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羽越の米の、輝きに酔いしれて。 【きっぷ1枚で日本横断:#7】

日本横断7日目、秋田駅から。

おはようございます。現在時刻は朝8時半頃。少しゆっくり目のスタートですが、寝坊したわけではありません。本日最初に乗る列車が9時台の出発でしたので、久しぶりに優雅な朝を過ごすことができました。

あっという間に秋田を去る

秋田でスロースタート

今朝まで泊まっていたホテルですが、無料朝食がついていたので朝からしっかり食事をいただきました。

旅経験を積むたびに、朝食バイキングの見た目を短時間で整えるのが上手くなってきている自負がある。

地産地消の取り組みということで、無事きりたんぽを頂くこともできました。きりたんぽスープを飲み、空調で冷え切った身体を温めます。

しっかり整ったところで、チェックアウトを済ませ、秋田駅に向かいます。早速列車に乗り込んで…といきたいところですが、列車の発車までは少し時間があるので、昨日行けていなかった駅構内のスタバで目覚ましがわりの1杯をいただくことにいたしましょう。

325店舗目 秋田駅店 #1466

キラキラ輝く県境超え

コーヒーで目が覚めたところで、今日も日本横断の行程を進めていきます。今日はひたすら、羽越本線に沿って新潟へ南下していく行程です。

お名前は「あきお」らしい。
また帰ってきます

最初に乗り込むのは、酒田行きの普通列車。秋田県を抜けて、山形県北部まで向かいます。

秋田駅9:11発 羽越本線 普通 酒田行き(536M)

象潟(きさかた)駅、初見で読める人はいるのだろうか…
相変わらず日本海は綺麗だ
隣にいた後輩も思わずシャッターを切っていた

海側も山側も素晴らしい景色でした。太陽光に照らされた水田の稲穂と日本海の海面が、ひたすらにキラキラと輝いていました。
列車は2時間ほど走り、山形県は酒田駅に到着です。

とてつもなく晴れていた

山形で日本海を過剰摂取

噂のマグロが食えると聞いて

酒田駅からは酒田港に向かい、テレビで話題になったこともあるマグロの丼をいただきましょう。駅の裏手にあるバス停から、コミュニティバスに乗り込みます。

地下道を潜って駅の反対側へ

駅東地下道前11:21発 市内循環B線 酒田駅前②行き(3便)

線路を跨いで市内を巡る

バスは市内をうろうろと巡りながら、20分ほどかけて港のほど近くにある仲町2番バス停に到着です。いや、今日もめちゃくちゃ暑いです。車内でレンタサイクルでもするか?とか話してましたが流石にやめて正解でしたね。バス停からは、歩いて港を目指します。

商店街ではお祭り的なものが始まろうとしていた

10分弱歩いたら、酒田港に到着です。市場をウロウロと散策しつつ、お目当ての店に向かいましょう。

お目当ての店に行ってみると、中にはとんでもない大行列が。食券を急いで購入し、着席順の番号札をいただいてからしばらくの間待つことにいたします。

期待を膨らませながら、数十組の並び列を待つことにしよう。結果的には、1時間半くらい待つことになった。

酒田港自体には他にも様々なお店があり、車で訪れていた方も数多くいらっしゃったので、どこも人でごった返していました。閑散としていたフェリーの待合室で、しばらくの間待つことにします。

出会いと別れの場。

こちらのフェリーターミナルからは、飛島という離島への連絡船が出るらしく、地元の方が頻繁に出入りしていました。久しぶりの孫との再会に嬉しくなって安易にジュースを買ってあげていた優しいおじいちゃんが、同郷の知り合いと会うや否や我々には分からないレベルの方言でお喋りに興じていて、旅先の時間の流れ方を体感しました。他にもたくさんのほっこりする場面を目撃しながら、時間が過ぎるのをゆっくりと待ちます。
頃合いを見てお店に戻ってみると、ちょうど自分たちの番号が飛ばされようかというところでした。お店の方に少し遅れてしまったことを謝りつつ、店内で料理が出てくるのを待ちます。店の前では相変わらずたくさんの人が列をなしており、テレビで取り上げられたことによるお店の人のてんやわんや度合いが見て取れました。
しばらく待つと、注文していた赤身丼が届きました。お味噌汁とお新香は自動的に付いてきます。

