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明日は我が身

教職員のメンタルヘルスの課題は深刻だ。
年々増加する傾向で、減少する兆しは見えない。

私の身近でも休職者は珍しくない。
ある日急に出勤できなくなった人もいれば、以前から気にしていた職員がいよいよ……ということもある。いずれにしても明日は我が身だと思う。他人事だとはとても思えない。
というのも、この仕事においてメンタルヘルス悪化の要因が多すぎるのだ。


メンタルヘルスに関わる要因

①長時間労働

言わずと知れた長時間労働問題は、近年社会に周知されつつある。
しかしながら、特に部活動を受け持っている教職員にとって残業時間45時間・80時間のラインは簡単に越える。部活動の今後もどうなるのか、いまいち見えない。
「定時退庁」を促す管理職も中にはいるが、その日定時に帰ったとしても仕事は家庭でするか翌日以降に持ち越されるだけなので、何の解決にもなっていない。


②人手の少なさ

長時間労働の裏側には深刻な人員不足がある。
定数ですらギリギリの人数なのに、年度初めから職員数が揃わない学校もある。
長時間労働+人員不足というデススパイラルで、出勤している職員も疲弊していく。


③仕事の多様さ

授業や部活動指導、生徒指導、校務分掌、生活指導など「先生」の仕事には様々な役割がある。
最近では指導において個に応じた対応が求められている。指導方法も成績処理も、十分な配慮が求められる。
細かな所では、保護者や関係機関との連絡、校内での情報共有、記録や報告書の作成・提出、教材準備・研究、学年費や教材の支出管理や発注等、ありとあらゆる業務の遂行能力が求められている。


④代替の難しさ

先述したように、仕事が多様かつ人員不足なため、一人あたりが背負う仕事量が多いだけでなく共有化が計りにくい。
○○先生しか知らない、という事態が割と普通に起こる。
平日休暇をとらない職員の理由は「引き継ぎの準備が大変」「替わりをお願いする心因的負担」「残る職員の負担が大きい」ことが挙げられる。


⑤過度な期待・責任の大きさ

教職神話も崩壊の時代だが、教職公務員としての責任の重さは変わらない。
指導者たるもの失敗してはならない。というプレッシャーをもつ職員もいる。
子どもたちの将来のため、私の立場だと健康と安全の保証のために努力はしているものの、確実な成果や保障はできない。
そこが仕事の面白さでもあるところだが、校内や地域、保護者、子どもから求められるハードルが現実よりも高すぎると、何もできなくなる。


⑥評価の曖昧さ

そんな環境の中、多くの教職員は毎日懸命に働いている。日々の子どものちょっとした成長の姿や、感謝や労いの言葉、笑いが起こる瞬間に癒され励まされ働いている。
子どもの成長が自身の力量でもあるものの、100%関与はしていない。変化が今起きたことだとしても、今までの積み重ねがあったのかもしれないし、関わっている人もたくさんいる。
もちろん子ども自身の努力もある。

1年間/卒業の目指す姿はあるものの、子どもが目指したいもの・保護者が目指してほしいもの・教職員が身につけてほしいもの・管理職が求めるものはそれぞれ違う。
それがわかっていないと、表面的な意見に振り回されてしまう。


⑦個人の資質(真面目さ・勤勉さ)

不祥事がニュースになるが、逆にいえば話題になるくらい教員は真面目な人が多い。
最近の若手を見ていても言われたことを素直に受け取り、残業も休日出勤も厭わないくらいに仕事をする。
真面目さは信頼に繋がる長所だが、楽しそうに見えないのに突き詰めて取り組んでいる人は、見ていて心配になる。



想定より長文になったので、次回はそんな環境で自分を守るためにしていることを記事にします。

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