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個人的妊娠レポ

はじめに

2020年の年末に人生で初めて妊娠をしました。
計画してのことなので、それなりに心の準備はしていたつもりだったけれど、実際初めての妊婦生活は「それは事前に教えておいてほしかった……」「妊娠中ってこんなにトラブルが起こるものなの……」ということがあまりにも多すぎたので、せめて友人や知人には同じ轍を踏ませないためにも私の体験備忘録を兼ねて共有できることを記載していきたいと思います。

結構長いのでご興味があるところだけ読んでいただければと思います。

妊娠検査と妊婦検診の初診について

生理予定日から1週間が経過し、妊娠が疑われる場合にまずやるべきことは、市販の妊娠検査薬を使って自分で妊娠検査をすることです。
妊娠したなんて一大事なのだから医者に確認してもらいたくなりますが、たとえ妊娠が疑わしいからと産婦人科に駆け込んでも、市販の検査薬と検査精度は同じなので、予約の時点で自分で検査するよう言われるようです。

※妊娠の週数の数え方は最終生理開始日を妊娠0日としてカウントするので、生理周期が28日の人は妊娠検査薬の陽性が出た時点でいきなり妊娠5週目になります。

次にとるべき行動は、産婦人科に初診の予約を入れることなのですが、検査薬で陽性が出てすぐに行っても胎児(胎芽)の心音を確認できないので一般的に産婦人科に連絡すると妊娠7~10週で初診に来るよう言われます。

要するに妊娠がわかってから2週間程度は「正常な妊娠なのか」、「胎児はちゃんと成長しているのか」わからない状態が続くので、この期間はあまり精神衛生上よろしくないです。

上記のスケジュールに注意して無事初診をしてもらい、胎嚢と胎児の状態が正常であれば、やっと正常な妊娠をしていると確認ができます。
ちなみに初診の際は、最終月経開始日が重要なので記録しておいてください。

私の時は8週目で受診をし、ちゃんと胎児の心臓が動いているのを見せてもらったときは本当に安心して泣きそうになりました。
ついでにその際に初めてのエコー写真に写っている胎児が卵黄嚢という"黄身"につながっていたことに驚愕。
まだ胎盤ができていないうちは、人間も黄身から栄養を摂取していることをその時初めて知りました……

初診では、胎児のサイズを測ってもらい、出産予定日(特に何もなければ妊娠40週0日目)を確定してもらえるので、その診断結果をもって後日、役所や保健センター的なところに母子手帳をもらいに行ってください。

妊婦検診の費用について

妊婦検診について何より共有したいのは、妊婦検診や出産(分娩)はすべて健康保険適用外ということです。そのため初診は、自己負担1万円くらいを覚悟してお財布に現金を入れていってください。

ただ、その後の妊婦検診は健康保険適用外だから全額自己負担というわけではなく、母子手帳をもらう際に市区町村から診療補助券(1回5,000円程度の割引券)のセットがもらえるので、出産まで十数回ある妊婦検診で毎回高額な医療費を請求されるわけではありません。

ただ、補助券の補助額は行政によって異なることと、私の通っている病院のように検査を沢山してくれる病院は、補助券を使っても診察料が数千円になることがあるのでお財布の中身には注意が必要です。
検査・診療内容・他科との連携体制等は本当に重要なので自分に合った病院選びは慎重にしていただければと思います。

妊婦検診の内容と服装について

妊娠が正常に進んでいれば、出産までに約14回程度の妊婦検診があり、その内容は下記の通りです。
服装をミスると、下着丸出しで受診せねばならず自分が気まずい思いをするので服装の注意点は①~③を参照ください。

・体重測定:毎回
・尿検査:毎回
・血圧測定:毎回⇒ 
・各種血液検査:適宜⇒ 
・各種内診(初期のエコー、おりもの検査、子宮頚管長検査等):適宜⇒ 
・中期以降のエコー :中期以降毎回⇒ 
・問診
:毎回

―――
①腕をまくるので、厚手の長袖はNG。
②内診台での診療なので下半身脱ぎやすい服。
 スカートやワンピースだとノーパンでの待機時間も股を隠せて良い。
③下腹部から胸の下まで服をめくってエコーの機械を当てるので、
 上下セパレートの服かワンピース+レギンス的なものがおすすめ
―――

