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あああ・・「反り腰」の考え方がおかしいpart② 腰の反りと体形やスタイルの関係

現在の正しい腰の在り方の例で、垂直の壁を背にして、カカトとお尻と背中と後頭部を壁につけて立つ。その時に、腰の部分に手の平が1枚入る程度の隙間が空くように立つことが良いとされる。つまり、腰の部分にそれ以上の隙間があると「反り腰」ということになる。
これを実際にやってみて、おかしいと思う人はいないのだろうか。

確かに、平均して30代以上で体形はスリムとは言えない人が壁を背に立ったならば、手の平1枚程度の空間は何の問題も感じることはないであろう。それは本来あるべき腰の反りが無くなっているからである。
しかし、体形をスリムに維持している人で、若ければ若いほど。もしくは、何歳になっても体形がまったく変わらない人ならば、壁を背に立つと自然に腕が入っても余裕があるほどの空間が空くはずである。
空間が大くなる人が手の平1枚の空間になるまで狭めるには、お尻が落ちるような動きをして顔が前に出るような体の変化をさせなければならない。その状態で仮に壁が無くなったら後ろに倒れてしまうと感じるバランスになっているはずである。
体に無駄な力やごまかしの動きをしない限り立てないのである。

反対に、腰に反りが無くなった人が正常な反りを作ろうとすると、腰の根もとの筋肉が痛いくらいに使われる。その無理をした感覚が腰痛の原因になると勘違いしている人が多いように思う。
その為腰を反らすことを危険なこととしてしまう。
学問的な事実は追いやられてしまうのだ。

実際は腰に反りがない状態の人が頻繁に腰痛を発生させていることに気づければ、腰痛は減るであろう。
図を見てもらえばわかる通り、35年前の「反り腰」では、腰の弧を描く反りが無くなることで、背骨全体の湾曲が無くなってしまうのだ。文字通り、真直ぐの背骨になるのである。

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しかし忘れてはならないのは、正常な背骨には腰は反り、背中は丸くなり、首は再び反る。S字状の湾曲が存在している前後に曲がっている背骨が真直ぐな背骨である。

この背骨の反りは意外と大きな反りまで許容されている。
図に示すが、仙骨の積まれる平らな面のラインと一番上の腰椎の平らな面のラインを延長して、交わった角度が35度から45度まであっても正常とされる。ちなみに図の背骨はこの角度が35度で最低限の腰の湾曲ということである。あと10度分反る湾曲が足されてもなんの問題ない。

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つまり、私たちが見慣れている背骨の図のほとんどは最低限の湾曲で、世の中にはもっと大きな湾曲の人がたくさん居るといいうことである。

この背骨の湾曲が実際の体にあるとどうなるかを確認してみる。

背骨というのは誰でも、背中の表面から手で触ることができる。
ということは背骨の湾曲というのは、横から見た時の体の後ろ側のラインになる。
男性にしても女性にしても、とてもスタイルの良い人の特徴は腰から背中にかけての反りにある。
ここが反っているから男性なら胸板の厚みが強調されウエストのクビレによって逆三角形になる。女性なら胸が上がって見えて、お尻がクイッと上がるように見えて脚も長く見えるようになる。

通常、理想の骨格だった時、横から見た時に背骨の湾曲の反りによってどれくらいの段差ができるか考えてみる。


下の図のように背骨の腰が反っていて、背中や仙骨の一番後ろに出たライン(緑線)と、腰の一番反ったライン(前の青線)の差が約5㎝とする。通常はもっと大きな差の方もいるだろう。お尻は大きな筋肉があるため、骨盤の骨の一番後ろのラインから5㎝程度後ろに出っ張る(後ろの青線)。
つまり、一番反って前の位置と、お尻の一番後ろの部分の差は5㎝+5㎝で10㎝の前後差が生まれる。
横から見て、ヒップとウエストの差がこれだけある人のスタイルは男性でも女性でもとても美しい体形になる。

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ちなみに前の話に戻るが、このスタイルの人が壁を背にして立つと、腰のところに10㎝の空間が空く。
女性ならば腕が2本入っても余裕があるであろう。

現代人の基準からすれば、完璧に「反り腰」である。しかし、こうした身体の状態の方が美しいだけでなく、本当の骨格の体である。

本来、腰の反りというのは大切なものである。

世の中から、素敵な人が消えてゆかないことを祈る。

ああ、ボヤキが止まらない。

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