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中南米ラテン音楽#1 哀愁漂う音楽とダンスに魅せられて【村上龍とキューバ音楽】

今回は、ラテン音楽の虜になったルーツを辿る記録です。
約四半世紀前、一冊の小説との出会いでした。
『限りなく透明に近いブルー』『コインロッカー・ベイビーズ』『イビサ』など、セックスとドラッグの話でカタルシスを感じる村上龍には珍しい純愛小説。


村上龍 『Kyoko』

日本からニューヨーク、
アメリカ東海岸を縦断しマイアミへ
そして「音楽とダンスの国」キューバへ

12年前、基地の街で育った8歳のキョウコにダンスを教えたGIでダンサーのホセ。
自分にとって一番大切なものを教えてくれた彼に会うため、キョウコはアメリカへと飛び立った。
想像を遥かに越えた旅の中で、移民や亡命者やエイズ患者やゲイの間を、彼女は風のように通り過ぎていく。

(ホームページより)



とにかく、村上龍さんのキューバ音楽への愛が溢れている!
どんどん引き込まれていき、最後は涙がこぼれ落ちました。
サントラCDが発売されましたが、残念ながら廃盤になってしまったようです。

1995年に小説が出版され、翌年に村上龍監督、高岡早紀主演で映画化。
音楽と踊りを楽しみに映画を観ましたが、正直なところ映画より小説の方が良い。想像力を掻き立てられます。
当時、東京では恵比寿ガーデンプレイスのガーデンシネマでロングラン上映も。
高岡早紀さん、初々しくて可愛らしい!
クラッシックバレエの経験者だけあり、所作が美しい。
いや、キューバの「土着的な踊り」を表現するには綺麗すぎたのかもしれないですね。
サルサ、ルンバ、チャチャチャ、ソン、マンボ、メレンゲなどのキューバンダンスも楽しめます。


キューバ音楽

メランコリーなメロディーと軽やかなリズム。
当時、村上龍さんはキューバ音楽に魅了され、自身で「Murakami's レーベル」を作り、プロデュースも手掛けていました。
度々アーティストを日本に招聘してコンサートを行ない、時には自宅にまで招きもてなしていたようですね。

・村上龍プロデュースのアーティストとアルバム

・映画『Kyoko』サウンドトラック
・NG LA BANDA (エネへ・ラ・バンダ)
・LOS VAN VAN (ロス・バン・バン)
・Tony Cala(トニー・カラ)
・Xiomara Laugart(シオマラ・ラウガー)
・Tania Pantoja(タニア・パントーハ)
・Lazaro Valdes(ラサロ・バルデス)ーカンブリア宮殿のエンディングテーマ曲
などなど

Murakami'sレーベルのCD 他
キューバ音楽の魅力を存分に楽しめます


私もこの小説の影響で、哀愁漂うキューバ音楽に魅せられ、サントラの他にもアルバムを収集し、映画関連の本も貪るように読み尽くしました。
村上龍の世界観とキューバ音楽の魅力を存分に堪能できます。

これらのキューバ音楽の魅力について、いつか書き残したいと思っていたので、また機会があれば、もう少し深掘りして書いてみたいと思います。
四半世紀以上前のため、YouTubeなどに音源があまり無く、皆さんに紹介できないのが残念ですが、探してみて追加で掲載するかもしれません。
もし興味があれば、CDなど入手してみてくださいね。


・2023年夏

1969年に結成し世代交代しながら50年以上第一線で活躍してきた「LOS VAN VAN」。
創設者フアン・フォルメルの息子で天才ドラマーのサムエル・フォルメルが中心となった、『新生・LOS VAN VAN』が昨年来日!
インスティトュト・セルバンテス東京で行われたイベントに参加してきました。
時空を超えて再び感動を。

キューバ音楽のリズムのレクチャー




世界的に有名な伝説のバンド

その他にキューバ音楽と言えば、世界的に大ヒットした
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
1997年アルバム発売、1999年にはドキュメンタリー映画が制作されました。

*Murakami'sレーベルではありません


真冬ではありますが、ラテンの風を少しでも伝えられたら嬉しいです。
中南米のラテン音楽、愛してやまないアストル・ピアソラなども、またの機会に紹介したいと思います。

読んでいただきありがとうございました。


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