2023年 坂道シリーズのインタビュー10選+1

 この企画も4年目。
 それは坂道関連の雑誌・本を100冊以上読むようになってから4年目ということでもありますが、今年は中でも1番読んだ年でした。

 今年は少しルールを変え、インタビュー単位での選出としました。グラビア含めた1冊トータルの満足度ではなく、良かったインタビューを10選。但し、総集的なインタビューについてはまとめて1カウントとしています。

 たくさんインタビューを読んでいて、それは色んな情報が得られて面白いのですが、さらっと読み終えるものも多いです。でもたまに、とんでもない興奮や感動を覚えるインタビューがあるんです。その時の感覚と言ったらたまりません。今年はそんな瞬間を記録しておき、10選と致しました。

 なので、私自身の熱量が高い話題に偏ってしまっていると思います。「坂道シリーズ」と銘打って起きながら、乃木坂がほとんどで、櫻坂の選出がない点については予めご了承ください。

 以下、掲載順は発売順です。


(1) B.L.T. 2023年3月号 久保史緒里

 今年最高の一冊。身体が上手く動かなくなるほど感動しました。

 中でも驚きを覚えたのが、ポジションへの拘り。センターになりたいという思いはかねてより公言していましたが、その拘りの強さは想像以上でした。『僕は僕を好きになる』でフロントというチャンスを貰えたのにそこから下がってしまったことを気にしていて、しかし、やがて個人仕事が増えてきて期待もしていたがフロントには辿りつけない話。「そこ(引用者注:ポジション)が全てじゃないから。気にしちゃうと切りがないから。だけど、私は気にします。やっぱり、大事な局面を任せてもらえる人間でありたいなと思うから」という言葉が力強い。どのポジションにいても彼女はもうグループの中心だと思っていましたが、この言葉を読んだ時、私はとっても嬉しかったです。
 そしてこの後、彼女は32ndシングル『人は夢を二度見る』でセンターに立ち、3作連続でフロントに立つことになるのです。それは個人仕事での活躍があったからであろうし、全国ツアー等での扱われ方を見ると、1・2期生が抜けた後の乃木坂46という「大事な局面を任す」ための起用のように見えます。有言実行。

 また、個人仕事が充実し始めた状況を受け、ここに至るまでの悩み・悔しさ、でも「腐らずにやって来られた」からチャンスが回ってきたのだと語られているのにも胸を打たれました。

 自分のことが好きじゃなかった時代から、自分に自信が持てるようになった・自分を好きになれた経緯についても語られており、なるほどと感じました。

 後輩との接し方についても、グループの将来を見据えて、口で言うのは4期生に任せて、自分は行動で示していきたいと話しているのも興味深かったです。5期生メンバーからよく久保の名前が挙がることを考えると、まさにそれができているんだろうなと感じます。

(2) TRIANGLE magazine 01 山下美月

 女優としての歩みを振り返る内容。女優として活躍するに至るまで、どのような思い・出来事があったのか。初めて知る内容が多くとても面白かったです。
 大島優子への憧れが原体験となり、「23歳までに自分の代表作と言えるような作品に出会わなきゃ」という思いがあったこと。「歌やダンスが得意じゃない私が、グループの中で自分にしかできないことを見つけなきゃやばいな」という考え。
 そんな中で自発的に行動を重ね、『あざとくて何が悪いの?』をきっかけにあざといキャラとして女優仕事を獲得していき。しかし一過性のキャラものとして消費されないためにはもっと役の幅を広げないとと思い、朝ドラのオーディションへ。常に先を見据えて行動している様子が印象的でした。
 しかし後輩に向けては、自分が進んできた道はしんどかったからと冗談めかしつつ、そのままおススメはできないと話している様子に、彼女の苦労が透けているようで胸を打たれました。だから、自分が道を切り拓いて、後輩たちがもっと楽にその道を進めるようにしたいと。立派すぎる。

 また、彼女のアイドル観についても語られていて面白かったです。「みんながそれぞれ好きな形で楽しんでもらえたらいいのかなって思います」という言葉は彼女らしいなと感じました。