医師や看護師さんは毎日何十人もの女性の股や腹を見ているはずなので、妊婦一人の容姿・服装など何とも思ってはいないと思いますが、自分の尊厳のために服装は注意しましょう。
特にお腹が大きくなってきてから私がよくしていた服装は、ワンピース+マタニティレギンス or 丈長めトップス+リラックスパンツですが、いずれもおすすめです。

内診について、婦人科に普段から通っていたり、子宮頸がん検診等を受けていればわかるとは思いますが、内診はマジで遠慮容赦がありません。
私の主治医は男性ですが容赦なく股に機械やら指やらを突っ込んでくるので、過度な羞恥心は捨てることと痛みへの覚悟はキメていってください。
特に臨月に入ると子宮口の開き具合を確認するため等の理由で、指を3〜4本くらい突っ込まれて奥をグリグリされます。エコーの機械等と比べても明らかに痛いし結構な確率で出血するので、覚悟だけは持っていきましょう。

つわりの症状について

妊娠のトラブルで誰もが真っ先に思い浮かべるつわり(悪阻)ですが、諸先輩方に聞くと病院の点滴で何とか乗り切った重症の人から、ほぼ症状が無かった人まで本当に個人差が大きいようです。
私はほぼ教科書(母子手帳とかの記載)通りの症状・程度でしたが、一般解というわけでもないと思うので一つの参考までに。

一般的なつわりの症状

・食べ悪阻:口の中に何か入っていないと吐き気がする。
・吐き悪阻:空腹状況等に関係なく胃や胸がむかむかして吐き気がする。
・匂い悪阻:匂いに敏感になる。特定の匂いが不快になる。
・眠り悪阻:眠気が強くなる。
・よだれ悪阻:唾液が多く出る。口の中が気持ち悪い感じがする。
・その他:イライラする、頭痛がする 等

私は主に「食べ悪阻」と「匂い悪阻」の症状が現れ、その他の自覚症状はほぼありませんでしたが、正直この2つだけでも想像していたよりもずっとつらかったです。
具体的に、「食べ悪阻」に関しては、空腹感と関係なくとにかく何か口に含んでいないと吐き気が収まらない状況が起きている間中、ずーーーーっと続きます。(ドラマとかでよく見る「突然の『うっ(吐き気)』」とかは嘘だよ。常にずっと気持ち悪いよ。)

例えるなら朝起きてからずっと二日酔いという表現が近いと思うのですが、胃腸の機能が弱っているわけではないので二日酔いとはちょっと胃の感じも違うし、吐いても楽になるわけではなく、何度空の胃の中から胃酸を吐き出したことかわかりません……マジでしんどかった。

「匂い悪阻」に関しては、教科書的には快不快に関わらずあらゆる匂いに敏感になり、「ご飯の炊ける匂い」等が不快になることが多いので、「食べ物は冷まして食べましょう」等と指導を受けます。
他方、私は幸いなことに食べ物の匂いに関しては一部(昆布出汁や加熱した魚の匂い等)を除けば吐き気を感じるほど不快になることはなかったのですが、一部の洗剤類の香料がとにかくダメで、中でも当時使っていたボディソープの「ダブ」の匂いは嗅ぐたびに吐き気がするので、入浴後は高確率で吐きまくっていました。

つわりの症状は妊娠5週目頃から現れ始め、8〜12週目頃ピークを迎え、16週くらいにはだいたいの症状はおさまると言われていますが、臨月までずっと症状が続く人もいるそうなのでやはり個人差が大きいです。
私の場合、5週目頃から症状が現れ始め、8〜16週目頃まで実際に家で嘔吐しまくり、その後は嘔吐こそしないものの吐き気等の食べ悪阻の症状が続き、完全に症状が収まったのが21週目頃でした。
4ヶ月弱ずっと吐き気と戦っていたわけですが、吐き気の強度には波があり、不思議と会社で集中して仕事をしているときは(対策をしていれば)症状がマシだったので、なんだかんだ会社で吐くことは1回もありませんでした。(便器に向かってえずくことは何度もあったけど。)

また、少なくとも私の場合はつわりの期間が真冬だったこともあり、「寒さ」が症状に密接に関係していました。
我が家は諸般の事情で冬場は一般のご家庭よりやや寒いため、在宅勤務の日などは寒さにどんどんHPを削られ体調が悪くなり、自分のデスクで仕事ができるのは良くてお昼まで。午後は布団を被って仕事をしてました。
洗面所は特に寒いので、この期間ただでさえグロッキーな入浴後は肌の保湿等を全くする余裕がなく、化粧水を塗れれば良い方だったのでお肌がカサカサになった次第です……
「女性に冷えは天敵」というおばあちゃんの知恵袋的な言葉を、嫌というほど思い知らされました。

