「ヒップホップ・ドリーム」漢a.k.a.GAMI

漢さんを初めて見たのはフリースタイルダンジョン。

初代モンスターの一人だった。
大将のような体格だけどなぜか先鋒のイメージ。
絶対、次鋒と中堅ではない。

見た目はTHEラッパー。
ラップの声は地声よりちょっと高くて淡々と畳み掛ける。
ただいっぱいケンカしてきましたヤンキーでしただけではない、このかっこよさは何?と知りたくて本を読んだ。

自分の家族や生まれ育った町のこと、友達のこと、音楽のことが細かく書かれていて、音源を出した時のこととかリアルタイムで知らない私には分かりやすかった。

日本語ラップのように何度かブームが来るものがある。

ブームじゃないときほどその世界は狭くてその中だけの喧騒とかしがらみがあって、そこでお金とかも回さなきゃだからブームの時よりしんどいことがもちろん多いと思う。
ブームの時は基本良いことしか手短にキャッチーにしか伝えてもらえない。
それが目新しくて羨ましくて、今まで知らなかった人が夢中になって再び何度もブームを起こす。
だけど知らないところでは辛いことや結局は権力とかでねじ伏せられてることがたくさんある。
それはどんな世界にも。

そういうことも書いてる本でした。

そしてわたしが感じた漢さんのかっこよさは、「リアルしか歌わない」という自分の決めたルールを絶対に守るところだった。

他にも先輩のことをみんなの前ではちゃんと立てたり、いくつか自分が決めたルールを持っている。

これは昔からの体育会系的な上下関係を大切にしてるとか、嘘をつかないという単純なことではない。

いくつかの「自分で」決めたルールを必ず守るということです。

そのルールを守りつつ、
言いたいことや伝えたいことはちゃんと言って、守りたいものをちゃんと守ろうとするのはかっこいい。

自分でルールさえ決めれない人がほとんどだし、決めるまではできても回りに流されて守れない人は多いし、ルールとかの前に言いたいこと言えない人も多いし。

私は音楽じゃなくて刺繍をしてるんですけど、自分のリアルを現実不可な虚像にぶちこんで新たなリアルを作りたいと思いました。
流されたくない迷いたくない。

筋が通ってる人とぶれない人をよく好きになるんですけど、漢さんもやはりそういう人でした。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?