 なおここでは詳細は触れませんが、同書籍に掲載されている賀喜遥香と井上和のインタビューもとても面白く、素晴らしい雑誌が創刊されたなと感じています。

(3) 乃木坂46公式書籍 10年の歩き方

 乃木坂46の10年の歴史がまとまった一冊。歴史が一冊の形になっているというのが素晴らしい。新規ファンは色んな雑誌をかき集めなくても、まずはこの一冊を読めばいいわけですから。過去についても、現在所属するメンバーから語られるという形になっているので、とっつきやすいと思います。

 そしてまた、2017年くらいからのファンの自分にとっても、新規的な内容が盛りだくさんで、非常に面白かったです。今だから話せる話というのもありますし。これだけの量の新録インタビュー! 最高です。

 例えば久保史緒里について言えば、大園桃子と与田祐希が『逃げ水』センターに選ばれた2017年当時について「私の目をすごく気にさせちゃってた」「私、闘志がすごかったから(笑)」「本当に申し訳なかった」と振り返っているのが良いですね。あるいは、早川聖来と田村真佑の存在が、「4期生に負けたくない!」という壁を壊し、「後輩を守りたい」という感情を教えてくれたという話も最高でした。

 『4期生ライブ2020』については、早川聖来がリーダーシップをとっていたことは知られていましたが、私の想像以上に行動していたことが明かされていました。4期生と新4期生の気持ちのすれ違いを埋めるため、新4期生5人と継続的に話をして、必要に応じて1時間くらい1対1で話したと。そのことについて新4期生側の視点から語られていたのも面白かったです。

 「おわりに」で語られている井上和の乃木坂観は、非常に久保・山下・梅澤的で、先輩の思いが確かに後輩に受け継がれていることが実感できました。

(4) 齋藤飛鳥写真集 ミュージアム

 齋藤飛鳥のキャラ変の歴史について、遂に本人からのネタバラシです。生田絵梨花の卒業本でその話題になった時は、いつか自分が卒業した時に……となっていましたから、その時の約束が果たされた形になります。

 かなり意識的にキャラ変を繰り返していた様子が詳しく述べられています。アンダーの頃を振り返って、拗ねキャラをやってたけど完全にそれだけにはならず、「選抜のこともアンダーのことも冷静に観ながら、自分はどうするべきかを考えて行動していたというか。当時、そういう意識をちゃんと持っていたことは、自分でも褒めてあげたいです」と語っているのが印象的でした。幼く、苦しい中でも前を見据えていたんだなと。また、『扇風機』のフォーメーションの話など細かい事をいちいち気にしてしまって落ち込んでいたという話は、そういうもんなんだなあと沁みました。
 そうして様々なキャラを作ることで成功した彼女ですが、そんなアイドル人生は後輩は絶対に真似しない方がいいと話しているのには、その苦労も伺えます。

 そしてグループ愛についても。乃木坂に入ったことで人と深く関われるようになり人間らしく成長できたという思いがあるようで、この2,3年ほどはグループへの恩返しをするつもりで活動していたとのこと。自分のことは脇において、乃木坂のことを好きでいて欲しいと〆られているのも印象的でした。

(5) BUBKA 2023年9月号 小坂菜緒

 ポジションへの思いを、かつてないほど語ってくれています。発売日前日に更新されたブログでは、2作連続で2列目での活動となるという報告をしたあとに「ごめんなさい」の一文が綴られていて非常に衝撃的でしたが、その詳細について語られているような形となっています。

 私としては、小坂が日向坂の中心的メンバーであることは周知の事実だと思うのですが、本人からすれば「2作連続の2列目というのが、正直に言うとすごく落ち込みました」「自分に自信があるわけではないので、受け入れるにはまだ早すぎる」「こういうところで「甘え」を出したくないし、「落ちた」と言われても仕方ない」「やっぱりわかりやすく表に出るのはフォーメーションなので」とのことで、その悲壮感の大きさと力強い言葉が印象的でした。彼女自身、休養していたこともあり周りに比べてキャリアの停滞のようなものを感じている部分もあるようです。
 2列目を受け入れることを「甘え」と捉えるのは衝撃的でしたし、こちらが気にしている以上に「やっぱりポジション」なんだなと思いました。わかりやすい指標って怖いですね。必ずしも内実と相関しているわけではないだろうに。
 ただし、その後半年程度経って発売された『日経エンタテインメント! 1月号』では2列目の経験も力にうまく変えている様子が伺えます。

