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    • 「物語に沈める」ってこういうことなんだなあ

      • 一角獣 400字小説

        前記事同様。400字ではないけどだいたい。 _______ その角に触れる。いつも冷たくて気持ちがいいのが安心させる。小説家になろうかしら。この一角獣が冷たいままでいることの理想を書いてしまおうか。それこそがプリンセスストーリーというものよね。母は扉の向こうでいつも手仕事をしている。まだ呼ばれない。私の氷の世界はまだ清いままでいられる。 なにも起こらない。時間が、止まっているのかしら。私が、一角獣を止めたいと願ったばかりに。世界が、白んでゆく。意識が、私を離れてゆく。なに

        • 青の憂鬱 400字小説

          前記事同様。 _________ 桜が咲き始めた。 僕の子供はこの蕾が膨らんでいくのが早くて目に見えそうなぐらい、早く成長しているのだろうかと、当てのない自分の腹をさすってみる。 歩いていると、自分がこの世で一人であるような気がしてくる。 桜並木は風景であり、何も意味してはくれない、僕を安易に満たしてくれるとは思えない。 春に子供を持つというのは、少し悲しいだろうか。春に僕の味方はいないように感じられるのは、やはり桜が何も意味してくれないからだ。 家に帰ろう。 彼女が夕飯

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        • 5本
        • 400字小説
          3本

        記事

          陽だまり 400字小説

          自動ライティングしてみた。自我を消して(減らして?)書く400字小説。 _________ 洗濯物を干すのは僕だ。 一つ一つ、挟んでいると彼が話しかけてくる。 「彼女の下着は外側にかけておいて」 彼は煙草に火をつける。 爽やかな朝だ。 家の中に、コーヒーが淹れられる。家事は体を動かすので、生活が鮮やかになって好きだ。 彼女はコットンの白いスリップ姿で現れた。「今日は仕事が終わったらクラブに行くから、一緒に迎えに来て」 午前十時。彼女は会社へ出かけた。彼はソファーにいる僕に

          陽だまり 400字小説

          思えば最近、ラジオを常に聞いているような、生活から目を背けるようなことをしていなくて、生活に「良さ」を見出していたかと思う。

          思えば最近、ラジオを常に聞いているような、生活から目を背けるようなことをしていなくて、生活に「良さ」を見出していたかと思う。

          生、life

          普通。普通でいいんですよ。 何も特別なことじゃなくて、生活することなんだなあ。普通のことを思って、普通の行動をすることがソレで。それがすべてで、区別なくて、サラッとしていて、シンプルで、素晴らしいことで。中庸で(中道で?)、ニュートラルで。 今この私の(というか)部屋にいることがすべてで、何も求めなくてよくて、必要なものはただこちらへ来るし、来ないものは来ないだけだし、ここしか世界はないし、目の前の世界が世界。 サラッとした質感が、地球のようです。砂や石のようなんですかね。自

          生、life

          「鳥を一定の距離から眺めているときはひとつなのに、近づいて触れようとすると分離感が生まれる。そうすると鳥は逃げていく」って仰っている人がいて、真理だなと思ったので、所有欲とかそういうことに関して考えたい。

          「鳥を一定の距離から眺めているときはひとつなのに、近づいて触れようとすると分離感が生まれる。そうすると鳥は逃げていく」って仰っている人がいて、真理だなと思ったので、所有欲とかそういうことに関して考えたい。

          Adolescent

          人工物。 革ベルト。首留めて、気恥ずかしい音。粗野で、軽くて、偽物の金属。造りモノで、軽薄で、合法で、無達成で、不恰好な遊び。 見てよ。彼が、支配したくなけりゃ、遂げられないんだって。 細紐の高級(イイ)サテンが、本当は痛くないんだって。ワイヤーが硬くて、乳房のすべてを押し出すのが堪らないんだって。曝け出して、舐めてもらえない。 軽率に命じられ、侮辱される。ところで、悪魔(サタン)は神であったらしい。奪われるために持っているのなら、本当は、きっと奪われなければいけない。再生可

          Adolescent

          色即是空 空即是色、空と色イコールなんだって、意味をやっとちゃんと感じた気する。だからこの世界は色とも言えるしこの世界が空だって言ってもいいんだって、そういうことだよな。色を否定する必要もない、だって空だから。だよな。

