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第3回Social Breakfast /「社会を変える 組織経営」



社会を変える朝ごはん「Social Breakfast」とは?
社会のためにと一歩踏み出したいけれど、何から始めたらよいかわからない。社内外の人たちとソーシャルグットで繋がりたい。先駆者に学び、社会を新たな視点から眺めてみたい。 という若者が気軽に集える場(朝食代無料!)をつくりたいと考え、森ビルさんの協力のもと実現することができました!

⻁ノ⾨ヒルズのOVAL CAFÉで第3回が開催しました!
第3回は「“社会を変える” 組織経営」をテーマに、NPOやソーシャルベンチャーを立ち上げる際に、どのように組織をマネジメントし、人やお金を動かせば良いのかということを議論しました。


横尾 俊成

株式会社まちのプロューサーズ 代表取締役
慶應義塾大学SFC研究所上席所員

最初にお話ししていただいたのは、ソーシャルブレックファーストを主催する株式会社まちのプロデューサーズ・代表取締役の横尾俊成さん。
横尾さんが「社会を変える」事業に目覚めたのは、米国へ留学した直後に知人を9.11のテロ事件で亡くした経験からでした。
 学生ながら小さなアクションを起こした結果、さまざまなNPOとの関わりができるも、どの団体も人やお金が集まっていないことに気づいた横尾は、「自分は多くの人の心を動かすムーブメントを起こす側になって、救える人を100人から1,000人、10,000人に増やしたい」と広告会社の博報堂に就職しました。
 
会社では、ソーシャル関連のキャンペーンを提案・実行したり、CSRの部署の立ち上げを進言したりと充実していたものの、やはり現場が恋しくなり、会社のCSRとしてグリーンバードというごみ拾いの活動をはじめました。
 
すると、どんどんその活動にのめり込むようになり、会社を辞め、グリーンバードの二代目の代表に就任することに。ごみ拾いの活動を通じてまちに関わるようになると、今度は、行政がもっと「街に関わりたい」と考える多様な人に仕事を任せるべきだという思いに至り、行政と区民の関係を変えるべく、港区議会議員になりました。
博士号を取得し、議員を引退した現在は、大学で後進の育成、スタートアップで「ルールメイカー」の育成、各地のまちづくりの現場でプロジェクトマネジメントなどを担っています。このソーシャルブレックファーストでは、社会を変える仲間をもっともっと増やし、社会課題をみんなの力でどんどん解消していきたいと考えているようです。
 
そんな横尾がソーシャルな組織の運営で大切にしている5つのことは、(1)(現実ではなく)夢を語る。
(2)「誰のためになるのか」を常に考える。
(3)(そのテーマに)興味のない人の気持ちを考える。
(4)問題から課題を発見する。
(5)ソーシャルリーダーは「ファシリテーター」であれ。

とのことでした。


水野 真
税理士水野真事務所

次に話していただいたのは、2022年10月に事務所を開設し、約50社の中小企業、NPOの税務会計顧問として経営のサポートを行っている税理士・水野真さんです。
 
水野さんは、学生時代、日本文化学類にて、異文化間教育、国際理解教育、多文化共生教育について学んでいました。国籍、民族、宗教などの違いを超えて互いの文化的価値観を尊重し、共に地域社会の構成員として生きていくことを目指す「多文化共生教育」の重要性に気づいた水野さんは、卒業後、神奈川県国際交流協会(現、かながわ国際交流財団)へ入職し、7年間勤務しました。
 
当時、社会活動は仕事として成立せず、志半ばで離脱する人がほとんどだったそうです。NGOの活動を続けたいけれど、生活出来ない、子どもを育てられないという状況で次々とNGOから人が辞めていく現状、また、NGOはお金を稼いではいけないという雰囲気が蔓延している状況にあって、「こんなことでは、社会活動は盛んにならない」、「会計や経営についての専門家になって、この世界の役に立ちたい」と思い税理士を目指すことにしました。
 
税理士として仕事をする中で気づいたのは、日本は起業のハードルは低いものの、その後のサポートは決して手厚くないという事実だそうです。また、収益をあげるのが得意な株式会社でも苦労している中で、必要最低限の利益だけを毎年安定してあげるのは至難の業であり、収益があがる年、あがらない年があるのが普通なので、経営基盤確保のためにはある程度収益化を目指すしかないということでした。
 
水野さんは、「日本には寄付文化がないという現実を受け入れた上で、会費、助成金、補助金に頼るのではなく、自ら収益を上げていく体制をつくるべきだ」といいます。社会を良くする活動に多くのお金が流れるようにするための事業づくりを目指すべきであり、そのための税務会計をサポートしたいとのことでした。
 
これまでの自らのバックグラウンドから、「ソーシャルグッドをする人たちの中に「多文化共生」が根付いたら良い」、「団体ごとに趣旨や主義主張が違ったとしても、社会を良くしたいという最終目的は同じはず。ソーシャルグッドに関わる仲間を増やすのが一番」とおっしゃっていたのが印象的でした。


まとめ
お二人の話を聞いて、日本ではまだまだソーシャルの分野に対する政府や自治体からのサポートは足りないということが改めてわかりました。このソーシャルブレックファーストを通じてたくさんの仲間を見つけて、皆で制度やルールを変えつつ、「社会を変える」をはじめたいと思った人をサポートできるようになればいいですね。


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