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失敗することは、悪いもんじゃない。

みなさまにご報告です、ようやく電気、ガス、水道、お湯が開通いたしました! ライフラインがこんなにも大変になるとは予想もしませんでしたが、この1週間、苦手な電話をかけ続け、少しずつ、少しずつ解決の糸口を見つけました。細かく話すと、10話ぐらいになりそうなので、ダイジェストでお話します。

まずは大苦戦の極み、電気からお話しします。部屋のブレーカーをONにしても一向につかず、挙げ句の果てに不動産屋から「電気会社を変えてみよう」と打診され、クーリングオフ期間だったのでORGINという電力会社に変更しました。ORIGINは「明日には電気がとおるからブレーカーをONにしてくださいね」と言わました。

翌日、晴れやかな気分で新居に行くとまたしてもつかない。あー、またもやループ……。このくだりはもう先週から何十回もしています。娘も完全に萎えており、もうつかないのが当たり前と感じているようです。私は怒りの抗議をORGINにすると、「そんなことはない。あなたの部屋は電気が通っている」と一点張り。

原因は、メーター番号のミス


そんな折、日本で仕事をご一緒していた方が私の先週のnoteを読んでいて「もし、困っているなら私の知り合いでメルボルン在住の方がいますから、つなぎましょうか?」と救いの連絡が入りました。さっそくその方とコンタクトをとり事情を説明してORIGINに連絡をとってもらうと、予想もしない回答がありました。

「あなたのメーター番号が違うから、電気がつかないのです。いま登録されている番号は隣の部屋のものです」

えっ、どういう話? メーター番号って何? さっそく管理会社のおじさん(ここでは、ボブとします)に連絡をし、問いただしてみると「おっ、申し訳ない。隣の部屋を伝えていた。お前の番号は・・・・だ」。そんな単純ミスでこんなにも苦労していたなんて……、不安が募り、夜中に目が覚めてしまう日々を送っていたなんて……。

ORIGINに正しいメーター番号をメールで伝え、翌日に新居に行ってみました。いつものようにブレーカーをONにしてみると……、電気はまたもやつきません。

もう何が起こっているのでしょうか、私がいったい何をしたのでしょうか? もう怒りというよりも、悲しみのほうが大きくなりました。申し訳ないと思いつつもメルボルン在住の方に連絡をして、再度ORIGINに確認をしてもらうと、さらにミスが発覚。

「メーター番号だけでなはなく、もうひとつの番号も間違っています」。

このもうひとつの番号というのは、National Meterring Identifier(略してNMI)で、オーストラリアすべての電力ネットワーク接続ポイントを識別するために使用される11桁の番号です。この番号はひとつの世帯ごとに割り当てられ、この番号が正しくないと絶対に電気はつきません。


そもそも私、電気に詳しくないですし、電気に詳しくなろうなんて1ミリも思っていませんが、これだけトラブルが重なると調べたくなくても、知りたくなくても知識が増えてしまいます。

ORIGINによると、この番号は管理会社が知っているというので、さっそくボブにNMI番号を尋ねてみました。すると、彼は「そんなの知るわけないだろ。俺は12年このアパートの管理をしているけど、こんな状況になったことは一度もないぞ。お前もホントに気の毒だ、こうなったら、オンブズマンに連絡して助けを求めるべきだ!」と言い放ちました。

もう、管理会社もお手上げ、私もお手上げ。

次の日、通訳者を介してORIGINに電話をかけました。管理会社はNMI番号がわからない旨を伝えると、「あなたのNMI番号がわかりました」と回答を一転。あまりの急展開に納得できず、事情を聞いてみると「正しいメーター番号を入力したら、NMI番号がわかった」というのです。つまり、NMI番号は電力会社で把握できたということ。

翌日、娘と一緒に新居に行きブレーカーをONにすると、部屋全体が明るくなりました。嬉しい気持ちもありましたが、それ以上に私は疲れ過ぎていました。何でこんなにも時間がかかってしまったんだと、腑に落ちない気分。でも、ここでくだを巻いても意味がないので、気持ちを切り替えました。

まさかのインキーで緊急事態発生


ようやくライフラインが整ったところで、今朝、新居に行って片付けをしました。すると、またしてもさらなる悲劇が襲いました。しかも、自分で招いてしまったのです。

まさかのカギを部屋に置いたまま、ドアを閉めてしまいました。アパートはホテルのようなオートロック式になっていて、ドアを閉めるとカギがかかる仕組みで、右手に持っていたのは仮住まいのカギでした。スペアキーもなく、しばらく呆然。このピンチを救ってくれるのは、ひとりしかいない……、そう、管理会社のボブです。

ボブにテキストメッセージを送ると、「よし、待ってろ。15分で行くから。オレはマスターキーは持ってるが、そのカギが使えない場合は知らんぞ」とクールすぎる返信。喜んでいいのか、悲しんでいいのかわから無いまま彼を待ちました。

まもなくしてボブが到着、マスターキーを鍵穴に入れてみると、運悪く開きませんでした。「ダメだな、この鍵穴はもう変わっちまった。不動産屋に連絡して、スペアキーで開けるしかないな」と言いました。

なぜか、不動産屋にボブが連絡をしてくれて事情を話すと、スペアキーはあるが、オフィスに取りに行き、保証金として100ドル払うこと(鍵を返却したら100ドルは返金する)と言われました。

ボブが「不動産屋はどこにある?」というので、私が住所を伝えると、「ここからすごい遠いじゃねえか、よし、オレの知り合いに頼むからあと30分待ってろ」と言って、姿を消しました。

私がエントランスで待っていると、ボブともうひとりおじさんがきて、「コイツはマジシャンだから、安心しろ」と言ってエレベーターに乗り、部屋の前に行きました。おじさんは工具をごそごそと取り出して、カチャカチャすること1分、見事にドアがガチャリと開きました。

「ボブ、この人は何者?」と尋ねると、「コイツはロックスミスだよ」とひとこと。そう、鍵のトラブルなら何でも解決する鍵師でした。
私は何度も「ありがとう、本当に助かったよ」と深々とお礼しました。もちろん、ボブにも。


ボブと意思疎通ができるようになりました。少々荒っぽいところもありますが、性格はいい人だとわかったので、部屋に備え付けてあるオーブンと食洗器の使い方を尋ねてみると、「そんなの、googleで調べてくれよ」とにやりと笑ってひと言。そそくさとボブはその場を立ち去りました。

そんなこんなでメルボルンに越して3週間になります。明日は、先日、一方的に帰ってしまった電気屋『The Good Guys』が洗濯機と冷蔵庫を持って再びやってきます。今度こそ搬入してもらえるようにスタンバイしないと。しかも、取り付けまでしてもらうので長期戦になりそうな予感……。うー、今晩も眠りが浅いことは言うまでもありません。

ですが私、負けません。
失敗から学ぶことはいくらでもあります。
行動すれば、必ず前に進めると信じていますから。

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