 自己評価が低い彼女のことが心配ではありますが、それをエネルギーに変えている部分もあるのでしょう。「私が自分に自信が持てるんじゃないかって勝手に期待しているのは、卒業するときだけかな」という言葉も彼女の性格をよく表しているようでした。

 また、彼女からはアイドルとしての矜持を節々に感じます。「アイドルとしての時間を優先するか」「自分らしく健やかに生きることを優先するか」という問題について、自分を大切にした欲しいというファンの声に応えたい一方で、「アイドルでいる時間はアイドルとしてやれることはやりたい」と答えています。シビれる。

 そして、グループのことをすごく考えています。ケヤフェスがなくなった懸念も触れつつ、「ちょっとでも余裕を見せたら崖っぷちにいる感覚」「私たちは、今年、勝負を仕掛けなきゃいけない」「日向坂46は、少しの甘えも見せちゃいけない年」と語っているのは、結果的に見ても鋭い洞察でした。

(6) 早川聖来卒業記念写真集 また、いつか

 非常にショッキングだった早川聖来の卒業。その心境について聞ける機会がこうして用意されたのはありがたいことですし、また、少し期間があったことで卒業セレモニーの内容についても触れられているのは貴重です。

 3色ジェラートで披露した『Threefold choice』については、ずっと3人でやりたいと話してたとのことで、本番前に家に来て3人でずっと練習していたというエピソードはあまりにエモかったです。また、田村真佑ちゃんとの思い出として、「なかなか選抜の3列目から抜け出せないって悩みも一緒で、2人で頑張ろうって励まし合って、いつか二人で2列目にいけたらいねって話してて。その夢から私は先に離脱してしまうのは申し訳ないんですけど(後略)」と語られていたのには泣きました。

 休養を挟んで、ファンも見守ったり気遣ったりしてくれるように変わったと話しているのも印象的でした。
 そして、応援にも色んな方法があると。私はミーグリに通うようなファンではなかったのですが、らじらーが大好きだったし舞台も観に行ってたしインタビュー読むのも好きだったし……。彼女に何か伝えたのは、北海道公演の日に変な報道が出て号泣しながらレターを書いて送った1通のみ。まるでそんな私に、彼女がアンサーを送ってくれたかのように感じて嬉しくなりました。

 大学進学に未練があった話や、研究生を辞退した今は社会人の友達とずっと仲が良い話は初めて聞いたような気がしますが、それは彼女の視野の広さと繋がっているように思いました。
 乃木坂46にいる彼女の姿が見れなくなったのは残念だし、悲痛ですが、でも彼女は広い世界で羽ばたいていって欲しいなと思います。

(7) B.L.T. 2023年10月号 賀喜遥香

 私としては、これまで知らなかった彼女の志向が伺えてとても面白い内容になっていました。
 彼女は自身のグループの中での立ち位置について、「先輩がいなくなったからもっとがんばらなきゃっていう焦りみたいものを、みんなからすっごい感じます。だからこそ私は、みんなにとっての安定剤というか、またがんばろうって思える安心できる場所になれたらいいなって思いはじめていて。(中略)一歩引いてグループ全体を見たいなって気持ちの方を大きく持ちたいなと思うようになっていて。(中略)私自身、これから先どういうお仕事がしたいかみたいなものもまだ見つかってなくて。でも、ほかの子が外のお仕事をがんばっているのを見るので、自然と私はそうなったのかもなって思います」と語っています。
 歌って踊るアイドルに憧れて入ってきたから一番やりたいことはライブかも、とも話していて、彼女が外仕事やる気!というタイプではないことを私はそんなに認識していなかったので少し驚きました。
 少し前に発売された『WHITE graph 010』では外仕事へのやる気を語っていましたしそれもまた事実なのでしょうけど。ただそのモチベーションとして、先輩方もそうだったからグループのために自分もやりたい、という思いが大きそうな気がします。

