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ふしぎなグリーンピース

わたしは、食べものの好ききらいが多い。

「どんなものがきらいですか?」


と聞かれると、子どもが嫌いな食べものが入っているので、ちょっと恥ずかしい。


たとえば、ニンジン、ピーマン、ぐるぐる巻いた貝、牡蠣、たけのこ。
ネギ、ナスやミョウガは、大人になってから好きになった。


そしてグリーンピースだ。


だから、小さいころ、お昼ご飯がチャーハンのときは、大変だった。


母に見つからないように、ネギやニンジン、グリーンピースをはじによける。もちろん、見つかってしまう。

しかたがないので、最後に、大きなスプーンにネギだけ、ニンジンだけ、グリーンピースだけをてんこ盛りにして、口に入れて、水で一気に流し込んでいた。

だから、チャーハン自体がきらいだった。
恐怖のチャーハン。戦慄のチャーハンーー。



グリーンピースは、今もきらいだ。
チャーハンを頼んでも、きれいに残す。
口の中で割ったときの、中身がこなこなしたところが嫌なのだ。


しかし、中学生のとき、わたしのグリーンピース観をこなごなに砕く、できごとが起きた。



母が作った、豆ごはんである。
生のグリーンピースを買ってきて、出汁や塩、酒などで味付けして炊く。


うまい。
うますぎる。


グリーンピースがこなこなしてない。
ほくほくしてる。

ほんのり、味が染みている。
いくらでも食べられる。


何度も作ってとせがみ、そのたびに母はつくってくれ、
そのうちに作り方を教えてくれた。

旬の生の豆を使うこと。
コツなんてそれだけよ~と母は、けらけら笑う。


旬ねえ……。あら! 旬は4月から5月なのね。
今日は久しぶりに、豆ごはんを炊こうかな。

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