見出し画像

オジサンたちと行く博物館 マカピーの日々 #1363

マカピーです。
サバ州立博物館に行って来ました。

オジサンたちのコタキナバル旅は3日目です。

今日は午後のフライトでハマナスレストランのある地方都市に移動予定でした。

そこで午前中はホテルをチェックアウトし博物館に行く事にしたんです。

開館して半世紀程の古い施設は改装を繰り返しながらも健在です。

博物館エントランス

まず鉄道オタクのキミさんに紹介したのは 昨日乗車したサバ鉄道の前身北ボルネオ鉄道で活躍した蒸気機関車のディスプレイで本館裏手にありました。

ウッチーさんとザキさんもキミさんと同じ設備業界のベテランなので蒸気機関の構造に関してのキミさんの講義に色々質問しながら、知的に楽しい時間を過ごせました。

その後で行ったのは野外に建築された各民族の典型的な家屋のうち、ムルット族とルングス族のロングハウス(長屋)を見学しました。

ルングス族はマカピーが青年海外協力隊(JOCV)で活動したクダット地域に住むカダザン族系の少数民族でマカピーも彼らのロングハウスに何泊かした思い出もあります。

高床式の長い家を造り家族単位の区割りがあるもので、共通の廊下部分と作業場所があります。

これはシャングリラホテルの展示から

隊員時代マカピーはそこ行くと、オバチャン達に誘われてピナンをたしなんだり、タバコを吸ったものでした。

ピナンとは檳榔(びんろう)というヤシの実で、その若い実をクタムと呼ばれる特殊な刃物で割ります。

それに独特の匂いのあるキンマの葉、それに練った石灰を付けて口に入れ噛むのでした。

すると、ジワーッと口の中に渋みとキンマの青臭い香りが広がります。

唾液が出てくると、それを飲み込まずに床板の隙間からベローッと吐き捨てるのでした。

その時に唾液は化学反応で赤茶けた色に変わっているのでした。


こちらも面白いデザインが独特

マカピーは最初の頃、タムー(市場)に集まるルングスの男女が吐き出す唾液が赤いので「結核の吐血」かと思って震えあがりました。

しかしよく見ると、血ではなく次第に嗜好品であるピナンである事が分かり段々誘われるとご相伴にあずかるようになるのでした。

マカピーはオジサンたちにロングハウス(ルマ・パンジャン)の説明しながらそんな当時の事を思い出すのでした。

ところが、ムルット族のロングハウスの構造はそれとは違っていました。なんと竹で出来た床の一部が掘りごたつ状態になっており、そこで大人数人がジャンプできる「遊び」があったり、ドブロクづくりの甕がたくさん並んでいたのでした。

またお世話になりまーす

ドブロクはタパイと呼ばれ、彼らの結婚式ではこの甕が幾つ集まるかでどれだけ盛大な婚礼であったかを誇ったそうです。

しかもドブロクの甕に細い節を抜いた竹を差し込み、中身のドブロク(タパイ)を飲むのです。

大概は分解が十分でなかったりするので米粒が先端の穴を塞いでしまって、いくら吸い込んでも飲めなかったりするものですから顔を真っ赤にして一生懸命吸えば吸う程、酔いも回って来るのでした(笑)

それで、ムルット族は首狩り族として有名だったので儀式の小屋の天井からも頭蓋骨がぶら下がっているのでした。(館内にもいくつもの頭蓋骨が並べられ、実際に首を切り落とした蛮刀などが展示されていました)

戦前(太平洋戦争)の英国統治(北ボルネオ国)時代くらいまでは実際に首狩りが行われていたと聞きます。

オジサンたちも「オー!」と驚いて頭蓋骨を眺めていました。

戸外はとても暑くなったので入場料を支払い館内に入るとニタリクジラの骨格標本がドーンとロビーで圧倒するのでした。

ピカチュウが募金してました

2006年にコタキナバル沖にあるガヤ島に漂着したクジラを地中に埋め肉部分を微生物に分解してもらった後、骨格標本を組み立てたとその過程が展示されてあったので、そもそも骨格標本の作り方とは何かあれこれオジサンたちは協議するのでした。

州立博物館には朝から沢山の幼稚園や学校の生徒さんがバスを仕立て修学旅行でやってきていました。

そして好々爺然としたオジサンたちは「うん、みんな元気でいいねえ!」と目を細めて、子供たちのユニフォームを眺めているのでした。

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。博物館とは知の宝庫ですね。




もしもサポートいただければとても嬉しいです。そのサポートは感謝のバトンタッチとして使わせていただきます!