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待ち期間には梅酒を思いだして

ここ最近、申し込みやら公募やらで審査を受けることが続いている。
応募したり、申し込みを済ませるのはいいけれど、結果を待っている期間がちょっとだけつらい。

公募に短編小説を応募して、その結果を待っている。これに関しては応募した段階でわたしができることは一旦終わっている。提出がすんだあとに「あー、あの場面はもうちょっと変えればよかった」と思うこともあるけれど、もう変更できないからだ。

リライトして、まったく新しく作り上げる、というのは可能ではあるけれど。気にしたほうがいいのかもしれないけれど、気にし続けても仕方がない。次の作品に目を向けていくだけ。リライトするとしても大きく書き換えて別のアプローチを試してみる。

小説の公募に関しては、まだ前向きな姿勢を保っていられるのだけれど。

先日、プライベートで銀行でローン契約を申し込むことがあった。

まずは事前審査を受ける。事前審査の結果は割とすぐに出たのだけれど、次は本審査を申し込んで、また結果を待っているところである。この結果を待っている時間がつらい。胃がきりきりとして耐えられない。

待ち時間といっても病院の待ち時間や電車を待つホームで過ごす時間とはわけが違う。一週間から十日程度の「待ち期間」である。

なんとなく重圧感というか、心の底に不安感が溜まってきてどんよりとした気分が募るばかり。不安の波に飲み込まれると、精神的にもいらいらとして、夫に八つ当たりをしたり、ちょっときつい口調で話してしまう。

不安が募ると、ひとは他者に対して攻撃的になるのかも、なんて客観的に思ったりもしている。けれど、とにかく結果を聞くまでの期間が不安で仕方がない。

結果を待っている期間はそわそわいらいらして、うまく過ごせない。待っている期間が楽しみなことって、なにかあるかな? と考えていたらひとつ思い当たった。

初夏に処理をしてつくる梅シロップや梅酒。
処理をしてもすぐに飲むことはできない。梅シロップならば一ヶ月ほど、梅酒なら半年くらいの期間が必要になる。瓶の中でじっくりと溶けていく氷砂糖と鮮やかな緑色の梅の実をながめているだけでも幸せな気分になる。

梅シロップや梅酒を作って、飲めるようになるまでの待ち期間はそわそわしているけれど楽しみでもある。待ち遠しい、という言葉がぴったりだ。

この違いはなんなのだろう? 銀行の審査期間はそわそわ楽しみ、待ち遠しい! とはとても考えられない。もちろん、審査が通った後のことは、たのしみではあるのだけれど。待つための期間を過ごすのだから、せめてもうすこし楽しみな待ち期間にしたいものだ。

連絡がこなくてイライラしたら、せめて梅酒を漬けるときの爽やかな甘い香りを思い出したい。


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