うん、これでいい。

こちらの赤身丼、しっかり美味しいマグロを700円で味わうことのできるお値打ちな1品です。食券を買う時から700円でいいのか?と思っていましたが、これを書いている今でも700円でよかったのか?という疑問が残っています。お店の方の良心に支えられた美味しい赤身丼をいただくことができました。

レトロな港でギリギリまで

さて、酒田港からは直接駅に向かうことのできるバスが出ていますので、そのバスが来るのを待ちたいと思います。しかし、そのバスが出るまではまだ1時間近くありそうです。先ほどの待ち時間で見つけた入場無料のミュージアムを見ながら、バスが来るのを待ちます。

ここをウロウロと見て回ることに
土の無料配布という攻めたコーナー

こちらのミュージアム、完全に昭和で時が止まったかのような趣で、雰囲気がありなかなか見ていて楽しめました。まぁ何より、徒歩で来ている分戻ることのできる車がありませんので、空調が効いていて助かった部分は多分にありますが。

無造作に樹齢約250年の杉の切り株が置いてある感じ、なんか推せる。

ミュージアムをウロウロ見ていたら、何だかんだでバスの時間が近づいてきました。バス停でコミュニティバスが来るのを待ちます。

しかし、時間になってもバスが来る気配がありません。専用サイトで現在のバスの走行状況を見てみると、なんと見るたびに遅れが拡大していました。うーん、ちょっとまずいです。とはいえ今更このバスに乗る他ありませんから、若干ソワソワしながらバスを待ち続けます。
定刻から遅れること10分ほど、ようやくバスがやってきました。急いで乗り込み、酒田駅に戻っていきましょう。

さかた海鮮市場前15:19発 酒田駅大学線 酒田駅前②行き(7便)

バス車内から神社が見えた

ただ、乗っている間にもなんだかんだでバスの遅れがあれよあれよと言う間に拡大していきます。当初の想定では次の列車の30分くらい前に駅に着いている予定でしたが、だんだん雲行きが怪しくなってきました。同行人の後輩と大丈夫かな…と顔を見合わせていたところ、次は酒田駅前との放送が。時計を見る限り、ギリギリで間に合いそうです。きっぷをあらかじめ取り出しておき、バスがつくや否や駅に向かって小走りで向かいました。小さなピンチでしたが、当時なす術が無かっただけになかなか緊張しましたね。何はともあれ、酒田駅まで戻ってきました。

駅に着いた時点で、発車5分前くらいだった。
こちらは大慌てで撮った写真。

日本海の車窓をもうn度

さて、終電でもないのになぜこんなに慌てていたかというと、酒田駅から指定席を取っていた観光列車に乗るためです。

改札を抜けたら、当然のように列車は入線していました。跨線橋を大急ぎで渡り、乗り込んでいきます。この列車は快速「海里」号、リゾートしらかみほどの知名度はありませんが、日本海に沿って走る羽越本線の車窓の魅力を最大限楽しむことができる観光列車です。さっそく指定席に乗り込み、この旅で何度目かの日本海を懲りずに満喫していきましょう。

酒田駅15:52発 羽越本線 快速海里 新潟行き(8854D)

指定席は、快速とは思えないほどシート間が広く、椅子もフカフカで実に快適でした。思わず寝てしまいそうになりますが、素晴らしい車窓を見逃さないためにきっちりと起きていきます。のんびりと過ごしながら、日本海に沿って新潟を目指していきます。

隣の席の後輩がアイスを頼んでいた。
思わずつられて購入しそうになったが、いずれまた食べるだろうから断念。
日本横断の旅路を、日本海の輝きで照らす。
車掌さんが記念の入鋏印を押してくださった。
ちなみに、乗車券を見せたらめちゃくちゃ驚いていた。「この先もお気をつけて」と声をかけてくださったことに感謝。
3号車の販売ラウンジは圧倒的な広さ

