■詩人といえば、この方ともいえる
「詩集」を読んで (23) 不定期刊
◇和合亮一 「詩の礫」 徳間書店 2011年6月刊
◇詩・和合亮一 「十万光年の詩(うた)」
写真・佐々木隆 佼成出版社 2020年3月刊
内容
ぼくの感想 2冊まとめて
11年前の東日本大震災直後の3月16日から5月25日まで、ツイッターでつぶやき続けた行為を「詩の礫(つぶて)」と名付けて、フォロワーに励まされながら書きつづった記録である。
「放射能が降っています。静かな夜です…」――繰り返してつぶやく、このフレーズが巨大災害に向き合う詩人の心情を代表している。
何度も続く余震が、馬の群れが地下を走るようだ、などという形容。それが当時の人々の気持ちを揺さぶりもしたのだろう。
当時のぼくは詩にまったく興味がなかったが、この詩人はよくマスコミでも報じられていたので、存在は知っていた。
それから9年余りたって発行された「十万光年の詩」…どこかで聞いたことのあるようなタイトル(二十億光年の孤独=谷川俊太郎)ではあるが、それとは違い、強い印象を残す詩はない。
福島の高校の先生が書きつづる詩なので、教科書に載っていてもおかしくないような、ちょっときれいな詩が多いのである。
以前も、何冊かパラパラとこの方の詩集は読んだが、やはり強い印象はなかった。
30歳そこそこで、中原中也賞を受けるほどの詩人だが、どうも行儀のよい詩が多いと感じるのだ。
「詩の礫」については、震災発生直後にそれを詩で表現、現場の状況を発信したのはそれはそれで立派なことだろう。
しかし、それを11年たった今読んでどう思うか。
ぼく自身は、それほど揺さぶられるものは感じなかったというのが正直な感想である。
和合先生、(ご本人が作成していたか確認できないが)こちらのnoteでも、以前は作品発表していたようだが、この2年は書き込みがない。ツイッター、公式HPに軸足を移しているようだ。
noteの世界では、それほど人気がなかったのだろうか。
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