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メンタルトレーニングって必要?

3週間前はじめてメンタルトレーニングの個人レッスンを受講しました。

ドイツ語での授業だったので、よりインプットできるように日本語に言語化してここに書き残しておこうと思います。

私の悩み

私はクラリネットをドイツの音大で学生をしながら、オーケストラのオーディションを受けたり、コンクールを受けたりしています。

オーディションがあると決まったら「私が受かるんだ!」と心に決めて、それに向かって練習して準備を進めていきます。

悩みとして、オーディションの日が近づくにつれだんだんと

「私はアジア人だし無理かも」
「私は女だし無理かも」
「全然吹けてないから今回もダメだ、きっと」

という気持ちが毎回襲ってくるのです。

こんな苦しくなって、楽しんで楽器が吹けなくなるのにコンクールやオーディションってなんの意味があるんだろう?

誰もがオーディションやコンクールを前にすると少なからず出てくる気持ちだろうし、受かった人もきっとそれを乗り越えてそこまできたのだと思います。

まだ失敗をたくさん経験していない若い時は怖いもの知らずで、なんでも挑戦できましたが、歳を重ねて何度も落ちる経験をすると臆病になってしまいました。

事前にテーマを選択

先生から事前にどんなテーマでレッスン受けたいか選ぶよう以下の項目が送られてきました。

・ステージに上がる恐怖と緊張にどのように対処するか

・どのように目標を達成していくか、どのようにして自分の中のブロックを対処していくか

・暗譜や難しい箇所にどのようにメンタルトレーニングを取り入れるか

・集中力の向上

・どうやって理想的なプレゼンテーションをしていくか

・その他


全てのテーマが興味深かったですが、私の選んだテーマは

・どのようにして自分の目標を達成するか

・どのように自分の内側にあるブロックを対処するか

を選びました。

なぜかというと

オーディションに向かうことにポジティブでいたい

昔のように演奏することに喜びを持ちたい

自分自身を信じて、安心してオーディションに向かいたいからです。

楽器の練習だけが私の音楽を形成しているのではない

オーディションに対して準備する上で7つの事柄を練習しなければならないと先生はおっしゃっていました。

①クラリネット、音楽

②自信、確実性

③集中力

④身体、健康であること

⑤ステージ上での魅せ方

⑥喜び、楽しさ

⑦社会的な生活、友人家族


①の練習が必要と思ってる人が多すぎる、または①で全部補えると思っている人が多すぎると先生はおっしゃっていました。

本当にその通りだと思います。私も含めて。笑


先生は続けて

___________

オーディション前になると⑦友達との時間とらないで①の練習の時間に当てちゃうわよね?

④眠たいのに①の練習の時間にあてたり、

②の自信がないのを①の練習で補おうとしたり。

___________

実際私も①と④にしかフォーカスして日々を送っていませんでした。

そうなんです、これ全部別々の事柄を分けて練習する必要があったのです。

その中でも、私は②の自信をつける練習が必要だとのことで

②の自信・確実性の練習の仕方を教えていただきました。

今日の練習どこがよかった?

まず最初に投げかけられた質問が

「今日の練習どこが良かった?」でした。

どうやったら問題を解決できるだろう?なんでできないんだろう?と思いながら練習していた私は、「良かったところ」に全く目を向けていなくて、しばらく答えられませんでした。

いかに自分がいつも否定的な言葉を自分にかけていて、いい言葉をかけていなかったのか気づきました。

否定的な言葉は詳細にいつも思い浮かぶのに、
例「足に体重がかかってない、薬指の動きが遅れている、」など

肯定的な言葉は「良い、Good」と具体的に何がいいのかびっくりするほど、全然思い浮かばない。

楽器を始めてから15年間否定的な言葉を自分にかけていたら、それを直すのに訓練しなければいけないとレッスンで言われました。

何を練習するかではなく、どう練習するか

ついついコンサートやオーディションが近かったりすると、あの曲もこの曲もさらわなきゃいけない。と何を練習するかに意識が向きがちになってしまいます。

大事なのはどう練習するか。どう音楽を作りたいのか、どうなりたいのか、どういう音が出したいのか。

批評ではなく分析をする

練習でも、おさらい会でも、演奏会でも、オーディションでも、コンクールでも

自分の演奏のあとに【批評】ではなく【分析】をすること。

「なんだあそこもっとこうできなかったんだろう?」←これは自分の演奏に対する批判で分析ではない。

「ここがこんな風によかった だから(ここででもを使わない)ここはもっとこうしてみよう」という考え方に変えてみます。

問題ではなく計画

自分が苦手とすることを問題(Problem)というのではなく、計画、企画(Plan、Project)という言葉に書き換えることも非常に効果的です。

軽さが全然違いますよね。言葉の力って思っているより本当に大きいんです。

目標の設定は結果ではなく行動、過程(プロセス)で設定する

そして自分の目標を設定するとき、結果を重視した目標ではなく、行動の目的、プロセスの目標を設定することで、苦しまずに目標に取り組めるようになるのではないでしょうか。

「オーディションに受かる」というのは結果を重視した目標で、

行動の目的というのは「喜びを表現する、楽しんで演奏しよう」

プロセスの目的は「今日は、ここの部分を昨日よりできるようにしよう」とすること。

あなたの強みは何?

最後の先生とのワークで「じゃあ、あなたの素敵なところって何だと思う?」と聞かれました。

急に聞かれて、自分で自分のことそんなに考えたことがなくて、拍子抜けし、しばらくモゴモゴして答えられませんでした。

やっとひとつ「人と演奏するときに合わせるのが得意かな」と縛り出して答えたら、「うん!素晴らしいね!他には?」と笑

それでまたモゴモゴしていたら、「じゃああなたの先生に今から電話かけるわね!(という程で)あなたの先生はあなたの強みをなんて答えるかしら?ハロー!ニコラ先生!マユコってどんな生徒?」

先生から見た私はきっとこうだろうなということをモゴモゴしながら、なんとか6つ出しました。

「ではあなたを一番よく知ってる人なんて名前?」と言われたので友人の名前を出しました。

「じゃあ今から〇〇に電話かけるわね!あなたはマユコの強みなんだと思う?」

と聞かれ、友人がいつも私にかけてくれる優しい言葉を思い出しながら少し恥ずかしくなりながらも、モゴモゴ答えて3つ書き出しました。

いつも褒めてくれる先生や友人に感謝しつつ、

自分から見た側面と他の誰かから見た自分と違っているけどそれはどれも自分なのであって全部自分の強みなのです。

書き出しているうちに、え、待って、自分めっちゃすごいじゃん!!と思えてきました。

先生に「このトレーニングを毎日して、オーディションのときにその書いたやつを読むの。自分はこんなに強みがあるんだと分かったら最強でしょ?」って。

本当に一生を共にする心強いノートができそうです。

オーディションを受けるにあたって

最後に先生から。

オーディションでは、オーケストラの人があなたを取るか決めるのであって、

あなたがあなたを決めるのではない。

日本人でも、アジア人でも、女でも、フランス管を吹いていても、

オーケストラの人があなたを取るかどうか決めるの。

クラリネットを吹いているあなたも、吹いていないあなたも、全部あなたなのよ。


このレッスンを受けて3週間経ちました。

ようやく自分で噛み砕いて、ここに文字にすることができました。

この3週間練習するのが本当に楽しくなり、見える景色が、世界が変わりました。

レッスンの一時間で世界を変えてしまうなんてすごい!

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