新発田駅からは白新線に入り、市街地を抜けて新潟駅を目指します。

いよいよ新潟名物のハムたまごくんに遭遇
白新線は単線区間が多く、列車の行き違いのための停車が頻繁にある

列車は酒田駅から走ることおよそ3時間弱で、終点の新潟駅に到着しました。ということで、本日の日本横断の行程はここまでです。

これは羽越本線全般に言えることですが、海側を見れば日本海が青々と輝いていて、山側を見れば田んぼが緑に輝いていて、秋田、山形、新潟の車窓は晴れていればこれほどまで光に溢れているのかと改めて驚かされました。快速「海里」号のおかげで、その輝きを存分に味わうことができたと思います。外は暑くて仕方ありませんでしたが、それでも羽越本線の輝きを浴びることができたわけですから、心から晴れてくれて良かったなという喜びを噛み締めた時間でした。

新潟の夜は長い

忘れられない丼がある

さて、新潟駅に到着したところでここまで同行してくれたプロジェクトの後輩とはここでお別れ。新幹線のきっぷを渡して、少しの間1人で行動していきます。

新潟駅の万代口はいつ来ても何かしら工事している。
てか、写真絶望的にブレているな。

実は、本日の夜から高速バスに乗って学部の同期が5人ほど駆けつけてくれることになっています。僕が手配していた高速バスに乗ってくれていれば、もうそろそろ到着する手筈になっているはず。駅前のバス降り場まで迎えに行きましょう。

御一行、全員無事到着。
5時間半高速バスに乗ってきてくれたので体がバキバキになっていないか心配だったが、もう飲んでるのか?という勢いで深夜テンションになっていた人も、昼飯食いそびれて「お腹空いた」しか言えなくなっている人もいたので、大丈夫だったのだろう。一安心だ。

無事合流できた時点で、現在時刻は19時過ぎ。さすがに僕もお腹が空いてきましたので、新潟名物を食べに行きます。ホテルへのチェックインを済ませ、荷物を置いたら、僕が新潟へ訪れる度に必ず頂いている、新潟名物のタレカツ丼のお店に向かいます。

お盆前でホテルを取るのがめちゃくちゃ大変だったが、なんとかツインを3部屋押さえた。
本日はこちらでお世話になります。
タレカツ丼を頂くのは、「とんかつ政ちゃん」さん。
閉店前にギリギリ滑り込むことができた。ラストオーダーギリギリで申し訳なかったです。

全員、3枚カツ丼を注文します。しばらく待つと、いよいよお目当てのどんぶりが出てきました。

そうそう、これだよこれ。

タレカツ丼は東京でも頂いたことがあり、もちろんそちらも美味しかったのですが、やはりこの本場新潟のタレカツ丼がどうしても脳裏にチラつきますね。圧倒的に完成度の高いどんぶりでした。
本日は昼、夜とどんぶり三昧でしたが、上に乗っているメインディッシュのおいしさもさることながら、どちらもお米のおいしさが僕にとっては非常に印象的でした。どんぶりにすると見た目的にも隠れますし、どこか脇役といった趣が否めませんが、羽越本線のお米、じゃなかった、水田の車窓と同じで、羽越のお米はそれだけでも十分主役級に輝いていて、それでいながら名脇役にもなれる感じがします。う〜ん、考えすぎでしょうか。何はともあれ、羽越のどんぶりは全部文句なしに美味しかったです。もちろん秋田のきりたんぽも。

明日も朝は早いから

満腹になったところで、ホテルに戻ったら本日はここまで。羽越の魅力を、ゆっくりと体感できた1日になりました。
明日は久しぶりに、かなり朝早くからの行動になります。明日の旅程は、これまでより群を抜いて盛りだくさんなのです。部屋で少し飲み直したら、さっさと寝ることにいたしましょう。学部の同期と久しぶりに会ったこともあり、部屋に戻っても話が盛り上がって正直なかなか寝られなかったのは、ここだけの話です。

おい、酒買い込みすぎやろ。

盛りだくさんな明日に期待して、おやすみなさい。

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