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今年は新築物件も人気みたい

連休明け、やや重い足取りで最寄りの駅に向かう。なんだかパッとしない連休だったなと、ぐずぐず思いながら。

駅前に着くと、にぎやかな鳥の声が響いていた。

ーーツバメだ!

ツバメ達がにぎやかにしてる様子を見ただけで、ぐずぐずとくすぶっていた気持ちがさっと晴れたような気になった。とても単純だけれど、そのくらいでちょうどいいのかもしれない。

というのも、4月にツバメの飛来が少ないような気がして心配していた。

最寄り駅の構内や改札周りには、かなりたくさんツバメの巣がある。何年も前から満室になる人気ぶりで、リフォームを繰り返しては利用され続けている。

それが今年は満室にならず、どちらかといえば空き家物件が目立っていたので心配だった。

しかし、連休明けになると、「空室あります」と掲げられていた看板のいくつかは外されたらしい。飛び交うツバメの数がぐんと増えていた。

駅まで歩いてくる途中に「おや?」と思うこともあった。

それは、新しく巣作りをしているツバメがいたり、見かけない場所にツバメが止まっていた。辺りをよく見たら新しく巣がつくられている。

どちらも飲食店の店先で、来店客が多いお弁当屋さんとファストフード店。巣がつくられている場所は、入り口からは少し離れていて「フンの苦情が出るから取ってしまおうか」とは言われなさそうな場所。すっごく考えられた場所につくられている。

ほかにも、微妙な隙間でカラスの被害にあうこともなさそうなお店の軒先。お店の人がすっごく優しいおじいちゃんおばあちゃんだから、お手製のフンガードを作ってくれていたり。

ツバメがやってくるのは例年のこと。フンが落ちるのはしかたないし、人間が工夫すればいいよねという感じが、駅周辺にあるお店の共通認識のようだ。すごくいいなあと思う。

新築物件も、リフォーム物件もあらかた埋まり、小さなくちばしが巣から勢いよく飛び出し始めてもいる。

ゆううつになること多いけれど、ツバメたちが元気に暮らしている姿を見ると、嬉しい気持ちが勝る。単純な性格のおかげで、5月はどうにか乗り切れそうだ。


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