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『チケット トゥ パラダイス』を観て想うこと

これは『チケット トゥ パラダイス』という、11月3日公開の映画についての感想です。ネタバレ含みます。
ちなみに、監督も俳優も何も知らないので制作スタッフの背景まで推し量ったような深みのある考察はゼロです。
この記事を読んだら絶対に観に行ってみてね?とまでは申しません。

大前提として、素直に楽しい映画

「2022年、全人類必須鑑賞の超感動作」などと煽って人に観ろ!観ろ!と焚きつけるものではありませんが、『離婚した2人が急に結婚する言い出した娘のために彼らなりに雑に頑張る』というテーマ自体に拒否感を持っている人でなければ、ほぼ誰にでも楽しめる射程の広いエンタメドラマ映画だと思います。

アメリカ人らしい会話と衝突コメディを観て、「アメリカらしいなぁ……」と思いながら楽しめるでしょう。

安心して観れるので、余計なポイントを拾う暇がある

怒涛のアクション映画とかだと、細かい脚本・設定への違和感とかは「そういう事を考えて立ち止まっている暇はねぇ!!」という勢いで先へ先へと誘導されていきます。

ですが、本作はある程度は「はいはいはい…… で、こうなって、ここでこう葛藤したり衝突したり…… わかる~」という、お約束的リズムが裏切られないガチガチの模範的エンタメコメディ作品のため、余計な事を考えながら楽しむ事が出来ました。

『文明と未開』というテーマを持たせている?

これは考え過ぎの可能性が95%くらいなのですが。
文明国アメリカが未開のバリ文化に理解を示す、という構図に見えなくも無かった所です。

主役二人が、娘の結婚に反対する同盟を早々に組み呉越同舟となりますが、そもそも結婚相手と出会う前からそう決め込んでいて、会ってみて好青年だと確認してもなお反対の姿勢は堅持します。
結婚の反対の理由はいろいろと読み取れますが、『バリ島のバリ人だから』という要素が大きいと思えてしまうのですよね。

そして、その疑いを補強する行為が出てきます。

現地人の子供から盗みを働く事への躊躇の無さ

娘と現地人彼氏の結婚を妨害するために、儀式に必要なあるアイテムを預かっている幼女に接近し、優しい声と表情と果物で安心させ”それ”を盗みます。

素直に犯罪なのですが、物語の中ではその犯罪行為を盗んだ子供に詫びるシーンはありません。
この子供は、預かった大切なものを失くしたというキツい思い出を胸に今後の人生を送ります。

この主役二人にとって、人間に値するのは自分の娘だけであって、現地人のよくわからない娘なぞ「盗んでも良い対象」にしかなっていません。
結局、娘にその盗みがバレますが、謝罪の対象は娘のみです。
結婚相手の彼氏にも、最後まで盗みを正面から謝罪していません。

これが、アメリカ本土内の物語で、盗みを働く相手が同じコミュニティ・同じ人種の娘だった場合もこの映画監督や脚本は子供への謝罪無しで進行するのだろうか?とモヤモヤ思いました。

子供だから、盗んだ相手に謝罪しないのか。
アメリカ文明人では無いから、その子供に対して謝る思考回路が示されていないのか。
制作側はどう考えながら作ったのか、いや考えもなく作ったのか?と思いながら観てしまいました。

示される結婚観は良かった

子供が出来ても夫婦仲が悪ければ離婚して欲しいと常々思っている私としては、ちゃんと早い段階で離婚しているこの2人には好感が持てました。

子供の身としては、どちらをどれくらい好きであろうが、いがみ合う空気の中で心を押し殺して生きるのはまっぴらごめんですからね……
そして、時間が立ち改めて気持ちの変化等を受けて関係性が縮まるなりさらに遠くなるなりで良いのだと思います。

またどんな年齢になっても、情熱的に恋をしてもしなくてもなんら可笑しくない前提で進むこのアメリカ的な恋愛観は、もっと日本でも今より浸透したほうが人はもっと幸せになれるんじゃないかと思わせる作品でした。

まとめ

今話題の映画を見終わって、「なにか次」を探しているならばこれを観れば良いと思う!

無職へのお布施

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