階段の途中の踊り場
ちょっと小休止のつもりでいたら
ずっとずっと足踏みで
脇を
「お先にぃ」
との声も発せず
次から次へと　すり抜け上がっていく奴ら

あれれ
と
ぼくは思いながらも　踊り場で足踏み
「おまえは塩漬けだよ
　　　　　　　　　　ここで飼い殺しだ」
そんなことをいう人がいた

ぼくはまだ４０ですよ
いくらなんでも…早くないかい！？

何度もそうと言われたわけではない
けれど
結果的にそれは当たっていた
他人はよく見てるもんだ

どんなにユルい　甘い組織とはいえ
自分で階段を駆け上がっていこうとしない輩に
親切に手を差し伸べてくれる人は　ない

それでいながらの
生来のナマケ者
指示を待つばかりだった　この身
やっぱり塩漬け　飼い殺しがふさわしい
そんな人生

いやいや　いやいや
こうしてまだ　両手両足そろい
今はまた　別の踊り場で
足踏み　カラ足踏む毎日だ
それはそれで
元気にやっているではないか
塩漬け飼い殺しの先にも
ぼくは生きている