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がん治療は海を見ながら#わたしと海

「ローズマリーさん、夏はどこか行くの?」
「イオンかな」
「わたしはディズニー行くの」
「楽しんできてね。わたしはホントはね、海に行くの」

海に行くのは嘘ではない。
海に面した病院に入院するのである。
がん患者のわたし。今回は肺の切除である。

病室からの景色

病室には大きな窓がある。カーテンを開けると、この眺め。
夏の海、夏の空。気持ちが開放的になる。
なになに? ここはリゾートホテルですか?
入院初日は、遠足気分。

パステルカラーの海で漁船が操業中

潮騒を聴きながら、ぐっすり眠った。
目覚めてカーテンを開くと、そこにはパステルカラーの海。
漁船が絶賛操業中。
「何が獲れるんでしょうね?」
体温や血圧をチェックしに来た看護師さんと雑談する。

そして、手術。
今回は肺の一部を切り取る。
悪いものを全部取ってすっきりする。
数時間の手術を終えて、HCU(高度治療室)で一夜を過ごす。
苦しみの中、看護師さんが寄り添ってくれた。

そして、無事に病室に帰ってきた。
点滴に硬膜外麻酔にドレーン、たくさんの管につながれている。
麻酔が切れてくると痛みが出る。
硬膜外麻酔の管にはプッシュボタンがある。
痛くなったらこれを押す。
痛みが消えたら、海を見る。海を見ていると気が晴れる。

海を見ていると、気が晴れる


サーファーが波に乗る。
リハビリ指導に来てくれた理学療養士は、日焼けしている。
「もしかして、サーフィンやるんですか?」
「やりますよ!」
一緒にサーファーたちの真夏の大冒険を鑑賞した。

サーファーの波待ち

理学療養士と一緒に部屋の中を歩いた。
痛みと手術の疲れで、あまり歩けない。
ゆっくりゆっくり、これからこれから。

朝日が昇る。さあ、出発!

お世話になった医療スタッフの皆さん、
本当にありがとうございました。

朝日が昇る。新しい体で、さあ、出発!

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