見出し画像

お絵描き中年の始め方:中二の自分に謝りに行こう

39歳の8月の終わり、急に「イラストが描ける自分」になりたくなってお絵描きを始めました。
人間を描こうとしても最初は棒人間か、失敗したクッキー人形みたいなのしか描けなかったんですが、10月に入るころにはなんとかオリジナルのキャラクターを自分で描ける程度にはなりました。とはいえまだサラッと描くとクッキー人形になってしまいますが。

まだまだ初心者に産毛が生えた程度とはいえども、始めたころの自分にとってはこんなイラストがまさか自分で描けるようになるとは思いませんで。

「この歳でいまさらイラストなんて…」

「でもホントに描けるようになったらいいかも…」

イラストを描きたい気持ちはあるものの、躊躇している間にすっかり中年になってしまった私のようなアラフォーの方には、私が最近やってきたことは再現性がかなり高く、「誰でもマネできるのでは?」という感じがありますので、備忘録がてら、書き記してみたいと思います。

◼️Pinterestでお気に入りの画像見まくる
 →フェチズム、欲求を全力で自己承認する
◼️最初の画材は100均で充分
 →アレコレ逡巡してる時間が無駄無駄無駄無駄ぁぁぁぁっっっ!!!
◼️PCモニターに映したお手本をスケッチブックに描き写す
 →上からなぞるトレースではなく、一回目で見て脳に入れる模写が大事
◼️毎日10分でもいいから描く
 →線一本描くだけでも、葛藤があり、学びあり。

ザックリ書き出すと以上のようなことを1か月ぐらい続けると、自分で「おっ?なかなかいいんじゃないの?」と思えるような絵が描けるようになりますよ~。

怖モテ女組長

Pinterestでお気に入りの画像見まくる

PinterestというSNSアプリはご存じでしょうか?

画像検索のハイグレード版のようなものなんですが、私はまずこのアプリでひたすら好みの画像を検索しまくります。

Pinterestでは気に入った画像を「ピンする」といって、自分で設定したフォルダ(ボード)にどんどん保存していくことができます。保存はクラウド上で行われるため、スマホやPCの容量がいっぱいになったり、様々な画像がごちゃごちゃに入り組んだりするようなこともありません。

こうすることで漠然としていた「自分が描きたいもの」を具体的に固めていきます。

またPinterestの優れたところが、自分が閲覧した画像や気に入った画像を元に、他の似たような画像や好きそうな画像をリアルタイムで次々と表示してくれる点です。

自分では検索することすら困難なものにまでたどり着き、そこからさらに興味の枝が伸びていくような感じでイメージが膨らみまくります。

ここでひとつ大事なことがあります。

お絵描き中年を志すと決めたら、自分の変態性やフェチズムに制限をかけないことです。

眼鏡好きなのに眼鏡むずい…

我々、中年はとかく、自分の中に日々沸き起こる欲望の魔獣をケチョンケチョンに叩き潰すことで平静を装い、社会人としてなんとか生きていくことができています。

しかし、イラストを描くにあたって『気持ち悪くない自分』は邪魔にしかなりません。

中高生の頃は仲良くしていたのに、異性にモテたいが為、はたまた通勤通学でキモがられることを恐れて疎遠になってしまった大親友のアイツを迎えに行きましょう。

スケッチブックの上ではあなたも私も中二に戻れるのです。

最初の画材は百均で充分

次に用意するのが百均で売ってるスケッチブックと鉛筆、消しゴム。

スケッチブックは好みにもよりますが私はA4サイズを使っています。

小さすぎても描きにくいですし、大きすぎても後述する「こそこそスケッチ」に向かないのでこのぐらいで今は落ち着いています。

セリアの方は100円ですがページ数は少なめ、ダイソーの方は200円しますがページ数が多く紙もちょっとだけ厚い気がします。この辺りは好みかと思われますので手に入りやすい方でOK。

鉛筆なんですが、よく「スケッチ用は2Bから」的な話がありますがそれだと私の場合ちょっと濃すぎるんですよね。

鉛筆が濃いと何が起きるかというと、何度も描き直すので紙がすぐに真っ黒になるのと、鉛筆の先端がすぐに丸くなるので、目とか繊細な部分を描きたい時にいちいち削るか、削りたての鉛筆をたくさん用意しておかないといけないことです。

それもあって私はもっぱら2Hを使っています。おかげで長時間の使用でも先端が尖ったままですし、何度も描き直してもササっと消せるので気に入っています。

デメリットとしては、先端が固いので何度も同じ部分を描き直したりしていると、紙がえぐれてきてしまうことと、消しても描き跡は残ることですかね。

ですから鉛筆の濃さに関しては、ご自身の筆圧や、間違えたときの消し心地なんかを試しながらメインの濃さを決めていかれるといいと思います。

消しゴムは普通の四角いものと、ペン型の細かいところまで消せるものがあると、うまくいった線と線の間にあるいらない線とかを消すときに重宝するので、揃えておくといいですよ。

