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散花集第1期(001-100)

100
花は散ります。有機体は解体します。存在は空想です。有機体とはみなさんのことです。2017/3-2018/4
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2017年3月の記事一覧

013

風景を眺めている。構成要素のそれぞれに個性があり、一つとして同じものはない。中には猫になって歩き出した石もある。

012

目から花が咲いた美しい少女を庭に植えた。根から退屈を吸い上げた少女は、香しい挨拶をして通りがかる人すべてに花が咲いていることを気づかせてくれるようになった。

011

死体が自らの不愉快な姿を含めた光景を指して「これは絵だよ」と語りかけてくる。

010

プールから上がるとあたり一面が砂漠になっていた。華やかな夜景とその愛人たちはどこかに消えてしまった。

009

彼女とは洗濯機の中で出逢った。

008

台所のシンクで水没している背の低い弟。水没した弟の肺が兄である。

007

もっとも美しい脚に爪楊枝を刺してたべる。

006

砂でいっぱいの部屋を覗いている。砂は卒業を夢みている。

005

ガスマスクをつけた子供が突っ立っている。黒い風船を持って、白黒の街で。

004

鏡の部屋で派手な殺し合いが行われた。そこでは像だけが動き回り、人間は一人も参加していなかった。

003

捕まった途端に宝石に変わる人魚。

002

自分の声を盗聴している。

001

毎朝同じ映画を観る。映画も毎朝同じ風景を観ている。