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恐怖に対してどう立ち向かうか【システマをまなぶ】

まるごとナイフワークの回。

これまでにも、ワークの途中でナイフを使った練習はあったけれど、全編通してナイフというのは初めてだった。ナイフといっても、もちろんトレーニング用。よっぽどの使い方をしない限り、ケガしない。

ナイフだなんて物騒だなと思うかもしれない。けれど、使い方はご想像にお任せするけれど「よっぽどの使い方」をすれば、お箸だって、ボールペンだって誰かにケガを負わせることは可能だ。

ワークが終わって、いろいろと思い返してみると、必要以上にナイフを怖がっていたと感じる。いつもスムーズに動いているとは言えないけれど、いつも以上にガチガチだった。

ただ、「ナイフに対してどう動けばいいか」というワークだと頭では分かっているつもりでも「やっぱり刃物は怖い」と無意識的にすり込まれている。そのため、呼吸も忘れている場面が多かったし、リラックスとは程遠かった。

動き自体は単純で、ナイフの軌道をほんの少し、たったの1センチでいいからずらしていく。ずらし続けていく、というワーク。

一番やってはいけないのは、ナイフを払いのける動作。

目のまえにあるナイフを払いのける動作をすると、払いのける力の反動で戻ってきて、攻撃にあう。自滅することすらある。

じゃあどうすればいいのか? 

ナイフの動きをコントロールすればいい。ただし、言うは易く行いは難し。

ナイフを持っている手を「押さないで」動きについて行く。ナイフの軌道を、そらし続けていく。

このとき、ナイフは自分の身体の近くにある方が動きやすい。怖いからといって腕を伸ばした状態だと、思いのほかコントロールできない。腕の力が一番効率よく使える状態に持って行くことも重要。

思うように身体を動かせなかったのだけれど、ワークを重ねていく中で「あ、こういうことか」と身をもって分かってくることもあった。何度も繰り返してみると、「このほうが動きやすい」と、身体が勝手に動いてくれる時もある。ただし、緊張しているとすぐ撥ね退けたくなるし、強く押し返してしまう。

最後に北川さんが教えてくださった「恐怖に対してとる行動」がためになった。

恐怖を感じたときに取る行動として、反撃する、逃げる、固まる(動けない)。

反撃は「おらぁ」と拳を振りかざしていくようなイメージ。恐怖に向かって立ち向かうというよりは威嚇的な行動。

逃げるは、文字通り。その場から逃げ出す。場合によってはこれが一番良い判断だということもあるだろう。

固まるは、フリーズする、足がすくんで動けない。恐怖の度合いにもよるだろうけれど、恐怖に対してフリーズする場面も多いように感じる。

目に見える恐怖もあれば、目に見えない恐怖もある。

ナイフは暴力的に使用すれば目に見える恐怖。目に見えない恐怖は今なら感染症が該当するかもしれない。(目に見えた恐怖として感じとれる場面も多々あるけれど)

今回のナイフワークは身体の動かし方はもちろんだけれど、恐怖に対して、どのように立ち回ればいいかを考える内容だった。

最適解だったかどうかは、その場その場で判断しなくっちゃいけない。あとで思い返したときに「もっとこうすればよかった」と後悔することもあるだろう。けれども、パニックにならず、冷静になって観察する。これが一番大事なんだなと改めて納得したワークだった。



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