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李禹煥展

兵庫県立美術館で開催された「李禹煥展」に行ってきました。

韓国人作家・李禹煥は「もの派」を代表する作家で、1956年に来日し1960年代後半から現代美術の制作を始めています。
また展覧会での関連イベントで「浅田彰と李禹煥対談」があったのでこれにも参加しました。

当日は土曜日だったので、写真撮影は禁止でした。平日は写真撮影が許可されているので写真を撮りたい人は平日に行かれて良いかと思います。最近は写真撮影が許可されている美術展が多くなってきたと感じますが、個人的には少し違和感もあります。自分自身も気をつけないと思うのですが、写真を撮り過ぎてしまうのですね。なりふり構わず…。

それはさておき、展覧会の主な展示内容は東京会場での記事が「web版美術手帖」に掲載されているのでそちらを参考にして頂けたら良いかと思います。写真付きで分かりやすい解説が載っています。


《関係項(於いてある場所)Ⅰ 改題 関係項》
《関係項(於いてある場所)Ⅱ 改題  関係項》
(参考・東京会場)

会場で気になった作品の感想をを少しだけお話しします。
《関係項(於いてある場所)Ⅰ 改題 関係項》と《関係項(於いてある場所)Ⅱ 改題  関係項》の二つが同じ場所に置かれているのですが、Ⅰは壁に立てかけられた鉄板と床に置かれた鉄板のインスタレーションです。Ⅱは同じく壁に立てかけられた木材とと床に置かれた木材のインスタレーションです。この二つの展示は別の物であるのですが、私はこの二つの作品がを一つの「場」提示するもだと感じました。時間と空間の流れが不安定な状態から安定状態に向かわせるような、安心感というかある種の快感につながるようなそんな「場」を再提示していると感じます。

点シリーズ(参考・東京会場)
線シリーズ(参考・東京会場)

あと平面作品としては「点より」「線より」という二つのシリーズが一つのブースで展示されていて、一言でいうとこれは”音楽”だと感じました。展示方法は東京会場とは違っていて、比較的高い位置で広いブースにの4面全てに展示されていて、会場の真ん中に立って4面を見回すと、本当に音に包まれている感じがして、自分自身が想像もしていなかった感覚にちょっと驚きました。「点シリーズ」「線シリーズ」を同時に展示するというのは誰のアイデアかは分からないですが私は大いに刺激を受けました。

とまぁ、私の感想なんて何の役にも立たないので、これくらいにしておきます。言葉にするとなんだか理屈っぽくて、現実を表現しきれないのですが、実際はただそこに「モノ」と「空間」があるだけです。

今回の「李禹煥展」では現代アートの堅苦しさを感じることは全くありませんでした。日本では印象派などが人気ですが、現代アートもわるくないです。十分楽しめる範疇にあると思います。興味のある方も、そうでない方も一度見てみる価値はあると思います。スマホで無料の音声ガイドが聞けるので是非活用してください。これは鑑賞する上で非常に価値のある情報を無料で提供してくれるのでお勧めします。

私は今回の展示を通して、作家の心の動きが見えたと感じました。それが確かなものだと感じたのは、当日の「浅田彰と李禹煥対談」に参加して李氏の話に、自分自身が感じて考えていたものが存在していたからです。この対談は非常に興味深く、非常に楽しい対談でした。内容がぎっしり詰まった話で、あっという間に1時間が過ぎてしまいました。ご存じの通り私は文章があまり得意ではないので、この対談の内容を上手く伝えることは出来ないですが、私の心の中にあった、現代アートに対する言葉では表現できないような影の部分に光を照らしてくれるものであったと感じました。

気をよくしてトートバッグを買ってしまいましたが、使うかなぁ…。

シンプルでいい感じです。
いつもながらちょっと違うかな?