 そして、4期生全体としてもそのような雰囲気がある点に触れられているのもリアルでした。
 外仕事のやる気を前面に出てくるメンバーは3期生にはいるし、5期生にもこれからそうなりそうだという子たちがいるけど、4期生にはいなくてみんな"普通の子"だと。
 4期生の立ち位置としても、「グループを引っ張っていこうとかっていう覚悟はまだそんなにないと思う」「グループがどうこうっていうよりかはまだ、自分がどうしたらいいか分からなくなっちゃう、がんばり方が分からなくなっちゃいっていう子が多いのかもしれない」と話していて。
 そんな素直な感覚が聞けて嬉しく思う一方、そういった発言が出てくること自体が意識の変化だと思うし、最近は賀喜さん含め4期生からグループを引っ張っていこうという思いを感じることが着実に増えているのもまた事実です。

 また加入当初の頃を振り返って、悔しさをモチベーションに頑張っていたというのも少し意外なエピソードで面白かったです。

(8) 遠藤さくら1st写真集 可憐

 初めて聞くエピソードが多くて面白かったですが、中でも自らの立ち位置について言及している部分に驚きを覚えました。
 「いつかは4期生も先頭に立ち、グループを引っ張る存在にならないといけません。4期生のなかには、率先してラジオやお芝居など、外の仕事にも力を入れ頑張ってくれている魅力的なメンバーがたくさんいます。最近思うのは、私はそんなメンバーを支える立場が合っているのかな、ということ。もちろん一緒に頑張りつつ、皆の頑張りをサポートできる立場になりたいんです」と自らは一歩引いている印象があります。
 さらにORICONのインタビューでは「これまで2回センターに立ってみて思うのは、私は引っ張るのが向いてないんです。だから今回のツアーの時のように、先輩の支えだったり、後輩の支えだったり、同期の支えだったり、そうやって背中を押してあげる方が自分には合ってるんじゃないかなって考えるようになってから楽しめる自分がいたんです」とも語っていて、自身のセンターにはあまり前向きではない様子が伺えました。

 しかしそんな遠藤は、同様に「一歩引いてグループ全体を見たい」と語っていた賀喜と共に、34thシングル『Monopoly』でダブルセンターを務めることになります。
 このような発言を見ていたからこそ、選抜発表の際に放送された、覚悟を決めたような彼女のインタビューが印象的でした。センターに立たなければいけない立場なんだということに腹を括ったかのような。それは賀喜とだからできるということなのかもしれません。『TRIANGLE magazine 01』で賀喜が話していました。「デビューしてから4年間でさくちゃんと『ふたりでお願いします』っていうことがわりと多かったんですよね。そのたびに、もがきながらふたりで乗り越えてきたことがたくさんありました。だから、『今回は、4期生が中心になって何かをやってください』ってことになったら、さくちゃんに声をかけて巻き込むと思いますよ。さくちゃんと一緒なら、できる気もするんですよ」

 『可憐』の話に戻りますと、生い立ち・オーディションから含めこれまでを振り返るインタビューとなっていてとても面白かったです。
 『夜明けまで強がらなくてもいい』期間、歌番組収録の前夜に必ず賀喜と筒井と3人で集合してひたすら踊っていたというのはエモかったです。
 飛鳥から写真を撮ろうと声を掛けられた時に卒業するんだと気付いたというのもグッときました。
 写真集発売に前向きではなかったけど……なんて話が正直に語られるのも珍しく、彼女らしさが表れていて良かったです。

(9) 日経エンタテインメント! 日向坂46 Special 2023

 4年ぶりの発売! 全メンバーの最近の活動・思いを知れる最高のインタビュー集です。
 この書籍で10選の1枠を使ってしまうのは毎年のことになってしまうかもしれないので微妙な点もあるのですが、良いものは良いですし、今年復活してくれたありがたみと来年以降も続いて欲しいという意味も込めて選びました。

 日向坂46は今年、全国ツアーの追加公演にて「2度目の東京ドーム」という目標を発表しましたが、このインタビューはそのツアーが始まる前。目標が決まる前の途中段階の様子が伺えるのが、本書籍の貴重な点だと思います。
 佐々木美鈴によれば、キャプテンの佐々木久美を中心にこれからの共通目標を作ろうという話し合いがこの時点であったようです。ただし目標はまだ決まっていないようで、「東京ドームは与えられた目標だけど、私たち自身で共通の目標を作ることができたら、また1つ成長するはず」と話しています。
 一方で佐々木久美はこの時点では「ドームツアー」を目標として語っています。それが最終的には「東京ドーム」になったのには葛藤が伺え、苦しくなります。全国ツアーのチケットが売れ残ってしまったことなどを受け、それが現実的な落としどころになってしまったのでしょうか。しかし美鈴が話していたように、メンバー自身が決めたものならば、それには前とは違う意味があるのかもしれません。

