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【読書②】〜『全員補欠全員レギュラー 少年野球界の常識を覆す育成指導論』を読んで〜

前回投稿した【読書①】に引き続き、その次に読み始めた『全員補欠全員レギュラー 少年野球界の常識を覆す育成指導論』を読み終えたので、今回も感想を簡単に書こうと思います。

本書は、埼玉県内で活動している中学硬式野球チームの「浦和ボーイズ」の監督が著した書籍です。

野球人口が急激に減少している昨今で、3学年で150名を超える選手が所属するチームです。

本書を読んでいて、浦和ボーイズがどのような経緯で創設され、どのような指導方針で、監督さんがどのようなポリシーをお持ちで指導されているのか、詳しく知ることができました。


私自身も教員になる前に中学硬式野球チームで指導していたのでよくわかりますが、中学硬式野球のクラブチームは高校野球の準備段階という考えがあり、高校野球の延長線として、勝利至上主義のもと、練習時間も長く、そして厳しく指導されるチームが多いと思われます。

そして、全員がそうだとは言いませんが、自身の現役時代の経験をもとに指導する“感覚的指導”をされてしまっている指導者の方も少なからずいると思われます。


浦和ボーイズでは、もちろん高校野球の準備段階として、きちんとした人としてのマナーや規律を指導し、野球に関しては基礎基本をしっかりと指導しつつ、成長期の大事な時期に「やりすぎない」ようにしているようです。

また、中学生の大事な時期であるため、自分がチャレンジしたいポジションに挑戦させ、練習試合や大会には必ず全員出場させ、主役である選手たちがイキイキと野球ができるように取り計らっていることがよくわかりました。

私自身も中学時代は、硬式野球のクラブチームに所属していましたが、私自身もこのような環境で野球をやりたかったなぁと感じます。笑


そして、指導者の方々も常に学び、最新の指導法をアップデートし続けているそうです。

実際に、一般社団法人スポーツメディカルコンプライアンス協会が主催している「ベストコーチングアワード」の最高位・3つ星の評価を、2019年・2020年の2年連続で受賞しています。

本書の内容からは外れますが、静岡県のある学校の野球部長さんがオンラインアンケートで高校生に「どのような指導者に教わりたい、教わりたくないか」を調査したところ、最も多かった回答として「専門的な知識を有した指導者、丁寧な指導をしてくれる指導者」であったと、ある野球指導専門誌に記載されていました。


「専門的な知識」とは、自身のかつての経験だけではありません。

科学的な根拠や最新の研究結果等を踏まえての指導も含まれます。

教わる側の子どもたちのニーズに応えるためにも、この指導者の学び続ける姿勢は非常に大切だと感じます。


これ以外にも、本書を読んでいると、野球人口が減少しているなかで部員数が非常に増えている理由がよくわかります。

もちろん高校野球の延長線として活動する勝利至上主義のチームもニーズがあるわけであり、そういうチームも必要だと個人的には思いますが、浦和ボーイズさんのようなチームももっと増えていってもらいたいと思います。

さまざまな野球をやっている子どもたちの受け皿になるチームが増えていくことが、今後の野球界にとって必要なことだと思います。


私も機会があれば、浦和ボーイズさんの活動のようすを実際に見てみたいものです。

興味のある方は、ぜひご一読ください。

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