つわり対策について

本当に過酷なつわり期間でしたが、諸先輩方からのアドバイスやネット情報を元に私が実践した対策は下記のとおりです。

寝る
最強の対策はこれです。寝ている間は気持ち悪くないので休日等は、夫から引かれるくらいとにかく寝ていました。

電車の中は飴を舐める
食べ悪阻は口の中に何か物が入ってさえいればだいぶ吐き気がおさまります。そのため、吐き気を感じて一番まずいシチュエーションである片道1.5時間、3路線乗り換えの通勤電車の中では舐め終わるまで比較的に時間のかかる飴をポケットに入れて常に口の中が空にならないように舐めていました。

会社では昆布、梅を食べる
吐き気対策に口に放り込む物は飴が最強だったのですが、会社で一日中舐めるのはさすがに糖分・カロリーのとりすぎなので仕事中はカロリーの低いおしゃぶり昆布や干し梅、ねり梅で乗り切りました。私はちょっと受け付けなかったですがガムを噛めればそれがいいのかもしれないです。

食事は温かい物を食べる
一般的には匂い対策として冷たいもののほうが食べやすい方が多いと思いますが、私はつわりが真冬だったこともあり、冷たい物を胃が受け付けなかったのでサラダとかは避けてスープなどで乗り切りました。

ファストフードに頼る
つわり中の妊婦がハマるものランキングトップはなぜか「マックのポテト」らしいです。たしかに私もこれらがすごく食べやすかったのでマックデリバリーはじめ、各種ファストフードにはめちゃくちゃお世話になりました。

食べられるものを食べる
その他、私はお好み焼きやたこ焼き等の「粉もの」とスープストックトーキョーのカレーであれば、いつでも美味しく食べられることに気がついたので会社でのお昼ごはんはこれらをヘビーローテーションしてました。

ポカリのお湯割りで脱水対策
嘔吐を繰り返すと脱水になるので助産師さんから「ポカリを2倍に薄めて飲むといいよ」と教わりました。ただ、前述の通り私は冷たいものを胃が受け付けなかったのと、2倍でもまだ糖分を取り過ぎだと思っていたので、ポカリをお湯で3倍希釈にしたものを我が家では「ぬる(い)ポカリ」と呼んで自宅ではこればかり飲んでいました。

食事に関しては、私は幸い匂い悪阻を食べ物ではあまり発動しなかったので、どうしても食べられないものはあまりありませんでした。
加えて、夕食の準備は大概夫がしてくれたので基本的には昼食で上記の工夫をすることでなんとか乗り切ることができました。
他方、一般的な匂い悪阻では食べ物全般を受け付けなくなることが多いので私のケースはあまり参考にならないかもしれません。
私が諸先輩方から聞いた結果、つわり中も食べることができた食べ物で多かったのは、各種果物類(いちご、グレープフルーツ、すいか等)、トマト、マックのポテト等でした。つわりで辛いと思ったらこの辺をぜひお試しください。

それでも食べたものを全て吐いてしまったり、脱水がひどければ無理せず病院で点滴を打ってもらってください。

余談ですが、つわりとは別に私は数年前から「逆流性食道炎」という胃液が上がってきてゲップが増えたり、胸やけがする症状になやまされており、悪阻とのダブルパンチを食らっていました。
妊娠前であれば市販薬の「パンシロン」を飲めば収まったのですが、妊娠中はパンシロンの服用ができないので成分を確認した上で別の市販の胃薬を服用してみました。
あわよくばつわりにも効かないかなという私的にはちょっとした人体実験だったのですがその結果は、残念ながら逆流性食道炎にもつわりにも全く効きませんでした。(逆流性食道炎には効いていたのかもしれないけどつわりとの複合症状は楽にならなかった。)
後に主治医からも言われましたが、つわりは二日酔いや食あたりと異なり胃腸の機能低下が原因で症状が起こるわけではないので胃薬を飲んでも結局歯が立たないようです。
皆さんは悪阻に胃薬で対抗しようとするのは辞めましょう。

