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ハリー叔父の悩み マカピーの日々 #1427

マカピーです。
ハナさんの親戚のハリー叔父さんのところに来ました!

マニラ発の夜行バスで夜明け前にその町に来たのは、ハナさんが2年ほど前にこの地でクリニックをやることになったからでした。

その後でハナさんはマレイシアで日本人のハジさんの会社を支援する依頼で来た際にマカピーと出会う事になるのです。

なかなかアクティブな人ですよね(笑)

今回の旅では、彼女がこちらに滞在中よく会っていたハリー叔父に迎えに来てもらったのです。

ところが彼は今年の1月に脳梗塞で左半身麻痺となり自家用車の新車トヨタ・フォーチュナーを近所の人に運転を頼んで来たのです。

フィリピンは右側通行の国

脳梗塞から3ヶ月が経ちハリー叔父は自宅で毎日キャスターを付けた椅子に座りスマホを見たり家の前に広がる田園風景を眺めるばかりでした。

広い水田を人を雇い経営していたハリー叔父は奥さんが外国人と逃げてしまい、1人息子はデンマークの大学院にいるそうですが、毎日の酒と煙草が辞められず健康を害してしまったのです。

資金はあったそうですが、麻痺のある自分の姿に耐えられなくなったハリー叔父は、町中から水田の一角に小さな家を作り隣に暮らす親戚家族に面倒を見てもらっています。

小児科医でもあるハナさんは叔父の診断結果や処方箋をチェックしていろいろ彼にアドバイスします。

ハリー叔父は「わざわざ遠くから訪ねて来てくれた親戚はキミだけ」と感謝し「こっちでクリニックを開かないか? 街道沿いにその土地はあるし、この家の前に家を作って住めばいいじゃないか」と勧めるのでした。

袋がけがされたマンゴー

ハナさんは「マレイシアに仕事があるし息子もいるのよ」と答えつつも叔父にマッサージを施し生活改善でこう言うのでした。

「ハリー叔父さん、ここに引きこもっているだけじゃだめよ。まだ活動できるじゃない。リハビリすれば機能回復して歩行も出来るようになるのよ。まずはその無精ひげを剃り、頭髪を刈り込んでシャキッてしよう!」

マカピー達も町へ行きヘアサロンヘ行くからハリー叔父も一緒にゆく話が半ば強引に決まりました。

マカピーがフォーチュナーのカギを受けて車庫から出すとハナさんしか乗車しないので「どうしたの」と尋ねると「まだ心の準備が出来ないみたいね」との事でした。

マカピーは久々に右側通行の国で運転する事になり、しかもマニュアル車だったので最初はびくびくしながら幹線道路を市場のある中心地ヘ行きました。

ヘアサロンで二人とも染髪して魚市場を見にゆくネイルサロンでハナさんがマカピーを呼び止めるのです。

そこにはコロンとした中年女性がいて「久しぶりね先生」と抱き合っていました。

ジョシュも親戚筋らしく結婚した連れ子が、歩行困難だったのをハナさんが治療したのだとお客さんや同僚に「この先生はすごいのよ」って自慢げに言うのでした。

どこでも彼女の知り合いに会うのはマレイシアでも同じでした。


かつてクリニックを手伝ってくれた親戚筋の家を訪問

その後ハリー叔父の家に戻り夕食の支度が出来たと呼ばれたテーブルに叔父の姿がありません。

フッと視線をポーチに移すと、何とハリー叔父がケープを羽織って散髪しているではないですか!

床屋の出張サービスを受けたんです。

それまでのハリー叔父のやつれた印象が一変しました。

そうそう、それだよ!

マカピーはとっても嬉しくなりました。

「リハビリで歩行が出来るようになったら、オートマチックの車だったら右側半身の機能で自分で運転してどこへも行けるんですよ!」

マニュアルのフォーチュナーを下取りに出して買い替えれば良いんです。

マカピーでした。
最後までお読み頂き感謝します。まだまだ諦めない事ですね


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