PCモニターに映したお手本をスケッチブックに描き写す

贅沢を言えば用意したいものとしてPinterestにピンした画像を大きく表示できるパソコンかタブレット端末。

スマホでも見れないことはないんですが、やっぱり細かいところを見たいときなんかに不自由するので、何かしらwebにつながった大きめのディスプレイの前でお絵描きするのがおすすめです。

私はお絵描きする時はもっぱらパソコンモニターの前でしかやらないんですが、大きめのモニターでお手本を映すことのメリットしては、困ったときに実物大にして定規で測っちまえる、ってとこです。

描いていると、どうにも自分が描いたものとお手本のイラストや写真が同じように描いているはずなのになんか違うことが多々あります。よくあるのはやっぱり顔。なんか目が寄ってる気がするとか、輪郭が下膨れている気がするとか。

そういった時は見本のパーツパーツを正確に数字と比率に書き出すことで、「あー、自分が思っていたより目と目の距離がもっと離れてたんだな」とかが理解できて、状況を打開できたりします。

これがスマホの小さい画面だとなかなか難しいかと思われますので、できればお手本は大きなサイズで見られるようにしておくことをおすすめします。

あとお手本を上からなぞるトレースよりも、見て描き写す模写の方が格段に上達しますね。
なぜならうまく描けなさ過ぎて、すんごいしんどいからです(笑)
でもイラストを描きたい人達が行き着きたい境地って、自分のイメージを何も見ずにサラサラっと無垢の紙に描き出せる状態じゃないですか。トレースってその回路全然使わないのでやった量に対して、成長が鈍い感じがします。ぬり絵を何枚やっても絵が描けないのと一緒ですね。いわば、ガチ目の筋トレと、ライトなストレッチぐらい差があります。

毎日10分でもいいから描くことの成長以上のメリット

イラストを描けるようになることを決意してから、毎日欠かさず家族よりも早く起きて、朝の静かな時間に集中してスケッチブックに向かい合うことを続けています。

これがおそらく「休みの日にゆっくりまとめて描こう」とかであれば長続きも成長もしなかったと思います。

※ちょっとここからはお絵描きも含めた自己啓発っぽい話になるので、苦手な方は読み飛ばしてくださいね。

社会人としての成長を実感するのって結構難しくないですか?おそらく「まぁ昔よりはいろいろできるようになったかな」ぐらいの感覚があればいい方ですよね。ただそれも結局『自分のスキル×周りの環境』の組み合わせ次第によるところが大きいので、いまいち自分が成長したのか、はたまた周りの環境がそうさせたおかげなのかの分別が付きにくいです。

しかし、イラストにおける成長はもう即レスです。結果がすぐわかる。

線を1本引いた瞬間に「おっ、今のはいいぞ」とか「あーもう!また失敗した!」とか、結果がすぐにわかる。

しかも、結果を左右するのは全て自分の匙加減次第なので、「いい仕事したけど、会社の方針が変わって認められなかった」的なモヤっとした状態に置かれることがなく、精神的にとてもクリアーです。

これって当たり前の話なんですけど、趣味だからなんですよね。

きっとサーフィンやったり、楽器弾いたり、筋トレしたり。全部に通ずる話なんじゃないかと思います。

結果の良し悪しを左右するのが100%自分由来の成分配合。

毎日の生活の中にこの時間を組み込んでおくことって、色々な意味が曖昧ことで振り回されっぱなしのアラフォー以降を生きていくうえでとても重要なことなんじゃないかと感じています。

アラフォー世代、特に男子のバイブルであり、全女子の初恋の人であるカカロットこと孫悟空の冒険活劇・ドラゴンボールシリーズの最新作、『ドラゴンボール超』で悟空は「身勝手の極意」という境地に達して敵を圧倒する展開があります。

この状態そのものは自動的に身体が勝手に相手の攻撃に反応して動くという状態になることを言うのですが、私、この「身勝手の極意」というフレーズだけを聞いてけっこうな勘違いをしまして。

「いつも周りのことばかり考えて、善人でいるのを一旦、意識的に仮置きして避けておくことで、純粋な強さのみを追求した究極の状態になり、相手を屠る」

これを悟空が編み出したのかと思ったんです。(もちろんそんな描写はありません、私の勘違いと妄想です。でも実際、「髪の毛も逆立たない悟空が一番強い」とかカッコ良くない?)

この『勘違い版・身勝手の極意』がアラフォーのメンタルを良好に保つのにけっこう役立つと思っています。ホントに性根から身勝手になったらただの迷惑中年なので困ったもんですが、意識的に日常の中に、自分が人生であの世に持っていきたいものを追求する”我がまま”な時間を持つことで今までと違う分野で成長できたり、気持ちが楽になることってあると思うのです。

ぜひぜひ、アラフォー世代には意識的に『勘違い版・身勝手の極意』を使ってみてほしいと思います。

最後、だいぶ話がそれましたが、アラフォーになってからでも小中学生みたいな絵を描くのは楽しいよ!誰にも評価されたくない自分だけの世界を作って、精神的に引きこもろうではないか!同志よ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?