マタニティマークについて

行政によって異なるようですが、私は母子手帳をもらう際にセットでマタニティマークのキーホルダー(?)を1つもらいました。
もらえない行政もあるようですがAmazonでも数百円で購入可能ですし、たまごクラブとかを買うとついてきます。(私は買ってないですが)

マタニティマークについては妊婦の皆さんでも着用について賛否が分かれるところですが、私は断然見えるところへの着用をお勧めします

私の場合は妊娠初期の間、会社の同僚には妊娠を伝えていなかったためマタニティマークを付けずに満員電車で通勤をしていたのですが、安定期に入ってマタニティマークを付けて電車に乗ると3回に1度くらいは席を譲ってくださる心優しい方に巡り会えるようになりました。
つわりは本当にシンドイので妊娠初期からつけていればよかったなと大いに後悔していますし、妊娠中期以降、電車内で立って通勤リュックを前で抱えるのが辛くなったので席を譲ってくださった方には今でも感謝しています。

とはいえ、心優しい方の席譲り待ちのためにマークを付けるというより、私が感じた一番の効用は優先席に堂々と座ることができること。第二の効用は万一自分が往来で倒れた場合妊婦禁忌の薬を使われるリスクを下げることができることかなと思います。
私は妊娠中期以降は席を譲ってもらうのが申し訳なかったので、空いていれば積極的に優先席を使うようにしていました。

他方で、マタニティマークの負の側面として弱者として他人から舐められるというのは実際にちょっとあるかもしれません。
私も妊娠期間中に電車内で変な人から意味不明な言いがかりをつけられることはありました。
ただ、どうせお腹が大きくなれば見た目で妊婦だとバレるようになるのでマタニティマークのデメリットとしては気にしなくていいのではないかというのが私見です。

もう一つマタニティマークの負の側面でよく言われるのが「妊娠を望む人に対して負の感情を与える」というのがあり、私自身妊活中にマタニティマークを見て「いいなぁ」と独り言が口をついて出たのには自分でびっくりした経験があります。
でも、これは明らかに気遣いの方向性を間違えてマタニティマークの本来目的を見失ってますよね……。

以上ひっくるめて、着用のメリットがデメリットを大きく上回るというのが私一個人の意見です。みんなが生きやすい世の中の実現のためにも多くの妊婦さんに着用してほしいなと思っています。

マタニティファッションについて

マタニティファッションについて、最近は「着る時期の短いマタニティウェアは極力買わずに普通の服で乗り切る」というのが大きな潮流のようです。

私もマタニティウェアは極力買わずにほぼ手持ちの服で乗り切ったのですが、体形を目立たせない工夫については、雑誌「VERY」公式サイトのマタニティスナップページが大いに参考になりました。

ただ、マタニティウェアは極力買わないスタンスの中でも、なんだかんだ必要になった衣服関係は以下の通りです。

マタニティブラ(授乳ブラ兼用)
妊娠をすると胸がデカくなるため、妊娠前のブラはサイズが合わなくなったことに加え、つわりで下着の締め付けもつらいと感じるようになったので、私は妊娠初期の早々にノンワイヤーでカシュクールタイプのマタニティブラを買い、妊娠期間中は大変お世話になりました。
ただし、マタニティブラに関してはネット上にも要否について意見が分かれていて、普段からブラトップで外出するのが気にならないという方であればブラトップとかで十分だと思いますし、妊娠期間中は何か特別な機能が必要なわけでもないのでサイズが許せば手持ちのノンワイヤーブラ等で事足りるかと思います。

※妊娠のレポとはズレますが、残念ながらノンワイヤーカシュクールタイプのブラはすぐに左右にズレるので、産後は母乳パッドがよれてしまうストレスや就寝時の母乳漏れ事故等に耐えきれず結局ワイヤーの入った授乳ブラに買い換えました。

マタニティレギンス
お腹が目立つようになって以降、マタニティウェアを極力買わずに生活しようとするとワンピースを着る機会が増えます。妊娠前のタイツやスキニーデニムなどはウエストの締め付けが強く、着ることができなくなったので、マタニティレギンスを1着だけ買いました。
諸先輩方に聞いても、マタニティウェアとしてマタニティレギンスやマタニティデニムを買う人が多いようです。

