火星に移住する,しない

田坂広志氏著「死は存在しない」を読んだ

著者がこの本を書いた理由はいくつかあるようだが
その一つが「死後の世界」への不安を持つ読者へのやすらぎの提供であるようだ
そして この本はまさに 僕が長年心の隅に抱えていたそれを緩和してくれた

幼少の時分から死が怖かった

よく 夜寝床で目を閉じ 真っ暗な宇宙を想像した
それは 僕にとって 自分が死んだ後の世界のイメージだった
何も無い 無の世界

今思えば そのイメージはいつも宇宙だった

自分が死んだ後にも世界は続いてゆく だけど自分にはもうそれを知ることができない
死後の世界を想像した時 最大限に「無」に近いイメージが宇宙だったんだろうか

真空は無音 夜の静寂がそれを演出する
じっと仰向けになることで 肉体や触覚を忘れる
目を閉じても視覚は完全にはなくならないけど それに一番近い視覚が瞼の裏に現れる”真っ暗”だったんだろう きっと

その宇宙で僕はいつも漂っていた

だけど無とは何もないこと
真っ暗な宇宙すら認識できないはず
しかし 経験したことのない死を想像するという 
無を有にする行為自体矛盾しているから しかたなかったのかもしれない

でもこの本で言及される「最先端量子科学が示す新たな仮説」の存在を知り
その想像もあながち間違いじゃなかったのかもしれないと思った
これは僕にとって とても重要な意識の改革になった

はっきり言ってこれまで 僕にとって死は絶望でしかなかった

永遠に生きるのも辛い でも未知の死に対する恐怖を抱えたまま生きるのも辛い
だから 最後には良い人生だったと思えるように毎日を生きれなければと無理矢理生きる意味を捏造し
死のことを忘れるために無理矢理忙しくする そんな裏技を使うしか日常で安らぎは得られなかった
実際は死に向かっているはずなのに 行動や思考は死から逃げていた
それでも 全てはごまかしであることは完全には忘れることはできず 時々そのことを思い出しては虚しい気持ちになった
そしてそんな時 これほど恐れているにも関わらず 死にたいなんて考えるのだ

しかしこの本を読んで 僕はここで語られる仮説を信じられる気持ちになった
正直 ここで語られる”全て”は信じられるわけではない
そんなの当たり前だし 著者もそれは望んでいない
でも まさにここで語られるように 自分の今抱える思いがこのタイミングで僕にこの本を引き寄せたのではないかと思える程度には説得力があった
というか 著者の強い思いを感じて それに乗ってみようと思えたし 心がそれを求めていると感じた

この本で語られているように 人生で起こる不思議な出来事を全てこの仮説で説明しようとは思わない
でも この状況に置かれている”今の自分”が”今”この本と出会えたこと には意味があると思う

ちなみに 今自分は職場で色々とあり休職中の身であり 今後の生き方について色々と考えている
この本もどこで知りいつ図書館で予約したの覚えてないが このタイミングで僕の手元に届いたのである
(そういえば去年読んだ貴志祐介氏著「我々は、皆孤独である」ってこんな話じゃなかったっけ…もう一度読み直してみよう)

大原扁理氏の著書を読んだ

そして 実は僕がこの仮説を信じる気持ちになったのには他にも理由がある
この休職期間 図書館に行くことが増えたが たまたま目に入った大原扁理氏の本との出会いもその一つだ

休職中でこの先の人生や働き方を考えている人間の目に飛び込んできた本のタイトルが「なるべき働きたくない人のお金の話」である(笑)
この本を読んだことをきっかけに著者の本は全て読んだ
もちろん様々な意見はあると思うが
僕は著者の言葉を読み 自分の生に自分で責任を持つことで しあわせとよろこびを感じて生きることができるんじゃないかと思った
このことは 今後の働き方・生き方を考えていた自分にとって とても大きな考え方の指針となった
前述したように これまで僕は 死のことを忘れるために忙しくし生きる意味を探しながら生きてきた
ライフスタイルや働き方も それが基盤になっていた

このタイミングで これらの本と出会い 生や死に関してちゃんと考える機会を持てたことは
これからの自分の人生にとってとても大きい出来事である

余談

ここからは余談になりますが…
僕は「なるべき働きたくない人のお金の話」の著者である大原扁理氏について
これまで一切何も知らなかったのですが本を読み進めるにつれいくつか共通点を見つけて少しおどろいています

好きな歌手 性的志向 生まれ年など…

と言ったわけで その後読んだ田坂広志氏著「死は存在しない」で語られる仮説に
ある程度の説得力を感じざぜるを得ないのでした

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