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内輪ネタにブロックチェーン活用のヒント?

今年も1月2日には高校サッカー部の新年会が開かれた。確か去年もその時のことをこの場で話した気がする。「またかよ」と思うかもしれないが、少しだけお付き合いいただきたい。

何かに対して「またかよ」と思う。この、飽きてしまう、慣れてしまう感覚はぼくらにとっては毒であることが多い。意欲がなくなったり、思い込みが生まれたり、視野が狭くなったり、良くないことばかりが起きる。ここ数年の1月2日を振り返ると、ついつい「またかよ」と心の中で言ってしまうことが多かった。結婚と出産、このパワーワードが飲み会の中心を占めるのだ。そんな年頃だから仕方がないのかもしれない。でも、ちょっと雑談して、だれかが報告して、そのあとは2軒目あるいはカラオケに行って、というお決まりのコースはあまりに退屈すぎやしないか?

そう思って、今年は無理やりテイストを変えようと、自分と何人かで大喜利大会を企画してみた。「IPPON」を「IPPAI」に代えて、ウケたのに飲むという、あまりに回答のインセンティブがないルールで、最初は回答してくれる人も少なかったが、やはりお題を重ねていくうちにみんなで盛り上がった。「家に帰ったら〇〇の嫁が激怒していた、その理由とは?」「〇〇の子どもが初めて発したその一言とは?」など、大喜利の中で結婚と出産にも当然触れた。だって、年頃だもの。けれど、「またかよ」とは誰にも言わせない、最高に楽しい2020年1月2日であった。

そんなぼくの思い出はさておき、この新年会で話したかったのは、「笑い」に目を向けると、ブロックチェーンを活用した小さな経済圏のヒントが見えてくるということだ。

大喜利では、おもしろい回答、すべる回答、うまい回答、いろんな回答がでた。ただ、どんな回答が出ても、そこには決まって「笑い」が起きていた。内輪ネタと言われるだろうが、その通り。青春時代をともにした仲間だからこそである。きっと、関係ない人からすれば、おもしろい回答は少なかったにちがいない。つながりがあるから、「笑い」が起きて、その時空間にみんなが価値を感じるのである。
その逆もある。「笑い」があるから、つながりができて、その時空間にみんなが価値を感じる場合だ。内輪というよりかは、個々の「笑い」のツボ、価値観が合う、合わないの話である。

ブロックチェーンの活用を考えるときに、多くの人がここでいう「笑い」ありきのプロセスを踏もうとする。「インセンティブ」という言葉に惑わされ、一つの価値観のもとに人を集めて経済圏を創ろうと試みるのだ。その最たる例がICOプロジェクトだが、今の業界を見てもわかるように、そのほとんどがうまくいっていない。
一方で、「つながり」ありきのプロセスだとどうだろうか。色々な価値観が混じりつつも、全体としてはまとまった集団に対して、ちょっとした「笑い」のきっかけを与える。それだけで、その中にはインタラクティブな作用が生まれるのである。
そもそも、経済圏とは多様な価値観の上にできるものである。この当たり前のことを忘れていては、トークンエコノミーもなにもない。

とまぁ、こんな話をしたが、内輪ネタに勝る「笑い」はない。これに尽きる。

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