 以下、特に印象深いメンバーのインタビューを3人ピックアップします。

 河田陽菜は、バラエティー番組への出演が大きな転機になっている様子が伺えました。最初は、1人で出るのは不安だから他のメンバーにして欲しいとマネージャーに相談したけど、説得されて挑戦してみることにしたというのがなんとも彼女らしい。そして今ではバラエティー番組にメンバーの中でも多く出ているという事実が凄い。富田鈴花もその様子について「河田陽菜が大きく変化した」「今ではとてもいい笑顔で1人でのバラエティ番組出演から帰ってくるようになりました」と話していて、グッときます。

 加藤史帆が『僕なんか』で2列目に下がってその事実を受け入れるのに時間がかかったと語っているのは、リアルな感情だと感じました。私からすれば日向坂の確固たるエースの一人であり何も気にすることはないように思うのですが、やっぱりポジションは気になるものなんですね。自分に自信が無い辛い期間が長かったが、最近は毎日笑顔で変わったという話には嬉しい気持ちになりました。

 森本茉莉は、「激ヤバさん」呼びに最初は困惑したけどアイドルはエンターテイナーだと開き直ることができ、今は私を知ってくれる入り口になればと思っているとのことで、グッときました。『Top Yell NEO 2023~2024』でも彼女は意識的に変わることでチャンスをつかんだと話していて、本当に見事でした。

(10) Platinum FLASH Vol. 24 潮紗理菜

 卒業を控えた潮紗理菜のロングインタビューはボロ泣きです。
 これまでの活動振り返り、影響を受けた言葉、メンバーについて、卒業の思い……。
 彼女の優しさ・素晴らしい人柄に溢れています。自らを謙虚に言いますが、こんなに素晴らしい人は他にいないのではないかと思います。卒業セレモニーでも非常に感じました。

 Zeppツアーの太鼓のリズムは1期生全員言えますよと言って、実際に言って見せる姿には、文面だけでも泣けました。青春が沁みる。
 三期生のことが大好きで、全国ツアー公演後にスタッフから「今日一番褒めたいのは三期生」と言われた時に、涙が出るくらい嬉しかったという話には、それを聞いたこちらが涙が出るくらい感動しました。
 何をするにもいつも左端の一番後ろだった頃に、平手友梨奈から「潮ちゃんのパフォーマンス好きだよ。目が行っちゃう」と言われて、ずっとその言葉を胸にライブに臨んできたこと。
 各メンバーとのエピソードも本当に素敵です。

 一方で、「聖母」という言葉に押しつぶされそうになったことも明かされていて、胸が苦しくなりました。聖母でいなきゃと思うんじゃなくて、聖母を目標にしたら心が楽になったとのことでした。でも、聖母と呼ばれるくらいにどうしてもあなたは素敵な人なんだと思います。

(+1) たゆたう 特装版 長濱ねる

 インタビューとは異なりエッセイなので10選の対象外としましたが、とても良い一冊だったのでここで取り上げます。

 実は私が欅坂を追い始めたのは2019年からなので、メンバー当時の彼女のことはよく知らないのです。乃木坂ファンとして緩く欅坂の情報は入ってきていたので、名前と顔がギリ一致する程度。あとは、昨年発売されたQJの特集を読んだのと、最後のANNを偶々聞いていた記憶があるくらい。
 しかしそんな自分でもとっても面白く、すっかりファンになってしまいました。

