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マスクの転売問題、利他的行動こそもっと評価されるべき

「世間で風邪が流行っている時に、人ごみに出る上で真っ先に必要になるものって何?」と聞かれれば、おそらくほとんどの人が「マスク」を思い浮かべるだろう。新型コロナウイルスの感染が拡大しはじめて1ヵ月が経ったが、どうやらそこらじゅうでマスクが売り切れているらしい。需要に対して供給が追いついていない。そうした中、マスクの高額転売が問題になっている。100均のマスクが1,000円に、1,000円のマスクが数千円になってメルカリで取引され、買い占める人の手によって、本当にマスクを必要とする人たちが不利益を被っているというわけだ。

転売問題は、人気イベントのチケット等でよく議論されるが、考えても考えても正解の見えない沼のような問題である。本当に必要な人って誰のことを指すのだろう。お金目的に買うことはいけないことなのだろうか。そもそも自由に売買できるマーケットプレイスがあることが問題なんじゃないか。でも、それがないと別の問題も出てくる。じゃあ、市場提供者が制限をかけるなどして防止策を講じろという話になるけど、果たしてどこまでの管理を委ねられるのか。売買する上での適正な量だったり、価格だったりを一概に決めることはできるのだろうか。

あれこれと考え、店頭のものであれ、ネット上のものであれ、提示されている金額を払ってまで欲しいのであれば買う。それだけのことには思いながら、市場ごとに価格差が生まれることで、本来消費されるはずのものが消費されないことによる様々な被害が起こりうる。転売が原因で空席が目立つイベントはアーティストも観客もだれも幸せにならないだろう。転売によってマスクが十分にいきわたらず新型ウイルスの感染拡大が潜在的に進行する可能性だってある。このような時の責任の所在はどこにあるのだろうか。

例えば、震災があった時には、限られたモノを買い占めようとする人がいる一方で、シェアリングを大事にして利他的に行動する人もいる。あぁ、結局はモラルの問題なのか。悲しいことに、世の中から悪人がいなくなることはこの先もないだろう。であるならば、そういった利他性を金銭に依らない形で評価することができれば、何かが変わるかもしれない。このままでは正統に生きている人たちがバカみたいじゃないか。転売問題だけでなく、オフピーク通勤などもそう。誰か、もっと言えば、社会のための行動こそもっと評価されるべきである。

本当にマスクが必要な人に、誰かが余ったマスクを譲りわたし、その行動が何かの形で評価される。そんな社会が訪れるかもわからないし、訪れたとして別の問題もでてくるだろう。どうであれ、わたしたちのブロックチェーン業界はその実現に向けた最前線に立っている。

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