骨盤ベルト
妊娠直前にぎっくり腰をやらかしており、妊娠初期から腰痛がひどかったため「トコちゃんベルト」という割と有名な骨盤ベルトを購入しました。
ぎっくり腰がよくなって以降も重くなってくる腹によって負担のかかる腰をサポートしてくれたのはもちろんのこと、胎児が逆子になった時(後述)と切迫早産になった時(後述)に担当の医師から「骨盤ベルトを締めるといいよ」と指導を受けたので、妊娠初期に買っておいてよかったもの第一位かもしれません。
産後も、出産で広がってしまった骨盤をぎゅっと締めるだけでだいぶ歩きやすく、楽になるのでぜひご購入をお勧めします。

※ただし私は産後にサイズが合わなくなり、ワコールの骨盤ベルトを買いなおしました。

マタニティパジャマ
自分の意志とは関係なく、出産に伴う入院時の持ち物に「前開きの丈の長いパジャマ」という指定があり、マタニティパジャマとして売られているもの2枚と、ユニクロのシャツワンピースタイプのパジャマを1枚購入しました。
マタニティパジャマとして売られているものは、胸の部分がスナップボタンになっていて、産後授乳をするときに片手でブチブチっと開けられるのが非常に重宝しました。
他方で、産後の産褥期はパジャマを着て過ごすことが多くなるので、宅配対応やコンビニに行くにも恥ずかしくない、ワンマイルウェアとして耐えうるデザインで統一すべきだったなというのが反省です。

産褥ショーツ

こちらも自分の意思とは関係なく、入院時の持ち物に記載があったので用意しました。実際は入院期間中の4日間しか使用しなかったので購入の際は安いものを最小枚数で大丈夫です。病院によっては支給されるところもあるようです。

高血圧との闘いについて

妊婦検診では毎回血圧を測りますが、それまで正常だった最高血圧の値が21週目でまず144mmHgを記録しました。これが「妊娠高血圧症候群」だとするとかかりつけの産婦人科では対応ができず、転院が必要となります。
医師にいわれるがままに自宅でも血圧を測って経過を観察していましたが、結局その次の検診では最高血圧は正常値に戻ったので事なきを得たかに思われました。
ところが、妊娠も終盤に差し掛かった34週目頃から徐々に最高血圧が120mmHg代後半、さらに130mmHg代とどんどん上がっていってしまう事態に陥ります。医師からの指導も自宅での血圧測定に加え「塩分を控えること」が加わり、今更転院になったらどうしようかと随分とやきもきさせられました。
結論としてはその後も出産後しばらく経過するまで、最高血圧140代と決して健康的な値ではなくなっていましたが血圧以外の値が正常で尿蛋白が上がらなかったため「妊娠高血圧症候群」と診断されることはなく、降圧剤を服用することで事足りそうだったので転院は免れることができました。

逆子について

本来は下にしているはずの胎児の頭が別の方向を向いていしまうのが逆子です。私は妊娠30週頃にそれまで頭が下だった胎児が逆子になっているといわれました。

イメージでは「逆子体操」等をする必要があるのかと思いましたが、最近ではそんな指導はされないらしく、私も「寝るときに右側を下にして」「補助的に骨盤ベルトをすると良い」とだけ言われ、次の検診では無事に逆子ではなくなっていました。

出産まで逆子が直らないと帝王切開になったりするのでならないに越したことはないのですが、胎児は意外と活発に動くので、あまり心配しすぎず医師の指示に従えばいいかと思います。

切迫早産について

私が妊娠中に陥った最大のピンチが切迫早産です。
妊娠22~36週に出産が起こることを「早産」(21週以前だと「流産」)といいますが、その一歩手前の状態が「切迫早産」です。胎児がまだ小さいのにお腹の張り(前駆陣痛)が頻繁に起こったり、子宮頚管長が短くなって、いつ陣痛が起こってもおかしくない状況になることを指します。

私の場合は妊娠31週目で、あまりにもお腹の張りが強く頻繁で、そのせいか胎動を感じにくくなったのが心配になって受診をしました。病院で内診を受けたところ、本来その時期であれば4cm程度あるはずの子宮頚管長が1.5cm程度しかなく、切迫早産の診断と自宅安静指示を受けました。

その時の胎児の推定体重は約1,600g。私のかかりつけの病院は産婦人科専門クリニックで新生児科がなかったため、体重が2,400gに満たない出産の場合は母子もしくは子どもだけが総合病院に救急搬送されると宣告されました。

