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OTTOという男

トムハンクス主演
自殺願望のあるオットという老人がいる。
近所のルールを守らせることを大事に思い、ささいなことに目くじら立てて攻撃する。そんな彼なのに近所の人は実に温かく接する。

年を取るってこういうこと。
頑固になり
わからずやになり
自分で自分の、機嫌をとれなくなり
死にたくなる。

この老人は、過去の思い出を美化している。
亡くなった妻との思い出に浸り
妻の不在を思い出すと死を選ぼうとする。

この老人のように
自分の家族が考えているのなら、
たまらない気持ちになるだろう。

最近、高齢化をテーマの映画をいくつか見たけど、
どれも視聴後に爽やかさが残る構成になっている。

この映画も、はじめのうちは
嫌な空気が充満していて、
お世辞にも楽しいなんて思えない。
トムハンクス主演だから、きっと感動を与えてくれるんだよねえ
と制作者を信頼して視聴し、
視聴後、「観て良かった」と思えた。

最後に
心の問題を持つ人に対して
「相談がある方はこちらにどうぞ」のメッセージがあった。

自殺がどんなに罪なのか
自死遺族の悲しみを思うと辛すぎる。
遺族は魂を殺されている。

さて、あんなに自殺願望のあったオットだが、
近所の人の温かさや、自分をたよりにしてくれる喜びから
最後は近所の人に恩返しをして
亡くなる。

あんなに死にたがっていたのに
結局病気で死ぬんかい
でも、自殺で死んだら周りの人も自分ももっと貧しい死に際だったと思う。
近所の人とのふれあいで、豊かな死を迎えられた。
遺書に財産分与まで記し、若い人に車を与えている。
思い残すことなく幸せな気持ちで亡くなったことだろう。

死ぬことから誰も逃れられない
でも、病気になって死を意識したとき
生き方は変わる。
最後まで豊かに生きたいものだ。

よい映画だった。


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