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点ではなく面【システマをまなぶ】

久しぶりのシステマは、一時間の時短バージョン。

今回のテーマは「床を押す」というもの。

手で壁を押しつつ、力を保ちながら足で床を押すところからスタート。押す、という感覚を掴むことすらはじめは難しい。手で押した力を足に流し、その反対として、足で押した力を手に移動させていく。

足で床を押す、というのがいまひとつわかりにくい。というのもただ立っているだけでは押している、とは言えないからだ。力を込めると押す感じになるのか? などとやや混乱する。

次に、両足が壁を押し、両手は床につけて押す。身体は床と平行に浮かせている状態。この姿勢だと足が「押している」感覚が分かりやすい。足で押していなければ身体を床から浮かせることができないからだ。ただ、想像してもらえば分かるだろうけれど、この姿勢はかなりきびしい。力を緩めるとヒザを強打する。

床の力を利用して、4大エクササイズをやる。スクワットであれば、足の裏。プッシュアップならば拳の接地面が広くなるように。レッグレイズ、シットアップは背中全体が床の力を受けられるので楽にできるようになる(はず)。

二人一組になって、ひとりが相手の姿勢を崩す。そのときに、ゆがんだ姿勢を戻そうとするのではなく、足の裏に床の力を受け、力を均等にかけるというワーク。

北川さんのアドバイスとしては「スクワットなら、足の裏をべちゃっと床にくっつける感じで」とのこと。このワークで、ようやく「床の力」とは何なのか、ほんの少し意味が分かった。

例えば、電車に乗っていてつり革を持たずに立っていたとする。カーブが来たら、身体を支えるために「おっとっと」とつま先に重心がかかり、かかとは浮いている場合がある。

この時、身体を支えているのは「点」である。転ばないように、バランスをとろうと緊張している。

しかし、今回のワークでは、足の裏を「面」にして、床(地面)の力を受け取って姿勢を保つ。うろ覚えだけれど、物理学の「作用・反作用」の力を、自分の身体でやる、ということだろう。

なんとなく理解できたとしても、身体でできるかどうかは、それはまた別の話。ただ、やみくもに「うーん???」となっているよりは「あ、こういうことか」という取っ掛かりができたのが今回の良かったところ。

最後に「感覚がよく分からないのだけれど、何がたりないか? 何を鍛えればいいか?」といった質問をした人に、北川さんは「感受性がたりない」と答えていらした。

身体に起きていることを感じ取る力が不足していると、次にどうすればいいか判断できない。確かに、やみくもに、見よう見まねでやっているだけでは、「今日のワーク、謎だった……」と首をかしげながら帰路につくこともある。

見よう見まねでやってみてスルッとできるときもある。けれど、自分の身体の内側に起きている変化や、筋肉の動き、力の流れを知り、感じ取っていけると、システマへの理解がより一層深まるのだろう。


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