前述の通り、当時も私は片道1.5時間の通勤をしていたので、産休を前に2週間仕事を休むことになりました。結局その後、一旦自宅安静指示は解けたのですが、実際の出勤はその後私物を取りに行った1回だけで産休に突入することになりました。

切迫早産中の対策

切迫早産の診断に伴い、受けた指示と取った対策は以下の通りです。

お腹の張り止め薬の服用
これが、本当にキツかったです
「お腹の張り止め薬」という響きだけ聞くとガスピタンみたいなものを連想しますが、実際に処方される薬は子宮の収縮を抑制する薬です。
私が最初に処方されたのは「リトドリン塩酸塩錠」というもので、実際にお腹の張りはだいぶましになりましたが、私は副作用が強く出てしまい「動悸・息切れ」がとにかくシンドイ。「自宅安静といいつつ在宅勤務ならできるのでは?」と思っていたのですが、布団で臥せっていても息切れがするので1週間強で薬を替えてもらう羽目になりました。
その後処方してもらったのが、「ダクチル錠」。こちらは目立った副作用もなく、その後もお世話になりました。ただ、眼圧が高い人などは服用できないらしいので医師とご相談ください。

自宅安静
切迫早産の診断前から、少し歩くだけでお腹が張ってしまう感覚がありました。また、そもそも薬の副作用がきつく、とても活動ができる状態ではなかったのでこの期間は必要最低限の活動以外は臥せっていました。
その期間の家事は夫に在宅勤務を増やしてもらい、昼も含めて食事を用意してもらうことで乗り切っています。
三食昼寝付きの一見優雅な生活ではあったのですが、極力立ち上がらない生活を送っていたため2週間程度で見事に体力が落ちてしまい、出産にあたり無痛分娩を選択する直接的な要因になってしまいました。

骨盤ベルトの着用
前述の通り、昼も夜も「トコちゃんベルト」を締めて生活していました。これに関しては効果があったのかは正直わかりません。

低出生体重児防止について

31週目で切迫早産の診断を受け、その後上記対策を取ってなんとか正産期の36週目までたどり着いたのですが、次の問題が胎児の体重でした。
上述していますが、私の通っていた病院は新生児科がないので、胎児が2,400gに満たないことがわかっている場合は別の病院に搬送されるといわれていました。
対して、我が子の体重は生育曲線の中に入ってはいるものの、底辺ギリギリをさまよっていたため、36週に入っても推定体重が2,200g程度。
結果として、36週に入っても医師からは「まだ産むな」と言われていたので、38週のエコーで推定体重が2,400gを確実に上回るまで、家事程度以上の活動は控えていました。
諸先輩方からは「子どもが生まれるといけなくなるから、産休に入ったら外食とか沢山するといいよ」と言われていたのですが、叶わないまま終わってしまいました。

頻尿&睡眠不足との闘い

急に下世話な話になりますが、妊娠が進むに従い、子宮にその他の内蔵が圧迫されるので膀胱の容量が著しく減少してほぼ皆が頻尿になります。(私は大丈夫でしたが痔になる人も沢山います。)
それ以外にもお腹が重くて寝返りをするのも一苦労になることからそもそもの睡眠が浅くなり、妊娠後期には夜中に頻繁に目が覚めてまとまった睡眠がとれなくなります。
産後の育児が始まると授乳でまとまった睡眠がとれなくなるのでその練習という説もありますが、やはり睡眠不足はシンドイので寝れるときに寝ておきましょう。

38週~陣痛前までの過ごし方

38週目の妊婦検診で胎児の推定体重が2,400gを超えていたので、ついに安静指示が解け、今度は医師から「とにかく歩け」と言われます。
そこまでの「歩くな」から一転して「とにかく歩け」に変わったので理不尽さを感じながらも、実際そのころには体力が大分なくなっていたので買い物を中心に極力歩くようにしていました。
一方で、いつ陣痛・破水が起こってもおかしくない時期なので、長時間の外出は控える必要がありこの頃は美容院に行くのすら、結構緊張しました。

