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韓流イケメンのイチャイチャが尊い『ブラッドハウンド』はなぜ7~8話で急降下したのか?

ネットフリックスで一度でもマッチョ映画を検索してしまうと、もはや逃れることのできない韓流映画。それが『ブラッドハウンド』です。

https://www.netflix.com/title/81444051

最初は「2人のボクサーのライバル関係を描いたスポ根ドラマかな?」と思って見始めたのですが、気が付いたら登場人物がほとんどヤクザと金貸しに換わっているという、ちょっと過去に経験のない韓流ドッキリを味わいました。

それでも!

主人公のゴヌ(ウ・ドファン)とウジン(イ・サンイ)のホモソーシャルなイチャイチャがとてもかわいらしく、微笑ましい熱い友情ドラマには間違いありません。

プロボクサー同士、対峙しあったことから交流が始まり、気付けば義兄弟と呼べるほど生死を共に潜り抜けてたくましくなっていき、最後は民を苦しめるマフィアのボスを成敗するという王道の勧善懲悪の全8話の連続ドラマ。

わかりやすい見どころとしては主役のゴヌ(ウ・ドファン)の肉体美!とてつもない色気を放っており、一緒に観ていた非・マッチョ派である奥さんも「この人の身体、エッロ…」と生唾ごっくんしておりました。

しかし、このドラマ、観た人なら誰しもが感じるであろう事なんですが、7話から急に雑になります(笑)

少しだけネタバレしてしまうと、6話でゴヌとウジンに目をかけてくれていた人たちの大半が殺されてしまいます。主人公ゴヌの相棒であるウジンも腹を刺された状態で火災現場から運び出されるという瀕死の重傷を負うところで6話の幕引き。

「いったいどうなるんだ!?」と思い、急いで7話を見ると、急に穏やかな郊外で仲睦まじく元気にトレーニングに励むゴヌとウジンの日常シーンが描かれます。

最初これ見たとき、「あれ?1話飛ばしたか!?」と焦ってエピソード一覧見返しましたからね!そのぐらい急に場面がジャンプします。

その後も急な新キャラ登場があったり、1話からネチネチと悪さを積み上げてきた悪党がコロッとさわやかにやられてしまったりとまぁサクッと物語が片付くんですね。

あまりの伏線回収の雑さに違和感を覚えて調べてみたところ、製作現場でこんなゴタゴタがあったようで…

いい味出してたヒロイン役のキム・セロンさんが飲酒事故を起こして降板、製作陣は7~8話を大幅に修正する必要に迫られたそうです。

どおりで無理やりヒロインがいなくなるわけです。
でも、逆に言ったらそのスキャンダルを知らずに観ていた私でも急ごしらえの7~8話に違和感を感じるほど、6話までが秀逸な出来だったということ。それゆえに惜しい!惜しすぎるぞブラッドハウンド!

それであれば無理やり8話で完結させずに、『引きを作ってシーズン2へ』というやり方もあったのではなかろうか?それぐらいにゴヌとウジンという2人のキャラクター、アクションドラマとして生み出されたこのブラッドハウンドは魅力的な作品です。

未視聴の方はぜひ、6話以降はあまり期待せずに(笑)ネットフリックスのお家芸である「絶対に次のエピソード観たくなっちゃう技法」で眠れない夜を過ごしてほしいと思います。

余談ですが、この映画を観ていてふと気になったのが、韓国の方は日本以上に「どちらが目上で、どちらが下か」というのを初対面の段階でハッキリさせたがるのが、同じ儒教文化圏であるはずの日本人間のコミュニケーションの始め方とも少し違っていておもしろいなーと。逆に言うと、韓国の方と接する時は常に「そういった見られ方をされているのかも?」という懸念というか、気づかいは必要かもですね。
こういう映画を観ることで得られる異文化の常識への気づきがけっこう好きです。

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