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大切なものが増えて抱えきれなくなったらどうしようって話

夫からもらったネックレスをずっと着けている。婚約指輪はいらないよと言っていた私に、それならとネックレスをプレゼントしてくれた。誕生日のデートが終わったあと、誕生日とは別のプレゼントだからねって特別の顔で渡してくれたのがドラマみたいだった。夫は私の王子様です。本当に嬉しかった。

一生大切にするねって受け取ったもののそそっかしい性格は直せるものではなく、タートルネックを着ている時に襟元を引っ張って二度もチェーンをちぎってしまった。でも、修理して今もつけてる。物を大切にすることが生来苦手で、なくしてしまうとすぐに諦めてしまったり壊れたらそのまま捨ててしまったりすることばかりだった。直そうと努力して直らなかったら二重に悲しいし。そうなるのが目に見えてるから、意図的に大切なものを増やさないようにしていた気もする。
そして、ここにきて一生かけて大切にしたいものができた。

大切が増えると守るべき存在が増えるから怖い。夫と、夫がくれたネックレスと同じぐらい大切なのが、実家にいるダックスフンドのアポロ。凛々しくて賢いけど怖がりで甘えん坊な男の子。次の誕生日を迎えたら17歳になる。一人暮らしをはじめてからも、地震がくる度脳裏に浮かぶのは、実家の食器棚の下で寝ているアポロの姿で、怖がって震えていないか考えて泣きそうになる。実家に住んでいた頃は地震がきた瞬間に自室を飛び出てリビングまで駆け降りるのが常だった。
アポロにはこれからもずっと長生きしてほしいけど、東京で大震災が起きてしまうまでに、もう二度と怖い思いをしないまま地上から離れてくれたら安心だなとも思う。(すごく言葉を選んでいます。言霊は怖いから。私はあと十年でも二十年でもアポロに元気でいてほしいし、一生このまま一緒にいられればいいのにって心から思っているのも本当。)

結婚して実家を離れて、大切な存在が手の届く範囲から散らばっていくことが怖かった。大切な家族も増えて、実家の両親も夫の両親も大好きになって、距離として一度に手が届かなくなってしまった。守りたい時どうすればいいんだろうって思う。地球があと1時間で滅亡しますって言われた場合、大切なものすべてを抱きしめながら終わることができなくなっちゃった。

今の私にできるのは手の届く範囲にある大切なものを全力で守っていくことぐらいだ。ネックレスを二度とちぎらないように首元は丁寧に触ることと、タートルネックの服は極力着ないこと。実家にはよく帰ってアポロと家族を大事にすること。夫には栄養満点の食事を作って、嘘をつかず正直に向き合い、大好きって毎日伝えること。2023年下半期は、周りに対して丁寧でありたいです。

5月を救ってくれた曲

さっき身体を洗っていたら勢い余ってネックレスのチェーンに指が引っかかり久しぶりにヒヤリとしたので、このnoteを書きました。



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