無痛分娩による陣痛~出産について

出産体験談は手短にしたいと思いますが、私は無痛分娩(ただし計画分娩ではない)を選択して、分娩所要時間が約10時間半で出産しました。初産婦の平均分娩所要時間は24時間くらいらしいので、安産の部類に入るかと思います。
出産開始の兆候は破水・陣痛が先の場合もありますが、私の場合は出産前日の早朝5時頃に生理2日目くらいの出血(おしるし)からスタートしました。
その後午前中から、強めの前駆陣痛が始まり、一度病院に行ったものの引っ込んでしまったのでいったん帰宅し、16時くらいから再び周期的な陣痛が来たので19時頃入院しました。
ちなみに、陣痛のイメージがずっとつかなかったのですが、痛みの種類と場所からするとまさに「強い生理痛」という感じでした。陣痛が始まった最初の方は生理痛が周期的にくるイメージで、どんどん痛みが強くなりと間隔が短くなります。
私の場合、進みが早かったこともあり19時に入院した時点で子宮口が5cm程度開いており、既に痛みの最中は「いぎぃっっっったぃ >_<」と自然と声も出るし目も閉じてしまうレベルまでいっていました。
無痛分娩と言いつつ大人が泣きそうになる程度には痛いです(それどころじゃないので泣きませんが)。
その後、21時頃に背中から硬膜外麻酔を入れてもらい、1回の入れ直しを経て完全に麻酔が効いたのが23時頃。ほぼこの頃に子宮も全開大まで開いていましたが、麻酔のおかげで全然痛くありません。いざ分娩台に移動します。
この時はもう骨盤がガタガタなので歩行はできず、移動は車いす。分娩台に乗る時も体重を乗せようとしたら膝がカクーンと抜けてびっくりしました。
分娩台に座ってからはほとんど痛みを感じないのは良かったのですが、麻酔のせいか私は陣痛の継続時間が短かったため、ここにきてあまりお産が進まず陣痛促進剤を点滴してもらうことになりました。
また、麻酔がしっかり効きすぎていてあまり「いきみたい感覚」がなかったので、お腹の張りを示したセンサー(CTG)を見ながら助産師さんの指示に従って踏ん張ります。
最後は主治医に取り上げてもらい、分娩台に座ってから約2時間半で会陰切開も回避し無事に我が子と対面することができました。
ちなみに、分娩台に乗ってからは痛みもなくずっと冷静なので、自分のズタズタの股が縫合されている間も、生まれてきた我が子が諸々処置されているのを観察したりする余裕があります。
それでも一番びっくりしたのはカンガルーケアのため胸の上に我が子を乗せられ、「可愛いなー」とのほほんとしていたら助産師さんに乳首をギュッと絞られ母乳をだされたこと。「ラピュタは本当にあったんだ」の時のパズーみたいな顔で「母乳って本当に出るんだ」と驚愕しました。

産後について

出産(妊娠)の終了とともに育児が始まってしまうのでもはや産後は自分のことにかまけている暇はなくなりますが、出産に関連した自分の身体的な変化やその他のびっくりも結構あるので箇条書きでお伝えします。

  • 無痛分娩は偉大。もしできる環境があるのであれば課金する価値はあり。産後の体力や出産による身体のダメージが全然違う。

  • 出産育児一時金は42万入るけど、無痛分娩に課金してお盆シーズンに出産・入院していたら30万赤字になったよ(悲)

  • 会陰切開があろうがなかろうが出産後数日は股が痛くて円座クッションなしで座るのは無理。

  • 悪露は個人差があるものの引くほど血が出る。

  • 出産直後はホルモンバランスが一気に変わって顔の油がすごい。入院時はフェイスシート持って行った方がいい。

  • 骨盤が戻るまでカパカパする。

  • 無痛分娩だと体力の回復が早いが産褥期の無理は禁物。私は調子に乗っていたら悪露がぶり返しました。

  • 産後4か月ごろから髪の毛がすごい勢いで抜ける。

  • 抜けた髪が生えてくるとすべてアホ毛となり髪をまとめるのが超絶ハードになる。

  • 妊娠線グロすぎる。予防を頑張れるなら頑張ったほうがいいけど、予防に成功した人を聞いたことがない。

さいごに

ここまで延々と文字を連ねて妊娠から産後の苦労について「先に教えてよ」と思っていたことを書いてきましたが、最終的にお伝えしたいことは「妊娠って大変だから慎重にな」ではなく、「妊娠って大変だけど、こどもってメッチャいいぞ。産む気があるならチャンスは逃すな。」ということです。
子どもは要らないという方の参考にはならないかもしれませんが、今後子どもが欲しいと考えている読者の方がいればこの個人的な体験が一つの検討資料になれば幸いです。

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