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娘の会話力、母の会話力

娘の高校留学を機に、メルボルンに移住して10カ月と2週が過ぎました。何げない日常で、娘の成長を感じています。


できるようで、なかなかできない。たわいのない話

ある日の夕方、学校帰りの娘と待ち合わせして、近所のスーパーに買い物に行きました。

帰り道、たわいのない話をしていると、向こうから私に手を振ってくる女性がいます。逆光だったので、顔はよく見えなかったのですが、明らかに私に手を振っている……。
わかりました、彼女は、私がボランティア活動をしているショップのスタッフ、AMANDAです。
「あらー、MADOKA、買い物?」
「うん、夕食の材料を買いに来たの」
「私は、そこのパブでヨガ教室のメンバーとごはんするのよ」
「そうなの、いいわね」

オーストラリアで有名なスーパー『コールズ』

……、以上。
どうしましょう、会話が続きません。不意打ちをくらった感覚で、次の言葉がでてこないのです。しばし沈黙があり、気まずい空気が流れそうな瞬間、彼女のほうから救いの手を差し伸べてくれました。

娘の成長を近くで感じることこそが、移住の醍醐味


「お嬢さん、学校は楽しい?」
そうです、そうです、彼女の息子さんは、娘と同じ学校でした。昨年の冬に卒業して、今年から大学生になっているはず。

ふたりの滑らかな会話が続いています。留学して1年も経っていませんが、私よりもはるかにうまい英語。

信号を待っている間のできごとでしたから、時間にすれば5分ぐらいでしょうか。ほんのわずかな時間でしたが、長く感じました。

「AMANDAと会ったとき、気まずい顔してたよ」。娘がぽつりと言いました。
「だって、何を話していいのか、わからなくてさ」
「だね、気持ちわかるわー」。娘はくすっと笑っていました。

私なりに、コツコツ続けている英語学習ですが、娘のようにぐんと伸びるほど頭はもう柔らかくありません。
覚えた単語や言いまわしも、数日経つとすっかり抜けていることもままあります。

ただ、娘が自然に英語を話している姿を近く見られたことが、嬉しい。
メルボルン に移住して、やはりよかったと思っています。

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