とある話「機械は機械」

ある時代、ある国境でアルファ国とベータ国が戦争をしていた。
前線ではアルファ国が銃を、1人につき1丁で計100人が、計100丁持っている。
 
部隊は、銃を紛失したり、無断で兵士が持ち出したり、そんな時のために、銃に発信機を取り付け、撃っていた。
いきなり、アルファ国の部隊から雄叫びが聞こえた。
 
「うぉー!ベータ国の銃を獲ったどー!!」
ベータ国は慌てた。
「銃を獲られた者は、誰だ!?」
 
しかし、誰も名乗り出ない。銃用の発信機は、きちんと100ヵ所で反応している。
異状がない。
現に、アルファ国の兵士は、ベータ国の銃を持っていた。
ベータ国はパニックになり、部隊は壊滅。その勢いで、戦争に負けた。
 
一ケ月後、報告書が上がった。
銃は、本当は101丁あった。
しかし、銃の発信機は、100丁にしか付いていなかった。
つまり、1丁に発信機は付いていなかった。
輸送する時の数量確認は、発信機の反応で行っていた。
だから、100丁と思い込んでいた。
更に、運が悪いことに、1人1丁を手に取った時、発信機がない銃が、最後の最後まで残り、武器庫の隅に隠れて、誰も気付かなかった。
そして、それを獲られた。
 
という調査結果だった。
 
どんなに高性能・最先端機器でも使うのは人間だ。
機械を過信するな。
機械は所詮、機械でしかない。
 

※iPhoneの地図検索で指示通りに進んだ結果、15分遅刻したことがあります。

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