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それでも「共学」を推奨するこれだけの理由(2)

(2011年2月10日「松ちゃんの教室」ブログ記事再掲)

他に、著者が別学のメリットとしてあげている点を項目ごとに列挙してみる。

1.女子はリーダーシップを発揮できる
2.男子は女子任せにしないで雑事(清掃など)もできる
3.女子校はしつけ・生活指導をしっかりしてくれる
4.女子校に見られる清潔感
5.たくましい男子が育つ男子校
6.教師のサポート(きめ細かな指導)を受けやすい
7.一生付き合える友だちに多く出会える

つまり逆に言うと、共学では……

1.女子はリーダーシップを発揮できない
2.男子は女子任せにして雑事をしない
3.しつけ・生活指導がしっかりできない
4.清潔感は見られない
5.たくましい男子が育たない
6.教師のサポートを受けにくい
7.一生付き合える友だちにはそれほど出会えない

ということになるが、果たしてどうだろう。確かに傾向としてあるかもしれないが、非常に偏った、単純な男女観である。

「1」~「3」は教師の指導いかんでどうにでもなる。別学の方が「指導しやすい」からというだけの理由では、あまりにも安易過ぎる。

「自分らしくのびのび」という文言がたびたび繰り返されるが、もちろんこれも学級経営上の努力によって克服すべき課題。

「4」などは、実際に「異性の目」を気にしなくていい別学校(もちろん女子校も含め)の汚さを目の当たりにすれば、美しい誤解はおそらく瞬時に打ち砕かれるだろう。

 女子校では、異性を気にし過ぎることで生じる窮屈さから解放され、より自由な雰囲気のなかで、学校生活を送ることができます。男女別学は、それぞれの特性だけでなく、人間として一人ひとりが持つ個性と才能を開花させ成長させるのにより好ましい教育環境だとも言えるのです。

「解放感」あふれた女子校の教室で授業をする男性教師の苦労と気遣いは察するに余りある。(逆もまたしかり……)

「清潔感に満ちた女子校」は、資金力があって専門業者が清掃を担っている一部の「お嬢様校」である(もちろん、例外はあるだろうが)。

極めつけは「5」。保護者の期待として「3」や「5」があるのは重々分かる。しかし、男子校で肩身の狭い思いをする決して「たくましい」とは言えない男子たちを幾人も見てきた。

そしてここにこそ、特定の男子像、女子像を押し付けることになりかねない別学の危うさがある。

「6」は、別学かどうかより、むしろクラスの人数によるところが大きい。
たとえ共学であっても、一人ひとりに目が行き届けばクリアできる問題である。さらに言えば、「きめ細か」過ぎることの弊害も忘れてはならない。

最後に「7」。

 一生付き合っていける友だちとして考えたとき、対象となるのは同性の方が多いでしょう。別学であれば、そんな唯一無二の存在となりうる対象がたくさんいて、そこから自分に合う人を選ぶことができるのす。

うーん……ここまで来ると、もはや思い込みとしか言いようがない。


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