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キャリアは伸びる

キャリアは伸びる。
結果論だけど、そう思っている。

どうしてそう思うのか。
私の実体験があるからだ。

新卒で入社したのは複合機メーカーの販売会社。社会人のスタートはルート営業だった。
私がキャリアは伸びる、と言っているのはこの経験以降にある。
人事異動のきっかけはメーカー・販売会社(当時は34の地域販売会社があった)に導入された基幹システムの導入だ。導入支援のため半年間は専任、半年を過ぎると他の業務が次々と目の前にやってきた。
私が配属されたのは、営業サポート課、のちに経営企画マーケティング課と名称を変えたのだが、名称どおり営業をサポートする部署だった。
私は自分のキャリアをどう伸ばしたのか。経験を交えながら記載していこうと思う。
少々長めである。



持ち時間の半分は空けといて


上司から「持ち時間の半分は空けといて」と言われ、それは「営業のために持ち時間の半分は空けといて」ということ。営業から持ち込まれる様々な相談事、サポート依頼に対応するための時間を事前に確保しておくのだ。業務量が少ないわけではない。
少数精鋭、といえば聞こえはいいが販売会社のスタッフは少人数で多くのことを行うのが当たり前の時代。

営業からの相談・サポート依頼だけではなく、部門長・経営層からの依頼もあるのだ。
体も頭も一つ。
多くの仕事を漏れ抜けなく行うためにどうするといいのか。

自然と仕事を受けるときには
・納期
・求められる質
・ゴールイメージ(どこまでが私への依頼か、どの状態になれば私の手元から離れるのか)

を聴くことが当たり前になった。
「なるはやで」という人もいたが、「なるはや」は納期ではない。いつまで、と何回も聞く、ちょっと嫌な奴だったかもしれない。仕事を回していくには優先順位をつける必要がある。依頼者は常に複数人、50~60名ほどいたのだ。

キャリアはどの経験が伸ばしてくれたのか


キャリアが伸びたと思った経験は、イベントの企画・運営を行ったこと。
それ自体、というよりは、通常業務を回しながらイベントの企画・運営を行ったことによると思うのだ。

下期(10月~)に入るとイベントまでの約4ヶ月は膨大な業務を抱えることになる。
営業実績確保のためのサポート業務、イベントも営業実績確保のために行うのだが、サポート業務のために持ち時間の半分確保、は難しくなる。

イベント企画・準備は、通常業務である営業からの問い合わせ対応、販売促進のツール作成などと並行して行う。販売促進ツールは毎月内容を変えて8~16ページのボリュームで制作する。これは約5年間、休むことなく発行し続けた。単発のチラシも部門・課の依頼により作成する。

これに加え、イベントのチラシ企画・制作を複数種類、ポスター制作、イベント勧誘のための営業向けツールの制作。社内デザイナーがいたおかげで、納期はぎりぎりまで引っ張ることができた。デザイナーと2人3脚、日々打ち合わせ。ツールはお客様目線で作るもの、「素人でもわかる言葉選び」を常に問われた

イベントの協力企業様との打ち合わせ、依頼事項、人とモノが動くのでそれも漏れ抜けなく手配する。複合機メーカーの販売会社なので、イベントには複数の複合機がお目見えする。会場の電力はどうなっているのか、ネットワークは?さすがにこの2つは私では対応できないので得意とする方に(上司)丸投げ。

ここで丸投げ、と書いたが丸投げをしても上司は私に電力の考え方、ネットワークについて説いていく。
全部理解は難しいけれど、おおよその理解をする。会場で万が一のトラブルが起きた時に慌てず対応するためだ。頭の中は何歩も先のことを考えながら、今必要な仕事を行う。

何歩も先のことを考えながら仕事をする


これがポイントのひとつだと思っている。
逆算して今何をするといいのか、この空き時間は何をするといいのか。
5分~10分で終了する仕事リストは頭の中に。繁忙期はToDoリストとして見える化する。
イベントのことだけではなく日常業務も日々ToDoリストの更新。
頭の中はいつもくるくる、そして目はパソコンだけではなく周囲を見渡しながら仕事をする。あ、困っている人発見。遠くから聞こえてくる声を頼りに何に困っているか、どんな対応が必要か考える

・あの様子だと、私のところに相談に来るな
・ああ、その話か。それならこれとあれが必要だ。
・ん?私じゃわからないな。誰に繋ぐと大丈夫だっけ?
視野を広く、思考を止めずに、手も動かす。

見える景色が変わるから


イベント企画・運営の仕事を受けるときに上司から言われた「終わった後に見える景色が変わるから」という言葉。
終わったときは特に景色は変わらない、と生意気にも思っていた。
このイベントを4年継続して担当した。
お客様から「頑張ってるね、勉強になることがあって参加してよかったよ」
協力企業様から「活気があるイベントで、協力企業として参加しているこちらも楽しくなる」
と言葉を頂戴し、涙が出るほどうれしかったことは今も鮮明に思い出せる経験だ。