          色即是空 空即是色、空と色イコールなんだって、意味をやっとちゃんと感じた気する。だからこの世界は色とも言えるしこの世界が空だって言ってもいいんだって、そういうことだよな。色を否定する必要もない、だって空だから。だよな。

          "This is Just to Say" をエロく解釈する

          This is Just to Say (訳例:書き置き), William Carlos Williams (1883-1963, America) I have eaten the plums that were in the icebox and which you were probably saving for breakfast Forgive me they were delicious so sweet and so cold _____ 女性(少

          "This is Just to Say" をエロく解釈する

          今日の大学 R.W.Emerson

          今日はエマソンをよく読んだ。 読めば読むほど、「世界」の仕組みを悟った人だな〜と思います。 以下は 堀内正規「第四章 エマソンの<自然>ー岩田慶治の<アニミズム>の視点から」『エマソンー自己から世界へ』南雲堂、2017年、105−24頁 の私の解釈、思ったことです。これ自体はエマソンが書いたものではないです。エマソンへの解釈への解釈。 エマソンの使った『透明の眼球』という比喩が物議を醸しているらしい。 ちなみに読んでないと何を言っているのかよくわからないような文章をなぜ

          今日の大学 R.W.Emerson

          エロとヌードとランジェリー vol.3 ヌード

          ヌードが一番美しいと思うことが多い。自分に関してもそう。 人間はアートになれる、と思う。 寝そべってたり、猫背だったり、なんでもない格好をしているヌードの女性の写真が大好きだ。 自然に、人間的であることが自分には魅力的なんだと思う。 一度ふつうの撮影モデルをやったことがある。 アーク(弧)を描くよう腰を突き出し、胸を張るようずっと言われていた。女性を撮る上で美しい姿勢なんだとは思う。 個人的にその日の撮影で唯一気に入ったのは、私の希望で、鏡の前であぐらをかいている写真だった

          エロとヌードとランジェリー vol.3 ヌード

          エロとヌードとランジェリー vol.2 下着

          胸が小さいことに、最近やっと納得がいった。 ないって言ってるけど、実際に見たらそれなりに、ではなく、本当に平坦な方なんだけど。 ちなみに個人的には、なさそうだけど実際はちょっとあるじゃん、の中ぐらいのおっぱいは大好きです。ちょうどエロい。 私がもっぱら眺めているのはモノクロ写真の、昔の海外の、かつ平坦めな体の女性。人間は自分と似ているものに憧れる性質があるから、無意識に胸の小さい人を選んでいることはあるだろうけど。 ジェーン・バーキンの若い頃は私の永遠のミューズ?というので

          エロとヌードとランジェリー vol.2 下着

          エロとヌードとランジェリー vol.1 エロを生業にしたい

          エロ発信で物事を知り、物事や人に出会ってきた。 今でこそ椎名林檎を崇拝しているけれど、発端は「エロい歌を書く人がいる」だったから、最初はそういう歌ばかり探して聞いていた(笑)。 先日文化村のソール・ライター展に行った。ニューヨークのいちアートシーンということで惹かれて観たものの、衝撃を受け、ミュージアム・ショップで先ず手に取り離さなかったのは、ソームズ(彼の妻)のフルセットの下着姿、ガーターベルトが印象的な表紙のヌード集だった。表紙を見ただけでその瞬間から、買わなければい

          エロとヌードとランジェリー vol.1 エロを生業にしたい

          村上 ・ 「納屋を焼く」 (2)同時存在, 霊媒

          私が大学で書いたものを転載しています。 3. 複数の世界と同時存在  「彼」は彼の哲学ともいうべき確固たる前提のもとに話している。「僕」は多くの「社会的」人間が属しているであろう「常識」的見解、意識のために「彼」の語りに驚き、驚かされ続ける。「彼」がこちらのジャッジに振れることはほとんどない。 僕は判断なんかしません。観察しているだけです。雨と同じですよ。雨が降る。川があふれる。何かが押し流される。雨が何かを判断していますか?いいですか、僕はモラリティーというものを信じて

          村上 ・ 「納屋を焼く」 (2)同時存在, 霊媒