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チーム香典返し。

そのチームが結成されたのは2002年初頭。
わたしが大学生の頃のこと。
すげぇな、もう20年も前だ。

祖父が急逝して(と言っても78歳なので、めちゃくちゃ早いわけでもないけど)香典返しのあれやこれやの包装やらを帰省中で暇だったわたしが手伝っていたのだ。

そんなの業者に頼めばいいじゃん。ってね。
いや、というのも、わたしの母の実家は住宅設備機器や建築資材、あとは生活用品などを販売するお店を営んでいて業者側の立場なんですね。
香典返しの商品をその店で手配し発送までを対応する作業。
大きい会社ではないので従業員の母やおばや実務に関わっていなかった祖母がその仕事を担うことになるわけなんだけど、要はその下請け的な。
確か無給だったので完全な暇つぶしのボランティアだった。

包む、挨拶状を封入する、送り状を書く、消し込みをする…などを淡々とこなしていくわけだ。

その当時あれやこれやと祖母と話しながら作業をした記憶はある。
祖父との馴れ初めとか、今後再婚しないの?とか(笑)
チーム香典返しとして、ひっそりとそして割とわたしの中では強固な絆を築いていったのだ。

実際わたしは祖父母に可愛がられていたのではないかと思う。
ひとりっ子だから親について親戚の集まりなどに行くことも多かったし、遠慮がないフレンドリータイプの孫だったこともあったので、祖父母の家に泊まりに行くことも多かった。
その時に夜な夜な家族で花札に興じたり。
祖母とふたりで軍艦島ツアーに行ったりもした。

祖母という人は…
例えば旅行に行った時、お土産を買うのにめちゃくちゃ熱い人だった。
サービスエリアで休憩した日にゃ「ちょっと途中でみんなで食べたらいいと思って」とか言って、必ず両手にビニール袋を下げて戻ってくる。
片付けが苦手。
自転車に乗ろうとすると必ず怪我をする。
謎の通販であれやこれや買いがち。
ゴーヤチャンプルが美味い。それ以外はイマイチ。(わたしの母にとっての祖母の思い出の味は「ちくわにきゅうりを詰めたやつ」らしい。)
働きマン属性。
好奇心旺盛の学び好き。
などなど。

自転車と料理のところ以外は完全に受け継いでおるやないかー。
若い頃は「やれやれ。おばあちゃん、また買ってるよ…」と思ってたんだけど、気付いたらわたしが「みんなで食べようと思って」とお菓子配りおばさんになっている。

血は受け継いでものである。
本当に。

高齢になってもフラダンスの教室に通って、老人ホームの慰問なんかに行っていた祖母。
慰問される方ちゃうんかい。
85歳オーバーで高齢者大学でのガチ登山ハイキングに行こうとして全力で娘たちに止められた祖母。

好奇心と仕事を愛する心と博愛の心に満ちていた祖母。

先日、チーム香典返しは残念ながら解散となってしまった。
コロナ禍になって、県外の人と接触した人は介護施設で預かれないとのことだったので、わたしはここ5年ぐらいまともに会うことは叶わなかった。
でも、なんだかんだチーム香典返しとしてわたしと祖母の絆はしっかりと繋がっていたと思うし、あまり後悔はない。
やれることはやってたし。
旅立ちのときに間に合わなかったけど、それも大した問題ではない気がして。

「また会える」とわたしの仲良しの魔女が言ってたから、また会えるね。

またね、アサさん。

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