見出し画像

1泊2日-鳳凰三山(2日目:鳳凰小屋~鳳凰三山~青木鉱泉)

              山行日:2022年5月3日(水)~5月4日(木)

1日目はこちら
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

テント泊ではあまり眠れないのはいつものこと。いつもなら早すぎる時間に撤収準備をすることはないのだが、この日は深夜1時には電動シェーバーらしいモーター音が聞こえ、さらにバーナーの音もする。しばらくすると人の気配が濃くなり、周りの登山客も撤収の準備を始めているように感じる。そうれば自分もできるだけ音を抑えながら撤収に取り掛かる。初めて登る山を夜明け前から登るのに躊躇いはあったが、いざ出発の準備が整う頃には先行している人がいたので不安や恐怖はなかった。

macaのコースタイム

03:15 鳳凰小屋
03:45 地蔵岳(鳳凰岳)(日の出待ち75分)
05:05 赤抜沢ノ頭(休憩10分)
06:15 観音岳(休憩20分)
06:50 薬師岳(休憩5分)
07:15 砂払岳
07:40 薬師岳(休憩5分)
10:40 青木鉱泉
                           *適宜休憩あり

macaのコースタイム

雰囲気

鳳凰小屋から地蔵岳までは暗い中を登ってきたので写真なし

出発して直ぐは雪道
早朝のため凍っており滑りやすくなっていたのでチェーンスパイクを装着
トレースはしっかり残っていたので道迷いの心配はなかった
雪道がなくなると、次はガレ場

夜明け後に尾根から見下ろす形で撮影

ここまで登ればチェーンスパイクは不要
1日目と異なり勾配はキツい道なので休み休み登った

せっかくなので地蔵岳のオベリスクに登る
八ヶ岳と麓の夜景を拝むことができた

甲斐駒ヶ岳方面はまだ暗い

オベリスクで日の出を待つ
正直、オベリスクからでなくても良かった
おそらく、赤抜沢ノ頭からでも同様の景色が見えたと思う

見事な雲海
見えてる山は瑞牆・金峰山辺りが有力候補、次点でもう少し南側にある山

富士山や観音岳も雲海とセットで見ることができた

すっかり夜が明けたので行動再開

次の目的地”赤抜沢ノ頭”

その次の目的地の”観音岳”とその稜線

地蔵岳と赤抜沢ノ頭の間のコルに何かが並んでいる

近づいてみるとたくさんの地蔵
この地蔵は「子授け地蔵」として崇められていて、
1体を背負って下山し子宝を祈願、子を授かったらもう一度地蔵岳に登り、御礼に2体の地蔵を返すという慣わしに由来するものらしい
昨今、地蔵を持って下山することはないと思うが、
山梨県韮崎市の山岳会「白鳳会」では、「子授け信仰」を後世に継承するため、地蔵を山頂に運び上げる活動を続けているらしいので、少しずつ増えているのかもしれない

赤抜沢ノ頭に到着
甲斐駒ヶ岳がよく見えた気がするけど写真は見つからず

八ヶ岳と地蔵岳
早川尾根
白峰三山(北岳、間ノ岳、農鳥岳)
農鳥岳南方

次の目的地”観音岳”

どことなく燕岳を彷彿させる雰囲気
同じ白い花崗岩だから当たり前といえばそれまで

コルに到達

観音岳への登りは多少の積雪があったのでチェーンスパイクを装着
観音岳から下りてきた方はチェーンスパイクを装備していたが雪が残っていたのはごく一部の区間だけだったので無くてもの登れたと思う

セーブポイントのような墓所を通過

上から見ると一層それっぽい

「地蔵ヶ岳 10分」の看板
地蔵岳、観音岳までどちらも30分以上の場所にあるので、看板の意図が分からない

「小屋」とは鳳凰小屋のこと
コースタイムだと45分
ヤマケイだとバリエーションルートになっていたが普通に歩けるっぽい

後少しで観音岳山頂

山頂手前から富士山、薬師岳、雲海の見事な組み合わせ

観音岳登頂
標識の文字が色褪せて見えにくい

観音岳からの眺め

正面奥が甲斐駒ヶ岳、その手前が赤抜沢ノ頭、その右が地蔵岳
白峰三山(左から農鳥岳、間ノ岳、北岳)
富士山、薬師岳

薬師岳目指して移動再開
この区間は特に高低差が少ない

薬師岳から見るとより一層平坦なのがわかる

薬師岳登頂
(こちらの標識も色褪せ)

景色は観音岳とあまり変わらず

白峰三山

気温が上がり雲海が消えようとしている

せっかくなので少し寄り道して砂払岳にも行ってみる

砂払岳登頂
夜叉神峠からは、目の前の尾根を歩くのだろうか

砂払岳から鳳凰三山
先ほどまで歩いてきた道

今回の山行で最も富士山に近いポイント
遮るものがなく全容がよく見える

もちろん白峰三山もよく見える

薬師岳小屋は目と鼻の先

青木鉱泉へ下山するので薬師岳まで戻る

薬師岳小屋一帯は”キャンプ禁止区域”

薬師岳に戻り、富士山の見納め

標高差約1,800mの下山開始

直ぐに樹林帯に突入
結構な積雪があったのでチェーンスパイクを装着

日当たりの良い所は雪が溶けているけれども、日陰はまだまだツルツルなので注意が必要

大きすぎて画角に収まりきらない”御座石”

雪はあったりなかったり

積雪地帯を抜けたと判断し、チェーンスパイクを脱着

松や樅(モミ)の針葉樹が少しずつ姿を消してゆく

先ほどとは完全に植生が変わった
白樺(シラカバ)かな?

今度は唐松(カラマツ)地帯

ベンチとしてちょうどよい倒木、しばし休憩

唐松(カラマツ)地帯のほぼ下限
鳳凰三山入口(中道コース)
入口とは名ばかりで青木鉱泉から1時間ほどの場所

疲労が蓄積した今、落ち葉はズルっと滑りそうで進むのが怖い

植生がガラッと変わり、ブナやナラの広葉樹が目立つ

何気に怖いことが書いてある注意喚起を発見

林道まで下山
ここからは時間調整のためゆっくり進む

ちょうど新緑の季節なので緑が綺麗

青木橋を渡ればゴール間近
(もっと上流に川を渡れるところがあるらしいが自分は気が付かなかった)

青木橋から農牛を発見

農牛(のうし)
観音岳の雪が解け、山に地肌が見えるようになる5月頃に、解けた場所が黒い牛の姿に見え、その牛が山に現われる頃に農作業が本格化するのことから先人達が名づけたもの。

青木鉱泉に無事下山

あとがき

登山を始めたばかりの頃、風のうわさで「南アルプスは上級者向き」を耳にしてから敬遠していたが、鳳凰三山に限って言えばその心配は杞憂であった。麓から山頂までの標高差は目を引くものがあるが、登山道はしっかり整備されており危険を感じるような所はほとんどなかった。コースタイムを見て、その時間行動できる体力があれば、何の心配もいらない。

稜線に出るまでは眺望に不満が出るかもしれないが、稜線にでさえすれば抜群の展望が広がっているのでそれまでは我慢して登ってほしい。欠点を上げるとすれば、南北に延びる鳳凰三山の稜線は短く、2時間程度で歩ききってしまうことだろうか。

個人的には下山は下山で植生の変化を楽しめたので退屈ではなかったが、足の疲労は相当だったので、無理せず時間に余裕を持って行動することを推奨する。

ありがとうございます。励みになります。