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なぜ「気象庁の人々」第1話で自分の期待値がまだ上がっていないのかを考えてみる

先週(2022/2/12)からNetflixで配信され始めた韓国ドラマの「気象庁の人々」を30分見たところで、このドラマについて「職業」という視点で考えてみます。

主人公の「職業」

1.「気象庁勤務」から考える

 気候変動は世界中でホットなトピックなので、重要な職業であることは明らかでしょう。専門性が必要とされ、知的で冷静でないと出来ない仕事。
「気象予報」自体で考えると、予報が当たらないこと=不確実性 と向き合いながら、そのせめぎあいの中で進んでいかなければならない主人公像が考えられます。

2.性格や才能、スキルから考える

明るい性格かどうかは気象予報に深く影響しないのですが、主人公の性格が「冷静か」「保守的か」「視野が広いか」「他者への共感力はあるか」といったことは、お仕事人間としての主人公のキャラクターをよりリアルに彩っていきます。
 30分見た時点で、主人公のヒロイン(パク・ミニョン演じるチン・ハギョン)は冷静で感情が表情に現れにくいタイプで、相手方男性(ソン・ガン演じるイ・シウ)は、表情豊かでフットワークが軽く、周囲に忖度せず自分の目を信じて行動するタイプという対称性がありました。
 
 普通に考えれば、頭カチカチのヒロインが、周りに屈しない自由さを持つ主人公男性に惹かれながら良い影響を受けて(途中でヤイヤイ衝突しながら)いく感じでしょうか。

 二人の抱く「理想」や「信念」が共有されたり、ぶつかったりしていくのだと思うのですが、そのあたりが面白いかどうか...?でも連続ドラマならではのどんでん返しや意外性ありまくりの展開が起こるはず。

3.障壁・危機・問題・対立などで表面化していく「葛藤」

登場人物たちが向かっていく方向に、一筋縄でいかない障壁が幾度もやってくるのがドラマ。徐々に小さな葛藤、後半に深刻な葛藤が訪れて目が離せない展開になるのがドラマ。主人公にとって大事なものが危機にさらされていくわけですが、主人公にとって大切なものって何だろう?と想像します。 

 冒頭からかなりクールな、多幸感の少なめな仕事人間としてのヒロインが描かれるので、生々しい「生きた」感情がどう出てくるのか何を必死になって守りに、獲得しに、いくのか、が見どころになるのだと思います。

 冒頭30分、ボスが倒れたのを冷静に遠巻きに見ていたり、ボスの代理を勤めなければならない状況のときも「私は来月結婚するんですが...」と躊躇しながらも代理を引き受けるシーンからは、「ゴリゴリに出世したいタイプでもない」ということが分かります。(来月結婚するのと代理業務出来ないというセリフの意味合いがよくわからず...結婚式とハネムーンで休暇だから居ません、とかなら分かるのですが)

4.「仕事」を通してどのようにキャラクターは変化していくのか

人は、満たされない欲求を解消するために、様々なトライ&エラーをしながら進んでいき、ドラマの最後は本人なりに納得した/選択した結果になるもの。
 中間管理職で表情を顔に出さない第1話のヒロインが、冷静沈着さを必要とされるストレスフルな気象庁の仕事を通じて、どんな変化をしていきながら、自分の人生の舵取りをしていくのでしょうか。

二人一緒に景色が綺麗な田舎の観測台みたいなところでLess Stressなスローライフを手に入れ「この場所でしかできない暮らしと社会貢献、隣には愛する人」で充実した顔で終わる、みたいなことになるのでしょうか。

5.このドラマの主題

ドラマのサブタイトルが「社内恋愛は予測不能?!」なので、出オチ感が否めません。恋愛は予測不可能に決まっています。そもそも気象予報という不確実性に向き合わざるを得ない緊張感のある仕事と社内恋愛ということで、なんだかある種予測できる展開が待ち受けているような...?いや、韓流ドラマの凄みが待ち受けてそうな気もします。すでに結婚相手に文句のあるオモニも出てきていました。

というわけで、今のところ、「職業」からみてまだ期待値は上がりません。
「よくおごってくれる綺麗なおねえさん」のように、セクハラに立ち向かうフェミニズムのストーリーが並走するとかあるかもしれませんし、
「キム秘書は一体なぜ」のように、過去のトラウマが現在に強く影響して記憶の糸のもつれを解きほぐしながら進むストーリーもあるかもしれません。

主人公の「感情」がまだ見えない第一話なので、今後、描かれる感情の丁寧な機微などに心打たれる可能性もあるかも。今後の配信を楽しみにしておこうと思います。


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