見える景色が変わった

こう思えたのは、自分の仕事を振り返り「キャリアは伸びるものだな」とたどり着けたからだ。

いきなりできるようになったのか


イベント業務の主幹になったのはサポートスタッフになって4年目。
それまでは基幹システムのインストラクター、基幹システムを使うためのデータベース精査。営業スキルアップ研修、新商品教育研修、そして新入社員営業研修。

研修を行う際は、事前に私自身が研修を受けに行く、今のようにオンラインで、という時代ではない。
対面で集合研修の時代だ。関東エリア、関西エリアでの研修は1泊2日、2泊3日が当たり前。

新商品の研修を受けた後は自社で展開する。営業の時間をもらうのだから、いかに有効な時間にするか。大きな勉強会から30分程度の小さな勉強会まで、数多くの勉強会を行った。その際には、部門長に了承を得るための企画書なるものも作成していた。

この企画書づくり、30分の勉強会の企画書を作るのに、当所は2~3時間かかっていた。企画書の作り方がわからない。A4 1枚なのに、出来ない自分がもどかしい。目的と目標をどう記載するのか。頭の中で分かっているつもりが言葉にすると揺らぐ。もちろん、上司に提出するのだが、スパルタ上司(今では感謝)説明はしてくれるものの、核心を突いた答えはない。

ああでもない、こうでもないと毎回苦労しながら企画書を作ったある時、ハッと気づいた。あれ?時間が短縮している。「力量がついたね」上司からの誉め言葉だ。企画した勉強会を私ともう一人が主担当として行う。後任として育成されていたわけだ。

研修という名の出張の間、私の仕事は止まったままだ。自社に戻ると先に記載した研修を行うのはもちろん、日常の営業サポート業務が待っている。

「持ち時間の半分は空けといて」と言われたスタッフワーク初期の頃。持ち時間を空けておくことで、次々と仕事が舞い込む。舞い込んだ仕事をひとつひとつ取り組んでいくと仕事の幅が広がる。言い方を変えると何でも屋なのかもしれない。私はこの何でも屋こそがキャリアを伸ばしてくれた理由の一つだ、とも思っている。

準備が大切だと痛感した出来事


すべてが順調だったわけではない。新入社員に研修を行うためのトレーナー研修、トレーニーとして参加した研修では痛い目にあった。
事前に「読み込んで」おくようにと指示があった。マニュアルは80~100枚ほど、厚さにして1センチの分量。


マニュアルはこんなに厚い


にもかかわらず、平素の業務に忙殺され、斜め読み状態で参加。

同じクラスにいる30名程の研修参加者の多くが、指示通り読み込んできていたのだ。
甘かった、「仕事が忙しいから」はいいわけだ。専任ではない、確かにそうではあるけれど、そんな言い訳が通るはずもない。
これほど悔しく、情けなかった仕事は今のところ思い浮かばない。
悔しくて情けなくて、研修所の自室で涙が止まらなかった。泣きながら自主トレした


「準備8割」

この時以来、より一層「丁寧に準備する」を心に誓った。
当時のトレーナーから言われたのは実際に行う時間の3倍の時間をかける、だったと思う。

準備が大切、をどう活かすか


全営業・全システムエンジニアなどお客様と直接接点を持つ方へのスキルアップ研修は、事前準備をしっかり行い、同じ轍は踏まないよう努めた。一度学んだことを就業時間内にやるな、と厳しく指導されていたので業務外を使っていた、今では考えられないことかもしれないが。自宅で練習は当たり前、前日には会場設営を行って言葉出しの最終確認。こっそりやっていたところに顔を出した営業本部長(上司の上役)。
自主トレが見つかった結果、上位職者が参加する回に顔を出し、援護射撃。「○○さんは今日のために遅くまで残って自主トレしてたんだ。みんなしっかり学ぶように」まさかの、である。

準備を怠らずに行うこと、行っているとそれを見てくれる人が居るものだな、ということを改めて感じ援護射撃していただいた営業本部長には感謝だ。スキルアップ研修は終日で行うことが多く、丸1日営業が現場を離れるのだ。会社の実績にも直結する可能性があるにもかかわらず、営業本部長からの援護を頂けたことは、うれしいと同時に背筋が伸びたものだ。

今思うこと

企業に所属してやりたいと思って叶えられる仕事は少ないのかもしれない。
私自身、やりたかった仕事に当時はたどり着けなかった。目の前にある仕事をひとつひとつ丁寧に行う。

興味が持てるもの、持てないものもあるかもしれない。持てなくてもやっていくうちに面白さに気づくかもしれない。

力をつけたい、キャリを伸ばしたい。
頑張り時がやってきたときは頑張ってみる。
そうやってキャリアを伸ばしてきたし、力を付けてきた。

働き方は人それぞれ。
古い時代の話だ、と思うかもしれない。
それでも。
キャリアは伸びたのだ、間違いなく。
限界を自分で決めない。
やってみよう。
限界を突破したいという思いが大切だと私は思っている。

もっとできるだろう、と自分に期待をかけ、その期待に応える働き方をしていくのだ。

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