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アニメ、ゲーム…Cool Japanも今ならでは?!

アメリカに暮らす日本人として、『Cool Japan』の恩恵を感じることもたびたび。日本のアニメ、マンガ、ゲーム、ファッションなどのポップカルチャー人気にリードされるように、日本人であること、ただそれだけが「Cool!」「いいね!」の対象であったりするようです。ここ最近だけを振り返ってみても、いったい何人の人に「日本に行くことは、Bucket list(死ぬまでにやりたいこと)のひとつなんだ」と言われたことでしょう。どうやらそのくらい、日本は人気のようなのです。

しかし、50代に突入したての、うちの旦那さんに言わせると、日本=Coolという考え自体がごく最近のことで、そして非常にうらやましいこととのこと。というのも、彼が子供だった頃は、日本人であること自体が、絶対的な少数派で「Cool!」どころか、日本人に対する差別用語である「ジャップ」という言葉を使わることもあったそうです。学校での子供同士のことなので、根深いものではなかったにしても、多かれ少なかれ人種差別の対象であり、イジメの対象だったようですね。彼の場合は、小柄な日本人の両親を持ちながら、どういう訳か、ひょろひょろと背が高かったことも幸いしたのか、身体的なイジメにおよぶことはなかったそうですが、心情的には、子供ながら、随分と理不尽な思いをしたこともあるようです。そんな経験があるだけに、彼の甥っ子や姪っ子(日本とフィリピンのハーフ)に、アニメ友達がいたり、日本へ行ったことが、学校仲間の間でもちょっとしたステイタスになっている様子に、「日本人である」ということ自体が随分と変わったものだ、としみじみと感じるみたいですね。

さて、私のnoteにも時々登場する、タコ好きの同僚くん。実は、高校生の時に交換留学生として、大阪の高校で過ごしたことがあるそうです。元々なのか、その経験が影響してなのか、今でも日本のアニメ、ゲーム、そして食べ物が大好き。ジブリ映画も大好き。私は「アニメは見ない」と言っているのに、「〇〇ってアニメ知っている?」「昨日✕✕っていうアニメを見たんだけどさぁ」と熱心に語ってくれます。時には、動画のリンクも送ってくれます(笑)。180㎝を超える長身で体格も良く、ひげ面で、体中入れ墨満載。本人も、自分の見た目のコワさは承知済み。にもかかわらず、アニメが好きで、カワイイキャラが好きで、猫のカワイイ動画を見て「Aww…(あぁ)♡」なんて反応しちゃう、見た目と中身のギャップがとにかくでかい、ちょっと変わったアメリカ人。まぁ、彼に言わせれば、私は変わった日本人らしいですが(笑)。

でも何を隠そう、私は、この彼から「鬼滅の刃」を知りました。しかも、日本でヒットする随分前に。ある朝、例のごとく「昨日、たまたま『Kimetsu-no-Yaiba』っていうアニメを見てね。絵がかわいいし、これは面白そう、と思って見始めたんだけど、家族が鬼に食べられて、そこからすごいダークな感じでさぁ」と、いつもの調子。その時点で、私は「キメツノヤイバ」というタイトルも聞いたことがなければ、元来、アニメ自体に興味があるわけではないので、「うんうんふーん」ってな具合に聞き流していたのです。ところが、それから間もなくして、日本の情報サイトやらニュースサイトやらで「鬼滅の刃」という文字を、毎日のように見るようになったのです。あれぇ、なんか聞いたことあるなぁ、から始まり、彼にもう一度聞いたところ、まさにそれこそ、彼が熱く語っていた「Kimetsu-no-Yaiba」だったのです。ちなみに、普段はアニメは見ない私ですが、あまりにもその人気がすごそうなので、これはブームに乗らねばと、ちゃっかりしっかり見てしまいました。面白かった!

また別の同僚くんで、ゲーム&NARUTO&スシ好きの彼には、日本人のオンラインゲーム仲間がいるそうで、そこから日本への興味が膨らんで、日本に関するYoutube動画を見たりもしているようです。「昨日、こんなの見て、こんなこと言っていたんだけど、それって本当なの?」なんていう風に、事実確認をされることがあります。身近なところにいる英語で話せる日本人として、重宝されているようですね。でも、この彼、日本食が好きという割には、ラーメンを食べたことがないと。ラーメン話で盛り上がったある日、「ラーメン食べてみてー。何なのか知らないけど、あの、ラーメンに乗っている渦巻のヤツとか、絶対うまいっしょ!」と言うので、「それはナルトだよ」と教えてあげたら、「あー、だからNARUTOには渦巻マークがついてるんだ!なるほど!」と大興奮。私は、NARUTOの渦巻マークのことは知りませんでしたが、どうやら、そういうことのようですね。お互いに、少しだけ賢くなった「へぇー」の瞬間でした。

そうそう、とっても真面目なアメリカ人の新人くんに続いて、最近仲間入りした、とっても忠実なベトナム人の新人くん。今朝、ドラゴンボールファンだって言っていました。アニメ好きの姪っ子ちゃんは、そのおかげで日本語がペラペラなのだとか。この記事を書き始めていた私としては「キターーー!」って感じでしたね(笑)。

私は、ジブリ映画は大好きですが、ドラゴンボールもナルトもワンピースも見たことがありません。ドラえもんをはじめ、子供の頃にはいろいろと見ていましたが、Cool Japanを牽引することとなった、最近のアニメやマンガ、ファッションにも、とんと疎い。それでも「日本人です」と言った時点での印象が無条件に良いことには、Cool Japanサマサマ。ありがたや~。お返しにできることという訳でもありませんが、なんとなく存在する日本人への期待に背かないように振る舞いたいな、とは思っています。私がここで毎日を正直に生きていくことで、どこかで、何らかの形で、誰かと日本とをつなぐお手伝いになったらいいなぁ、なんて思うのです。


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