或る日の記憶と記述されたもの
内側から輪郭を破ろうとする異常なまでの寂寥に身を任せて、揺らぐ拍動と共に心の中に抱えている貴方の姿を輪郭の外側に開示する。どう考えても貴方と呼ぶにふさわしい。女性の姿形をしていて、私をこうして存在させる神のようでも、虚無へと手招く悪魔のようでもある。
眠れない夜と飛び交う怒号に。
それがどのような経験であったか、その心象をもう何も覚えてはいないが、何故か細部はありありと思い出せる。正しいものへの信頼感の喪失。人は過ちを犯し、粉々に砕けたガラスのようなそれはしか