「舞台」
舞台に携わるのは大学卒業と同時に引退しまして、今では裏方に関わったりも全くしていないんですが……
社会人になって懐に余裕ができると同時に、
今度は舞台を観るのが楽しくて仕方なくなってしまいました。
もちろん完全に「観る側」の視点とは言えず
未だに作り手視点で観てることの方が多いです。
「今回の脚本の、ここのセリフと展開が好き」とか
「うわ、あの衣装すごい豪華!」とか
「あの長台詞は役者泣かせだ……」とか
「今アンサンブルさん捌けて役替わりしてこっちから出てきた、なるほど」とか
「うわー!あの装置こう動いてここで活きるのか!良い演出!」とか
そんなことばっかり考えながら観ています。
むしろ、もう「作り手の視点にならない見方」が分からない……汗
○観劇とわたし
もちろん小説書きとして「物語」を作る者ではあるので、
劇のストーリー、板の上で紡がれているお芝居の「すじ」というのをかなり重視して観ていると思います。
でも、それだけじゃなくて。
その舞台で見せるために、携わる人たちが何をどんな風に今まで作り上げてきたか、そして上演中のその瞬間にもどうやって支えているのか、という「物語」
そんなふたつの「物語」が、いわば二重写しで見えている……それが、私にとっての舞台の魅力です。
素直じゃない見方だとは思います。
特に、ここ数年はコロナ禍で、舞台芸術全般とても苦しい状況が続いていました。
コロナ禍に入った頃にはもう舞台制作から離れて久しかった私ですが、
どんな苦労があったかの一部は想像がつきますし、
その「想像できる部分」がほんの一部分でしかないことも分かります。
舞台上で紡がれるストーリー。
作り手の「思い」という物語。
ここ数年、災禍と情勢に苦労した経緯。
舞台を観ていると、それら全部が押し寄せてきて
「思い」の大きさに、情熱に揺さぶられる思いがするのが、私は好きです。
人間の、でっかい「思い」と「熱」と「勢い」に揺さぶられたいから、私は舞台を観に行くのかもしれません。
○今後の観劇予定
ミュージカル ムーラン・ルージュ
https://www.tohostage.com/moulinmusical_japan/
(2023年8月 帝国劇場)
チケット取れたぜやったーーーーー!!!!!
ということで、行ってきます!!
観劇レポ書けたら書きます!!!
ウィキッド
(2023年秋 四季劇場 秋)
こちらはまだチケット確定してない……けど取りたい……!
あとは全然未定ですが、これ以外もいろいろ行くと思いますし
来年も再来年もやめることはないのだろうと思います。
おまけ・演劇以外の舞台
今回は主に芝居、しかもミュージカルをメインに書きましたが、演劇以外の舞台鑑賞も好きです。
ダンスの舞台とか、ミュージシャン・バンドのライブとか!
あとはディズニーのショーやパレードも好きです。
その辺もろもろ、また改めて書きたいと思います。
では!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?