暗い　とはいえ　うすら明るい
照明が消えた昼のオフィス
外から入る光で書類は読めないが人の影形はわかる明るさ

そんな中で１組の男と女が
まぐわう

誰もいない　誰も来ないことを確信し　２人はまぐわっている

人間である　彼らは人間である

人はいない　人は来ない
とはいえ　就業時間中のオフィス
本当に誰も来ないとは言い切れない
ひょっとしたら　誰か来るかも…
そんなスリルが
彼らを人間でなくす

一つの空間にいる
ただの　牡オス猫　牝メス猫

服は完全には脱がない
下だけを下ろす牡
下をずり上げる牝
机の上を台にして
まぐわう
机に手をつく牝猫
後ろから抱きつき　一体となる牡猫

うす暗い　ほの明るい中
２匹の猫の空気は濃く　深くなっていく

絶頂
まぐわいには欠かせない絶頂

その時
カチャリとドアが開き
「人」が入ってきた
頂の上から２匹は転げ落ちていく