 最初はアイドルインタビューを読むような感覚(この人の価値観が見えておもしろ!)で読み始め、その面白さもとてもあったのですが、途中で訳も分からず泣きそうになってきたり、仕事に疲れていた自分に何か刺さるものがありました。
 何か私に共感する部分もあったのだと思いますが、でも私はこんなに心が上下しないし、世界をこのように見る感性もないな、とも。その性格は大変だろうな、とも思いました。
 彼女の面白さとして感じたのは、自己言及してたように、隅の隅まで説明を尽くそうする点ですね。私は自分もそういうところがあるし、そういうタイプの人が好きなのです。
 あるいは色んな人の目に晒される仕事の大変さもひしひしと伝わってきたし、興味深くもありました。

 切り抜き動画によるいじめ疑惑炎上は、当時乃木坂ファンの私でも目にしていた話。炎上は何も知らない人にまで届いて、それが第一印象になってしまうこともあります。何度も死のうとしたというのは本当に恐ろしいです。綴られたその苦しみには深く考えさせられました。

読んだもの一覧

・B.L.T. 2023年3月号~2024年2月号
・blt graph. vol.86, 87, 88, 91, 94, 96, 97
・20±SWEET 2023 JANUARY, 2024 JANUARY
・B.L.T. graduation 2023 中学卒業, 高校卒業
・B.L.T. SUMMER CANDY 2023
・BUBKA 2023年5月号, 6月号, 9月号, 12月号, 2024年1月号, 2月号
・BRODY 2023年4月号, 6月号, 8月号, 10月号, 12月号, 2024年2月号 
・アップトゥボーイ 2023年3月号, 4月号, 6月号, 7月号, 9月号, 10月号, 12月号, 2024年1月号, 2月号
・Platinum FLASH Vol. 21, 22, 23, 24
・EX大衆 2023年3月号~12月号(5・6月は合併号), 2024年1・2月合併号
・ENTAME 2023年3・4月合併号, 5月号, 6・7月合併号, 8月号, 9・10月合併号, 2023年12月・2024年1月合併号(電子版含む)
・BOMB 2023年2月号, 9月号, 2024年1月号
・グラビアチャンピオン VOL.1, 2
・MARQUEE Vol.149
・CM now vol.221
・日経エンタテインメント! 2023年2月号, 2024年1月号
・日経エンタテインメント! 日向坂46 Special 2023
・WHITE graph 010
・TRIANGLE magazine 01
・CanCam 2023年5月号, 11月号
・Seventeen 2023 Summer
・non-no 2023年11月号
・東京カレンダー 2023年11月号, 2024年2月号
・ar 2023年10月号
・bis 2023年7月号, 11月号, 2024年1月号
・anan No. 2350, 2365
・Casa BRUTUS 2023年10月号
・mina 2023年11月号
・装苑 2024年1月号
・コマーシャル・フォト 2023年9月号
・モデルプレスカウントマガジン vol.7
・TV LIFE 2023 No.18, 20
・週刊少年マガジン 2023年2/22号, 4/26号, 5/31号, 6/7号, 8/16号. 8/30号, 10/25号, 11/8号, 11/22号, 2024年1/17号
・週刊少年サンデー 2023年2/22号, 4/12号, 8/16・23号, 2024年1/24号
・週刊少年チャンピオン 2023年4/13号, 7/27号
・週刊ヤングジャンプ 2023年6/8号, 9/28号
・週刊ヤングマガジン 2024年1/8号
・週刊プレイボーイ  2023年52号
・乃木撮VOL.03
・秋元真夏卒業記念写真集 振り返れば、乃木坂
・大園玲1st写真集 半分光、半分影
・影山優佳1st写真集 知らないことだらけ
・齋藤飛鳥写真集 ミュージアム
・加藤史帆1st写真集 #会いたい
・久保史緒里1st写真集 交差点
・田村真佑1st写真集 恋に落ちた瞬間
・早川聖来卒業記念写真集 また、いつか
・上村ひなの写真集 そのままで
・遠藤さくら1st写真集 可憐
・土生瑞穂 1st PHOTO BOOK Destination
・乃木坂46公式書籍 10年の歩き方
・山崎怜奈の言葉のおすそわけ
・きらきらし
・たゆたう 特装版
・言葉の海をさまよう
・私がグループアイドルだった時
・なんでも聴くよ。
・アクトレス 公式メモリアルブック
・乃木坂46新聞 2023
・日向坂46新聞 2023年春号
・IDOL AND READ 035
・Top Yell NEO 2023~2024

昨年までの結果

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